体罰問題といじめ問題は、もう我が国の教育界における永遠のテーマみたいになっちゃってますね。
一定の周期で必ずマスコミに取り上げられて、何も解決しないままにみんなが忘れて、またしばらく経つとマスコミに取り上げられて・・・という繰り返し。マスコミが取り上げるのには一定の周期があるけど(私の個人的かつ感覚的判断では概ね5年くらいの周期ではないかと。)、体罰を受けている生徒や運動選手、いじめられている子どもの存在は途絶えることなく連綿と続いてる(はずである。)。おそらく、開闢以来、は大ゲサとしても少なくともここ半世紀、「体罰」と「いじめ」がこの国の教育現場からなくなったことは一度もない、と思う。
「マスコミが取り上げない」ということと「この世に存在しない」ということは(当たり前すぎて文字にするのも馬鹿馬鹿しいが)イコールではないのだ。
「体罰」も「いじめ」も、みんなが「よくないこと」と理解してるのになくならない(やめられない)のは、どちらも人間の本能というか根元的な弱さというか不可避的な狡さというか救いがたい卑劣さというかどうしようもないクソったれというかに由来するものだからだろうか。
私の高校時代も毎日が「体罰」に怯える日々でした。
「体罰教師」は私が所属していたラグビー部顧問のY(特定秘密なので特に名を秘す。)。今から考えれば、人生経験も浅い、世の中のことなんか何一つ分かっちゃいない、おそらく仕事もあまりできない20代半ばの若造教師だった。今は恐るるに足りないが当時は怖かった。
部活動の練習中に技術的な質問をYにしたら「勉強不足だ、バカヤロー!」といきなり腹を蹴られました。しばらく息ができずにグランドにうずくまる私。
今なら1時間以内に訴状を作って名古屋地裁に訴えるところだぞ。
ラッキーだったな、Y。
私だけじゃなくて生徒全員がYを怖がっていた。
あ、一人だけいたな。「あなたのことが僕は大嫌いです。」と面と向かってYに宣言した度胸あるヤツ(特定秘密なので仮にMとしておく)。少林寺拳法の有段者だったMからすれば、たかだかラグビーごときで鍛えたマッチョな体格をひけらかして生徒を殴ったり蹴ったりしている若造教師なんぞメじゃなかったのだろう。
ちなみに、Mはその後校長室に呼び出され、「何故、君はY先生のことが嫌いなのかね?」とネチネチ、失礼、延々と校長(とY)から問い質されたそうな。
あーうっとうしい。Yがバカなら校長はアホか?
Yがみんなに嫌われてるのは、「教師」というチンケな社会的地位と権力をかさにして自分の気に入らない生徒を殴ってるからに決まってんじゃん! Yを嫌いなのはMだけじゃねーよ、と、今ならMのために45分で訴状作って名古屋地裁に提出するところだぞ。
運が良かったですね、校長先生。
Yからすれば、「俺は生徒みんなから愛されてる。俺も生徒みんなを愛してる。だから鉄拳制裁は愛のムチ。生徒もみんな分かってくれてる。(校長も庇ってくれるし、教育委員会マターにはならんだろ。俺様のマッチョな身体とソフトなルックスの前には女子高生もメロメロよ。)」とか思ってたのかもしれないが、Y先生、みんな(含む私)あなたのことを嫌ってましたぜ。今でも高校時代の友人と酒飲むと、「ほんとYってヤなヤツだったよなー! ああいうの教師として失格だよなー!」で軽く1時間は盛り上がる。ちなみに、先日飲んだ高校時代の友人S(現在、某大学教授)とはこの話題(だけ)で1時間40分盛り上がりました。
生徒や選手に対する体罰を是としている全ての体罰教師・暴力コーチの皆さんへ(※そもそも「罰」ですらないんだけど。知らないことを指導者に質問したり、プレーでミスしたり、体調や気分の関係でどうしてもやる気が湧かなかったり身体が動かなかったり、なかなか技術が向上しなかったり、指導者と性格が合わなかったりすることは「罪」でも「悪」でもない。体罰容認派のバカはそこんとこ、いいかげんに理解しようね。)。
もしもあなたが私の依頼者だとして、私に質問したり、証人尋問でリハーサルどおり証言できなかったり、あるいは何となくあなたと相性が合わないなぁと私が思ったり、あなたの相談内容が低俗かつ卑劣なものだと感じたりしたら、私は遠慮なくあなたをぶん殴ったり、蹴り飛ばしたりしていいんだよね?(蹴るときは腹に行くのでしっかり腹筋に力を入れとくよーに。)
だって、私は依頼者であるあなたのことを心から心配して愛してるんだから。あなたも星の数ほどいる弁護士の中から私を選んで、私を信頼して、私に運命を託したわけですから。そういう覚悟で今、生徒や選手をぶん殴ったり、蹴り飛ばしたりしてるんですよね?
みなさんがやっていることは、つまりはそういうこと。
ご依頼、お待ちしております(たぶん受任しないけど。)。