つれづれなるままに弁護士(ネクスト法律事務所)

それは、普段なかなか聞けない、弁護士の本音の独り言

逆ナンされました(実話)

2015-02-25 11:23:15 | 日記

2月10日。

貴重な麻雀メンツのS君(鉄道オタク。彼女募集中。)が和歌山に転勤になる、ということで新橋において送別麻雀大会を挙行した。

「大会」といっても、メンツは私、I氏、S君、S社長の4名だから卓は1つしか立たぬ。寂しい大会だ。

18時半ころから23時近くまで打(ぶ)って、案の定、S社長がダントツに勝った。送られる立場のS君は一人負け。それも結構な額。

そういえば、前回1月の年明け麻雀大会(同じく、卓は1つ)でもS社長の一人勝ちだった。

もしかしたら、私たちはS社長のとんでもないカモなんじゃないだろうか?

 

S君は「人生初の地方転勤」という一大イベントに気分が高揚しているのか、マシンガンのように終始喋り続けていた。

人の話も聞いちゃいない。捨て牌もノーチェック。たまに大物手をテンパイすると静かになる。分かりやすいこと、この上ない。

そして、S社長か、I氏(たまに私)に振り込むかツモられる。半荘4回やって、延々その繰り返し。

 

「送別するよ」と誘い出され、背負ってきたネギごとスープの煮えたぎる鍋にぶち込まれ、美味しく茹で上がった・・・じゃなかった、満身創痍のカモ・・・おっと、もとい、S君をそのまま帰すにはあまりに忍びず、ジャッカルS社長を新橋駅改札でお見送りした後、I氏と私とS君とで少しだけ呑むことにした。

取りあえず、新宿まで行って何軒か店を探すも、なかなかいい店がない。歌舞伎町界隈を冴えない風体の男3人がウロウロしていると、10m間隔で客引きのオニィチャンから声をかけられる。ウザイこと、この上ない。

結局、私がたまに行く新宿三丁目の「池林房」になだれ込んだ。演劇関係者が毎晩明け方までくだを巻いているような店である。しかし、雰囲気があって、安くて、美味い。

池林房でもS君は喋り続けた。

午前2時を回った頃、さすがに(最年長の)I氏が体力の限界に達し、「そろそろ帰りましょう。」とS君のマシンガントークが炸裂するリングにタオルを投げ込んだ。

 

その直後である。

20代後半くらいの女性2人組が店に入ってきた。

私たちが陣取っていた席のすぐ隣に座り、注文を終えると、向かって右側の巨乳ちゃんが濡れた眼差しでじっと私の方(ばかり)を見ている。I氏でもS君でもなく「私」を、である。

最初は、「ふっ、オレの自意識過剰も来るところまで来たもんだぜ。」と謙虚に思ったりもしたが、何度も巨乳ちゃんと目が合う。目が合うたびに巨乳ちゃんがニコッと笑う。

「これは噂に聞く逆ナンではないか! あぁ、麻雀でバカ勝ちして運を使い果たさなくて良かった。」

運の節約上手な自分を抱きしめてやりたい気分だ。

ついでに巨乳ちゃんにも抱きしめられたい。

 

そんな私の胸の高まりを無視し、さっさと帰り支度をして席を立つ品行方正なI氏と電車(JR限定)以外に興味のないS君。

おいおい、お二人さん。その枯れたジジイのような態度は如何なものか。

・・・などと異議申し立てもできず、黙って2人の後を追って店を出る私。ああ、法廷でバンバン異議を出しまくる時の100分の1の勇気が今、あれば。

後ろ髪引き抜かれて500円玉大のハゲ痕がいくつもできそうな思いで振り返って、巨乳ちゃんに「バイバイ」と手を振ってみたら、彼女も残念そうに手を振り返してくるじゃあ~りませんか。

 

新宿柳通りの交差点まで出て、それぞれ帰る方向が違うので別々のタクシーで帰ることにする。というか、そういうことに強引にした。私の戦術だ。

タクシーに乗り込んだ直後、携帯に電話がかかってきたフリをして、運転手さんに

「あ、ごめん、ちょっと急用で店に戻らなくちゃ。これ、お詫びね。」

と1000円札を握らせ、私が池林房に戻ろうとしたのは言うまでもない。高度な戦術だ。

幸い、次の日(既に日付は変わっているので当日だが)は建国記念日で休日だし。

ああ、俺も巨乳ちゃんと恋の炎を建国したい。燃えさかる紅蓮の炎で池林房を焼失させちゃうぞ。

そんな私の暴走する99%の本能をかろうじて押しとどめたのは、

1)所持金が残り少なかった(自宅までのタクシー代ギリギリ)

2)飲み過ぎて気持ち悪かった(既に口の中、酸っぱい)

3)カミサンのことをよく知っている役者兼劇団座長(ビーグル大塚君)が、その日、池林房でバイトをしていた

という諸事情があったからだ。

 

今から考えれば

1)金はなんとでもなる(パスモ持ってるんだから始発で帰ればいいじゃん、俺)

2)気持ち悪いときは吐けば楽になる(リセットボタンは舌の付け根部分にあるぞ、俺)

迷わず巨乳ちゃん(@池林房)に走るべきであった。

・・・あ、店にはビーグル大塚がいたか。

 

後日、K女史に、

「オレさぁ、この前、逆ナンされちゃってさ~」

と自慢したら、

「先生。そういうの、美人局っていうんだよ。お金も社会的地位も失わなくてよかったね。」

と静かに諭された。

 

嫉妬だな。

ジェラシーの炎は人を見る目を曇らせるんだぜ、K女史。

あの巨乳ちゃんの笑顔(と胸の谷間)にそんな闇が潜んでいようはずもなかろう。

 

しばらく池林房に通うことにする。

 

追記1: いさをさん。先送りになっている新年会は、是非とも、何が何でも、池林房でお願いいたしたく。飲み代、半分出します。

追記2: ビーグル。頼む。バイトする店、変えてくれ!

追記3: (たぶん)天国の母上様。俺は元気にやってます。