つれづれなるままに弁護士(ネクスト法律事務所)

それは、普段なかなか聞けない、弁護士の本音の独り言

羽村市

2019-12-02 00:24:00 | 晴れた日は仕事を休んで
第40回は羽村市。

東京でもっとも人口が少ない市だ。
面積も9.9㎢しかない。
9.9㎢=3km×3.3km。
時速4kmとして、市の端から端まで歩いても1時間かからない計算。
うわっ、狭!

さて、行ってきたのはここ↓


羽村駅のほぼ目の前。

「まいまいず」とはカタツムリのこと。
地盤の柔らかい土地で垂直に井戸を掘り進めると、掘った先から土が崩れてきて井戸が埋まってしまう。
それを回避するために古代の人たちは、「土地を螺旋状(らせんじょう)に掘り下げていって、硬い地盤まで到達してから垂直に井戸を掘ればいいじゃん」と思いついた。
螺旋状に掘り下げることで、底の井戸までの通路もできる。
言葉で説明すると分かりにくいが、要するにこんな感じ↓




羽村市のまいまいず井戸は五ノ神社の境内にある。
伝説では大同年間(806年〜810年)に掘られたという。伝説はさておき、出土品からすると少なくとも鎌倉時代(1192年頃〜1333年)には既に付近の住民の生活水として使われていたらしい。

五ノ神社は推古天皇9年(601年)の創建と伝えられいる。同じ年、奈良では聖徳太子が斑鳩宮(いかるがのみや)を造営していた。

五ノ神社の本殿はこんな感じ↓


現在の本殿は文久2年(1862年)の竣工。
勝海舟に弟子入りした坂本龍馬が討幕の表舞台に登場した年である。

境内のまいまいず井戸のすぐ横にこれまた古い隼人墓があった↓


説明の案内板もなく、いつ、誰が作ったのか、誰のための墓なのかも分からない。

猫の額(ひたい)ほどの羽村市の、子猫の額ほどのちいさなちいさな神社の境内に、ざっと1200年分の時間が閉じ込められている。
私が訪れた時は、色づき始めた境内のイチョウが神々しかった。



今年は指を切り落としそうになるわ、信じてた人間には裏切られるわ、腹の立つ事件を受任するわ、仏滅と13日の金曜日と天中殺と大殺界が団体ツアーでやって来たような年だったけど、こういう圧倒的な時の流れが凝縮した場所に来ると、

「ま、どーでもいっかぁ」

という気持ちになる。私だけか?

痛いとか許せんとかムカつくとか損したとか、泣いたり怒ったり喚(わめ)いたりしたところで、1200年も経てば心も体も、ヒトの記憶さえ綺麗さっぱり消えてなくなるだろう。
無から出でて無に帰するものに一喜一憂、右往左往してるというのも、考えてみれば馬鹿馬鹿しい話だ。
よし。明日からまたがんばろー!

と家に帰る途中、こんな店を発見!


なんだなんだ。
坂本九ちゃんが俺を励ましに降臨したのか?

しかも、そのお隣には↓


・・・七転び、っすか?

羽村市、小さいのに癒しどころ満点だ!