【2021年10月28日(木)】
途中、立ち寄ったローソンの駐車場で仕事途中らしいハイエースを運転していたおじさんから声をかけられる。
おじさん:日本一周してるの?
僕:いえ、そこまでは。やってみたいっすけどね。
おじさん:東京からだろ?どこまで行くの?
僕:ちょっと宮崎まで。
おじさん:おいおい、なんだそりゃ(笑) ほとんど日本半周じゃねーか。いや、俺のカミさんが九州の出でさぁ・・・(以下、高千穂に嫁いだ娘さんの話、従兄弟、その他の親戚のお話を伺ってお別れする。)
今日の立ち寄り地は愛知県三河地方の山の中(それも奥深い)なので国道1号線ルートから外れて国道257号線を北上し国道420号線へ。
あとはひたすら山間の県道を走る。
小学生の頃、家族旅行で来た鳳来寺山がルートの途中にある。
夜明け前、「ブッポウソウ、ブッポウソウ」という不思議な鳥の鳴き声で目が覚めた。
家族旅行などほとんどしなかったので、コノハズクの鳴き声と、鳳来寺山の深い乳白色の朝靄(あさもや)の風景は夢現(ゆめうつつ)のような体験として僕の記憶に今も刻みつけられたままだ。
あのとき、親父は何を思って家族を鳳来寺山にまで連れて行って「ブッポウソウ」を聞かせたかったんだろう。
さて。閑話休題。
立ち寄り地までの山間の道は延々とこんな感じ。
最初こそ楽しかった峠道も1時間も走っているとさすがに飽きてくる。
しかも寒い。道路の横にあった温度表示計の数値は15℃。
だいたい70kmくらいのスピードで走っている上に風もあるから体感温度は0℃近い。
寒くて運転に飽きてくると集中力が切れてくる。
峠のワインディングロードで集中力を切らすのは命取りだ。
3度ほどカーブの向こうからやって来たダンプカーに突っ込みそうになり、2度ほど積もった落ち葉にタイヤを取られて後輪をドリフトさせてしまい、1度カーブに入るタイミングとクリッピングポイントを見誤って大きく対抗車線にはみ出てしまった。
よく無事だったと思う。
4時間ほどかけてようやく目的地に辿り着いた。
どうしても来たかった場所だ。
ここ↓
たぶん僕の、というより「平岩一族」が生まれた地。今では豊田市の中の寂れた町だ。
「平岩一色」なんて書かれていると「平岩一族」がうじゃうじゃいそうだけれど、実際には民家も数軒しかない。
「ポツンと一軒家」も顔負けの寒村。
あと数十年も経たずに、地図からも消え去るだろう。
さて。
愛車に自分のルーツも見せたし、急いで今日の宿泊地である京都に向かう。同期の上田さんと大島さんが待っている。
県道19号線ですぐに岐阜県に入り、
その後は13、508、49、461、95と県道を走り継いで国道21号線。
犬山、各務原、岐南、大垣、垂井を過ぎれば天下分け目で有名な関ヶ原だ。
さらに国道21号を西に進んで米原を抜け彦根市に入ると目の前に海が広がっている。
琵琶湖だ。
県道25号線を琵琶湖沿いに南下して琵琶湖大橋を渡り、国道161号線に入れば京都はもうすぐそこだ。
本日の走行距離は314km。
上田さんが18時に予約してくれていた「一寸法師」に18時ジャストに飛び込んだ。スマホの充電はほとんどなくなり、長時間のライディングで尻は寝たきり老人の床擦れの如く痛い。
僕らの恩師の権藤先生の、「俺は元気だ。しかし、気力・体力共に限界!」というなんだか矛盾した千代の富士の引退会見のような伝言もちゃんと上田さんと大島さんに伝えた。
あぁ、肩の荷がおりた。
「一寸法師」のお肉はバリ旨。
社長さんと店長さんも交えてお店の前で写真を撮ってもらった。
全員顔出しだけれど、「ブログに載せて宣伝します」とお願いして了解済みだ。
「一寸法師」の場所はホテルエミオン京都の2階。
今日はホテルエミオン京都に泊まって、明日は広島を目指す。
広島の長谷川さん。待ってて。
頑張って19時には行くから。