安土城の瓦 首里城の瓦 首里城の龍柱 坂本城龍頭瓦

安土城の瓦　首里城の瓦　首里城の龍柱　坂本城龍頭瓦

◆時節の御挨拶の事
　11月の到来とともに大気の温度も冷えて
参りました。読者様には風邪など召されず
御健勝であられます事を心より祈念します。

◆読者諸賢様に御礼の事
前記、ブログ記事に一段の有識読者様より
6個の「良いね」を格別に賜りました事、
不肖の学徒私への激励に対し深く感謝致
します。

◆御願いの事
私はブログを書いて、御仲間の皆様に再会
できる機会を希望します。しかし私の記事
で何が一体良いのか？全く自分自身では全く
解りません。良いねやコメントでヒントや
助言を賜らん事を謹んでお願い申し上げます。

◆安土城の瓦の事
　天正４年から建設起工が始められた
織田信長の居城、安土城の瓦について
著作者太田牛一は以下の如く簡潔に述べ
ています。
『信長公記』天正4年
「瓦焼唐人の一観相添へられ、唐様に仰せつけらる。」
「瓦、唐人の一観に仰せつけられ、奈良衆焼き申すなり。」
この簡潔な記録ですが信長の居城安土城は特別な
瓦が使われて、中国人の一観と奈良衆とよばれる
特別な瓦の焼成集団が動員された事が解ります。

◆令和の首里城の瓦の事
残念ながら令和元年に首里城が焼け落ちる
火災が発生し謹みお見舞いを申しあげます。
さてニュースによりますと首里城で2014年
に死去された瓦職人の奥原崇典さんの焼いた
赤瓦が使用されたが現在再現不可能という事
１人の瓦職人様の貴重な技術に感心致します。

◆首里城正殿の龍柱の事
首里城正殿跡に１対の大龍柱だけが焼け残った
と聞き及びます。龍と言えば中国の王朝の象徴
です。また龍と水の関係の起源はインドのナーガ
にまで遡り、仏教を介して中国に伝わり中国の竜
へと龍が習合したとされています。

◆明智光秀坂本城の龍頭瓦の事
さて水を呼ぶ伝説上の霊獣「龍」をモチーフに
した城郭瓦が坂本城の井戸跡から出土している
事はあまり注目されていません。以下の写真は
平成4年の『滋賀県中世城郭分布調査報告9』に
掲載されたものです。何か井戸から龍が出土し
た、水城の事を私は非常に感慨深く思います。


◆ウイッキペデイアから坂本城を引用しますと
「元亀2年（1571年）9月比叡山焼き討ちの後、
宇佐山城の城主であった光秀に対して信長は
滋賀郡の支配を命じ坂本城を築城させた。
比叡山延暦寺の監視と琵琶湖の制海権の獲得
が目的であったと思われている。「明智坂本
に城をかまへ、山領を知行す、山上の木にま
できり取」（『永禄以来年代記』）とある。
山領というのは延暦寺のことで、比叡山焼き
討ち後、1571年（元亀2年）中に築城が開始
されたと思われている。また元亀3年
（1572年）12月22日の吉田兼見の記述に
よると、「明智見廻の為、坂本に下向、
杉原十帖、包丁刀一、持参了、城中天守作事
以下悉く披見也、驚目了」（『兼見卿記』）
とされていることから坂本城には天守があり、
作事が行われ翌12月頃には天守がかなり進捗
していたと思われている。短文ながら天守の
壮大さに驚いている様子が伺い知れる。
また坂本城はイエズス会宣教師のルイス・
フロイスの『日本史』にも、
「明智は、都から4レーグァほど離れ、比叡山
に近く、近江国の25レーグァもあるかの大湖の
ほとりにある坂本と呼ばれる地に、邸宅と城砦
を築いたが、それは日本人にとって豪壮華麗に
もので、信長が安土山に建てたものにつぎ、
この明智の城ほど有名なものは天下にないほど
であった。」と記されている。この記述はルイ
ス・フロイスの感想ではあるが、名城安土城と
並び称される建物として意識されていた。
その後、光秀は坂本城を拠点に近江国の平定を
目指した。1572年（元亀3年）-1573年
（天正元年）にかけて木戸城、田中城を落城させ
、また湖面より囲船にて湖北の浅井勢に襲撃し
打撃を与えた。」
とあります。

◆明智が木戸城田中城を織田信長から下賜された事
私の前回ブログ投稿の大津野々口丹波城とは
木戸近辺の中世城郭を再考する上で重要かと
思います、未だお読みで無い方は是非一読を
御願い申上げます。また木戸は志賀郡田中を
高島郡と解釈すると大きな意味合いがあると

歴史城郭研究家　長谷川博美