《 首相の心情をのぞかせる場面が今春あった。4月3日夜、東京都内のレストランでトリノ五輪フィギュアスケート金メダリストの荒川静香選手、佐治信忠サントリー社長夫妻らと会食中に突然立ち上がり「海ゆかば」を朗々と歌ったのだ。「海ゆかば」1937年、日中戦争が拡大する時期に作られた。万葉歌人、大友家持の詩に曲をつけたもので戦意高揚、あるいは戦死者鎮魂の歌でもある。中韓両国の反発にもかかわらず、靖国参拝を繰り返す思いのあらわれだったのだろうか。「いい歌だろう。これが軍歌なものか」と歌い終え興奮気味に語る首相の姿… 》
(7月18日付『毎日新聞』より)
うみゆかば みずくかばね やまゆかばくさむすかばね
おおきみの へにこそしなめ かえりみはせじ
みずくかばねも、くさむすかばねも、私たちの父や祖父や兄弟たちのなきがらです。易々として死地に赴く、これは戦前の愛国心教育の成果でありました。
累々たるかばね、また、非戦闘員のかばねもうずたかく積み上げられた。
再びあってはならないのです。
いまでもそれを賛美する小泉首相、この精神構造、歴史認識でアジア外交はできるのか。
恥ずかしい。