三流読書人

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ドングリ小屋住人 

労働者を守る こんな社長もいる

2006年07月30日 05時36分04秒 | 反自民反小泉

 樹研工業社長 松浦元男氏 71歳。
 65年、同社を愛知県に設立。極小精密部品製造で国内トップ。超優良会社。 社員参加の経営会議も。
    (縦並び社会 格差克服への提言ー② 『毎日新聞』7月25日付より)

《 社員は応募の先着順で採用している。学歴も経験も不問。誰にだって可能性があるからだ。
 例えば口下手だがコンピューターに精通している若者が他社の試験に落ちてきてくれた。
 世界最小の100万分の1㌘という歯車を開発したのは高校の元番長。
 数学が全くできなかったのに機械にデータを入力するうちに微分積分をマスターした女性社員もいる。彼らにチャンスを与えて力を引き出すのが経営者の仕事。リストラで業績を回復させるのは経営者の都合だけの粉飾決算だ。
 会社は誰のものか。株主のものだというのはおかしい。株主だけで経営してみろと言いたい。上場しないかという勧誘は何度も来た。僕に20億入りますよと言われたこともある。でもそんな金はいらない。会社は社員と経営者の共同所有だと思うからだ。
 正社員と派遣社員で同じ仕事をしているのに給料が違うのも不合理だ。とことん追求してしまうと共産主義になってしまうが、政治の力で余り格差がないようにすることが必要ではないか。
 大事なのは労働者に安定した雇用を保証して能力を発揮してもらうこと。当社には定年制がない。76歳の社員が会社の中を走り回っている。60歳でも子どもが3人いれば末っ子はまだ学生で、そんなときに失業しては家庭が成り立たない。たしかに60歳にもなれば給料も高く、企業から見れば定年にした方が楽だ。しかしノウハウの塊である年かさの社員が働く姿を見た40代や30代の社員は安心し、技術開発に打ち込んでくれる。会社にとってもプラスだ。     
 グローバルな競争の中で日本が生き残っていくために必要なのは技術開発の競争力。その人材をいかに育てるかにかかっている。  
  
国も経営者も、社員が安心と希望を持って働ける環境をつくることに努力すべきだ。労働者を保護することは、結局会社や競争力を守ることにつながる。 》
 
 いるんですね。こういう社長。人を信頼するところからはじまっている。
 ところが、人は蹴落とす対象、人はバカだ、金を儲けた者が勝ち、というのが小泉流・竹中流経済学です。彼らの発想は、あなたにも人を蹴落とすチャンスはあったはずだ。それをしなかったお前が悪い。というのが根底にある。
これが人間の社会か。