伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

改選後の議会が動き出しました―特定会派排除の議会人事

2012年10月10日 | 市議会
 10月9日、改選後始めての常任委員会が開かれ、それぞれが担当する部局の重要施策の説明が行われました。私が所属するのは文教・経済常任委員会。経済の部分は改選前、2年間努めた環境・経済常任委員会と同じですが、環境がはずれ文教が加わりました。文教は経験がなかったことからこの委員会を担当することにしました。

 さて、この常任委員会の所属が決まったのは、10月4日に開かれた臨時議会でした。この議会では議長、副議長を始め、市議会推薦の監査委員、委員会の正副委員長などの議会人事が行われました。今回の議会人事は、日本共産党をはじめ特定の会派を人事から排除する多数の横暴が幅をきかせた人事ということができると思います。

 新しい議会では、定数削減のために常任委員会の構成員数が減少していることから、これまで5つあった常任委員会を1つ減らし、
     総務常任委員会
     市民・福祉常任委員会
     文教・経済常任委員会
     建設・水道常任委員会
の4つに再編しました。

 また特別委員会として東日本大震災復興特別委員会を設置することになりました。

 この結果、議会の役職は、議長、副議長、常任委員会の正副委員長をはじめ委員長職が8、副委員長職が8、議会推薦の監査委員が2となり、ここにどのように議員を配するかのルールが問題になります。

 日本共産党は、指名推薦での選出を主張しました。

方法はこうです。
議長を第1会派、副議長を第2会派から選出する。
正副委員長職は会派の構成員数を基礎にしてドント方式で配分する。
監査委員は第1会派、第2会派から選出する。
そしてそれぞれの会派の責任で推薦した者を、それぞれの役職にあてるという方法です。

 こうすることによって、各党・会派の人数に示される民意を、議会の人事にも反映することができる上、議会人事をめぐる多数派工作でのトラブルを避けることができると考えているからです。創政会も基本的に同様の指名推選を求める意見でした。

 ところが、改選後の会派構成で14人の最大会派となった志道会は、「投票」による選挙で選出することを主張。これに公明党、つつじの会、政新会が賛同したため、全ての役職が「投票」による選挙で選出されることになりました。

 「投票」も民主的な方法の一つです。しかし、使いようによっては、事前の多数派工作で特定会派を排除することができます。事実、過去、こうしたことがやられた経過もあります。議会の円滑で公正な運営を図る上でも、他の方法が望ましいことはいうまでもありません。

 実際、投票による役職決定での会派への配分は下表の通りとなりました。第四会派の日本共産党と第二会派の創世会が排除されたことがくっきり浮かび上がります。






 また監査委員を投票によって推薦することにも問題があります。推せんされた議員を監査委員として任命する人事案を提案するのは執行部(市長)です。

 今回、各会派が推薦する候補者を出し合い話し合うことが志道会から提案されました。話しあっても一致しないことは明らかで、案の定、投票で決することになりました。

 こうして多数をとった議員が執行部に推薦されたわけですが、この人物と別の人物に投票した日本共産党としては、執行部が提案した監査委員の人事案に賛成できるわけがありません。投票による監査の人選は、議会が推薦しながら、提案された人事案に賛成しない議員が出てしまうという矛盾が生じてしまうのです。

 このため日本共産党は、監査委員を投票で選ぶことになれば議会としての推せん責任を果たせなくなる恐れがあることを指摘し、話し合いにより合理的に説明できる方法で選出することを主張しましたが、入れられませんでした。

 そして、臨時会で提案された監査委員に関する人事案では、①投票による選出方法に問題がある、②推せんする議員を決めた拡大各派代表者会議の投票では、高橋明子、溝口民子両議員に投票した経過がある、③これまでも人事案には反対をしてこなかった(提案された人物に明らかな欠格事項があれば別ですが)ことなどから退席し採決に加わらないことにしました。

 振り返ってみると、日本共産党が提案する人事の方法にも弱点があったように思います。
 私達は、民意を活かす方法で人事をすすめ、大会派のみならず会派の構成数に応じてそれぞれの会派が議会の運営に直接携わり、責任を持つ方法が望ましいと考えています。

 ところが今回提案した内容では、3人会派には役職の配分がなく、全ての会派が議会運営に直接携わるという点から見れば、不十分な内容でした。次回以降改善していくことが必要と思います。

 今回の議会人事は、多数によるゴリ押しで議会人事がすすめられるという問題を残してしまいました。
 日本共産党は、今後の議会運営の中で、民主的で公正な運営を通じて、市民のみなさんの声が活かされるように引き続き取り組んでいきたいと思います。


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