伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

市役所本庁舎本棟の耐震改修の考え方が公表されました

2015年10月29日 | 市政
 東日本大震災で市役所も被害を受けましたが、その耐震調査にもとづく対応策を市がまとめ、各会派に説明しました。

 思い起こせばあの震災を、体験した場所は文化センター3階の会議室でした。しがみついたテーブルと一緒に揺さぶられ跳ね上げられる人、窓際に立っていて揺れに突き動かされ自由を失っている人、とにかくいつ終わるとも知れない長い長い時間揺さぶられていた印象を持っています。何かで読んだ記憶があるのですが、強い揺れだけで6分程度続いていた。途中で一度息をついだ瞬間がありましたが、後にも先にも経験したことがない揺れでした。

 揺れがおさまった後、会談を利用しながら避難する途上、天井から吊られた避難誘導灯が支柱から外れてブラブラ揺れていたことを思い出します。

 戸外に出ると正面玄関前にはられたタイルがずれ、市役所に戻る道すがら道路に入った細いひび割れを見て、地震の大きさをあらためて実感していました。とりあえず市役所に戻った時、割れた窓があることに気づきましたが、大きな損傷は見受けられず、とりあえずホッとしたものでした。

 後に庁内を歩いていて、壁のコンクリートにヒビが入っているのを見かけたりしました。庁舎の耐震性が心配されるところです。市が委託し実施した調査では、本庁舎のうち建物の地震の耐性を示すIs値が本棟は0.40、議会棟が0.62、市民棟が1.58でした。

 Is値は大きければ大きい方が良いとされ、国土交通省は基準値を0.60としています。従ってこの通知より小さい本棟に、耐震面からの対応が必要になっているのです。

 市は「利用者の安全性の確保」「災害時における防災拠点としての機能の充実・強化」を目的に、耐震化を図りますが、本棟の改修では、耐震性の向上と新川があふれた際の浸水対策に加え、築42年が過ぎて進んだ設備の老朽化への対応も加え、建替えではなく、改修で対応するとしています。

 耐震改修は、基礎や地下の柱頭に免震装置を設ける工法で行う考えで、改修によりIs値0.9を確保できるといいます。

 また浸水対策は、市役所南側駐車場の一部に階建ての別棟を建て、本棟地下に設置されている主要な設備をその2階に設置し安全性を確保するとともに、設備の更新で省エネルギーも図る考えだといいます。

 改修で建物の耐用年数は改修後20年から30年で、要する費用は上限で約59億円。仮に全体を建替た場合約118億円かかり、耐用年数は60年から70年になるとか。

 改修でも建替えの場合の半分の予算が必要になるのに、改修を選択したのは、①建替えの場合は全額市の一般財源で負担することになる、②耐震改修に必要な経費の半分は後年度に交付税として国から支援をされる――ことが理由です。

 今年度中に、工法等の提案を受けてより良い案を提示した業者と契約するプロポーザル方式で業者を選定し、耐震化工事は2017(平成29)年度中に着工し、2019(平成31)年度に終了したいとしています。


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