伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

今の給食測定、100%完璧とは言わないが、福島県で一番の意見ありました

2014年01月20日 | 市政
 11日付のブログを読んだ「福島/いわき放射線測定情報(以下@f_lab)」さんからツイッターでご意見をいただきました。次のような内容です。

「@f_lab 1月16日 @itou6011 ブログ見ました。学校給食ですが、測定下限値5Bq/kgはクリアできていません。昨年4月に下限値を考えずに新機種を選定した、または新機種の性能を考えずに下限値を変更したので無理があります。ただスクリーニングレベルは確認しております。」

「@f_lab 1月16日 @itou6011 それから今年でなくなぜ昨年度、国の基準値100Bq/kg・牛乳の基準値50Bq/kgを測れない測定をしているときに、議員さんは全く誰一人動かなかったのですか?どれだけ苦労したのか!今でも教育委員会は多くの間違いを保護者へ黙っています。非常に残念です。」

 2つ目のツイート(以下Tw)の議員に対するお怒りには、議会を代表する立場にない私が議会を代表して発言することはできません。しかし、私自身のことは発言することができますので、もし不十分な活動であったならば謝罪するしかない、ということを言っておきたいと思います。
 
 と同時に1つ目のTwに気にかかる指摘があります。ここで言っている「測定下限値5Bq/Kgはクリアできていません」ということならば、11日のブログで紹介した学校給食で合算値「20Bq/Kgを超えるものを提供しない」としていることが達成できていない可能性が出てくるからです。

 ツイッターでリツイート(拡散)された方もいました。いったいどういうことなのか、再度いわき市教育委員会の担当に話を聞き、また、Twをくださった「@f_lab」さんからご意見の趣旨を伺いました。

 まず「5?をクリアできていません」の内容ですが、市教委は検出限界の5?について、食材によるバラつきはあるものの、測定時間を調整することで5?の検出限界前後で測定できるようにしていると説明していました。

 「@f_lab」さんは自らのブログやフェイスブックで、ここらの経緯について詳しく説明しています(https://www.facebook.com/iwakiradiation/posts/517683358307644)。読んで見ると、いわき市の学校給食の測定について「100%完璧とは言わないが、福島県で一番というある程度の見通しはたった」し、給食センターごとのバラつきも減り、「全給食センターで均一な精度に近づいている」こと、さらに「放射性セシウムスクリーニング法に準拠(完璧ではない)し、その上で、ある条件をクリアすれば、間違いなく誤差も含めて20Bq/kgありません。と胸をはってできるようになるまで、あと少しです」としていました。測定精度の向上を好評価しているわけです。

 「5?」の下限値については、「実際の測定下限値は各種(セシウム134と137)3-4Bq/kg前後になると思います。合計で7Bq/kg未満になると思います」と話されています。また、「学校給食は、厳しく『スクリーニングレベルを合計で10Bq/kg』にしています。それで測定誤差は±5-6Bq/kg以下になるように、環境に合わせてセンター毎に変えています」と言います(https://twitter.com/f_lab/status/424432397862440960)。

 こうしてみると、「@f_lab」さんの目から見ても、現在のいわき市の学校給食の測定は、おおむね妥当な測定がされていると考えられ、ほっと一安心というところでした。

 今回、このようなTwを出されたその背景には、過去の測定方法を「@f_lab」さんは批判的に見ており、「きちんと測定」できるように繰り返し働きかけてきたにもかかわらず、是正まで時間がかかったという苦い思いを持たれていることがあるようです。また、過去の不十分な測定への説明不足に憤りを感じ、またその時の思いが「議員さんは全く誰一人動かなかったのですか」という、憤りにもつながっているのだと思いました。

 その憤りの部分には重ねて謝罪するしかないわけですが、別の方からいわき市で不足しているものについてこんなご意見もいただきました。

①基準値をどこにするかという「線引き」とその理由を含めた「周知」
②ゼロでなくて大丈夫という「知識」
③関わってる機関や人への「信頼」

いずれも大切なことと思います。しかし全くこれらがないわけではありません。

 ①の周知は確かに不足しています。測定方法も含めて詳しい公表はないのです。測定方法の公表を求めていますが、さらに充実した情報公開が求められるでしょう。

 ②については、「広報いわき」に「いわき市放射線量低減アドバイザー」の星蔦雄(ほしつたお)さんの放射性物質の知識等に関する連載(https://www.city.iwaki.fukushima.jp/13223/12600/014549.html)がされており、国の摂取基準となっている100Bqの食品を毎日200g食べ続けた場合の被ばく量を紹介した回もありました(https://www.city.iwaki.fukushima.jp/dbps_data/_material_/localhost/01_gyosei/0160/column/backnumber_column_04.pdf)。しかし、様々な場で、繰り返し、この問題を取り上げていくことが、市民に広く知識を普及するうえで大切なことだと思いますので、引き続き、学びの場、学びの機会を作ることができるように求めていきたいと思います。

 ③は事故直後に必要な情報が伝わらなかったなど、国を始めとした行政に対する不信がありました。基本的にこの流れがいまだにあると思います。ただ事故直後の市には国からも、県からも、東電からも、何の情報がなかったというので、同情の気持ちもわいてきます。この不信を克服するためにも、引き続き市の側から積極的に情報を公開し、市民と話し合い、信頼を獲得していくことが重要なことと思います。

 測定の信頼性を高めることが、食材に対する信頼と安心感を高めることにつながります。同時に「周知」「知識」「信頼」という課題にしっかり向き合って取り組むことが、住民の信頼の中で行政をすすめることができる状況を作り出すことになると思います。この面での市の取り組みの強化を求めていきたいと思います。




 遠野町から常磐に向かいながら、離れた山肌の氷が気にかかっていました。昨年の同じ時期にも気が付いていたのですが、今年も立派な氷の壁が見えていたので、車を降り、近寄ってみました。このつららでできた壁、なかなかのものでしょう。



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