伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

成人式

2018年01月07日 | イベント
 明日は成人の日。いわき市の成人式は市内13会場で実施されました。

 私は、上遠野公民館で催された式に出席し、晴れの成人に祝意を伝えてきました。

 新成人は、中学1年生で震災に見舞われ、親や地域の人たちに支えられて中学校生活を無事に過ごすことができたとしながら、「これからは私たちがいわき市や地域を支えていきたい」と、決意を込めて謝辞を読み上げていました。がんばって欲しい。



 うららかな日差しの中での成人式。着飾った成人の姿はまぶしかった。

 祝辞は次のよう。たしたり削ったり。式の少し前まで練り直して、最初の草稿からはだいぶ変わった。



祝 辞

 成人式を迎えたみなさん、おめでとうございます。

 今年は、明治元年から数えて150年の節目の年なのだそうですが、この明治になって今の選挙制度のもとが作られました。初めは、国に税金を一定額以上払っている25歳以上の男子だけに選挙権が与えられ、30年後の1925年(大正14年)に、満25歳以上すべての男子が選挙をできるようになりましたが、女子には選挙権が与えられていませんでした。

 日本が戦争に負けた1945年(昭和20年)の12月、やっと女子にも選挙権が与えられるようになり、満20歳以上のすべての国民が選挙をできるようになりました。

 選挙権は、国民の基本的人権の一つで、現在の憲法のもとでは当たり前のものとなっています。しかし、これが当たり前になるまでに実に50年もの歳月がついやされていました。

 その時から71年が経ちました。いまや世界では18歳選挙権が主流です。その中で2016年の参議院選挙から、遅ればせながらも日本でも選挙年齢が18歳に引き下げられました。この引き下げは、国民と歴史の要請に応えたものとして画期的な出来事だったと思います。

 ところが一方で、残念なこともあります。選挙権が拡大されても、その権利を行使しない方が特に20代で多い傾向があるという事実です。昨年の市議会議員選挙の20代の投票率はだいたい20%、5人のうち4人が選挙に行っていないという状況があるのです。

 みなさんが成人として一歩を踏み出した社会は厳しい社会です。ある新成人対象のアンケートでは、将来に夢があると答えた新成人が、2012年をピークに減少を続け、2018年の新成人では過去最低の54.4%となっているといいます。ここには、経済、雇用、暮らしなど、将来に希望を見出しにくくなっている社会の姿が映し出されているように思います。ヨーロッパでテロが続く背景にある若者が過激化する理由についての考えをアンケートで調査したところ、「若者に将来がない」という回答が最も多かったといいます。ここには、将来に希望を持てる社会が大切だということが示されております。

 ではどうやって希望を持てる社会を作るのか。
 一人ひとりの名もなき人々でも政治を動かす力を持っています。国際政治では、国連で圧倒的多くの賛同を得て核兵器禁止条約が採択され、その批准がすすんでいますが、この採択の力となったのは、昨年ノーベル平和賞を受賞した核兵器廃絶国際キャンペーンいわゆるICANをはじめとした世界の人々の運動でした。こうした運動は、世論という力で間接的に政治を動かしています。一方で、みなさん方が持つ1票は、直接的に政治を動かす力を持っています。みなさんの選挙への参加が、くらしを作り、日本の、そして本市の社会の形を作り出していくことになります。

 私、最近、欅坂46というのを知りました。そのデビュー曲「サイレントマジョリティー」でこう歌っていて、何度も聴いております。

選べることが大事なんだ 人に任せるな
行動しなければ Noと伝わらない

君は君らしく生きていく自由があるんだ 大人たちに支配されるな
初めから そうあきらめてしまったら
僕たちは何のために生まれたのか?


 過激な部分もありますが、その通りだと思います。みなさんが成人として社会に旅立たれることに祝意を伝えますと同時に、みなさんがそれぞれなりに希望の持てる社会を創造していくために選挙権をしっかり行使する、行動する、このことを強く希望したいと思います。

 結びに、新成人のみなさん、そして成人式に出席されたみなさんのご多幸と、ご健勝を心からお祈りし、お祝いとさせていただきます。

 本日はまことにおめでとうございます。

2018年1月7日
いわき市議会議員 伊藤浩之 
 


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