研究は同大の環境放射能研究所の研究者らが行ったという。生理機能が比較的人間に近いイノシシと、放射性物質がある場所に接して生活しているアオダイショヘビヘビ)を調査対象にして、DNAの損傷やストレスの増加の有無などを調べたのだという(画像は福島民報)。
イノシシは、大熊町などの帰還困難区域及び浪江町で捕獲された45頭、また浪江町で捕獲したヘビ20頭を対象に調べた。それぞれが捕獲された場所の平均の空間線量は毎時4.4マイクロシーベルト、ヘビは平均毎時2.4マイクロシーベルトだった(福島民友)という。
その結果、DNA損傷の指標となる「二動原体染色体」の割合や、放射線による環境ストレスなどで長さが短くなることが知られている染色体末端部「テロメア」にも異常はなかったという。この結果を、研究チームは、「原発事故により慢性的に低線量被ばくをする状況でも、これらの野生動物が問題なく生息していることを示している」と説明しているという。
この報道に先立ち、帰還困難区域などでイノシシと家畜のブタが交雑し、イノブタが増えていると言われていることに関した研究結果も報道されていた。
報道によると、浪江町や福島市などで捕獲した75頭のイノシシを調査し、遺伝子交雑が見られたのは浪江町で3頭、大熊町で1頭の計4頭(調査対象は5頭)で、一般に言われる程多くはなかったという。また、調査したイノシシの遺伝的な多様性は小さく、比較的狭い地域での交配が繰り返されているとみられ、形態の異常も、比較的近い血縁での交雑の結果と見られるという。
また、必ず母方から遺伝するミトコンドリアDNAブタ由来であるものの、「核DNA」では、ほとんどの遺伝子がイノシシに置き換わっている個体も確認されたという。この結果には交雑の影響が減りつつあることと、イノシシの移動による遺伝子汚染の拡大が同時に示されているという。
DNAの部分が分かりにくかったので調べて見たが、DNAは細胞内にあり、その大部分は核DNAに存在し、一部がミトコンドリアなどに存在しているのだという。
イノブタの増加で懸念されていたのが、イノシシが産む子どもの数が8頭ほどであるのに対し、ブタは10数頭を産むため、イノブタが増加することによるイノシシの生息頭数の拡大、これにともなう農作物などに対する食害などの被害だ。子どもの数、すなわちお、一回に何個の卵子を排卵するかを決定する遺伝子が核DNAにあるとすれば、イノシシの多産化はおきないということになるので、原発事故の影響による1つの懸念が打ち消されるかもしれない情報になる。もっとも、その遺伝情報がミトコンドリアDNAなど、別の場所にあるのなら話は別なのだが。
ただ、どこかに書いていたが、家畜のブタは野生化の生存に適用していないため、ブタの特徴が色濃い個体は、野生化では淘汰されていくだろうという。とすれば、産む子どもの数においても同じ事がいえるかもしれないので、ここは希望につなげておきたい。
震災、そして原発事故の巨大な影響は、その規模、また災害の質から見ても、経験のないものだった。それだけに、不安も大きいものになった。こうして研究が進み、一つ一つの不安や悩みが解消していくならば、これ程の喜ばしいことはない。今後の研究の進展も期待したいものだ。
イノシシは、大熊町などの帰還困難区域及び浪江町で捕獲された45頭、また浪江町で捕獲したヘビ20頭を対象に調べた。それぞれが捕獲された場所の平均の空間線量は毎時4.4マイクロシーベルト、ヘビは平均毎時2.4マイクロシーベルトだった(福島民友)という。
その結果、DNA損傷の指標となる「二動原体染色体」の割合や、放射線による環境ストレスなどで長さが短くなることが知られている染色体末端部「テロメア」にも異常はなかったという。この結果を、研究チームは、「原発事故により慢性的に低線量被ばくをする状況でも、これらの野生動物が問題なく生息していることを示している」と説明しているという。
この報道に先立ち、帰還困難区域などでイノシシと家畜のブタが交雑し、イノブタが増えていると言われていることに関した研究結果も報道されていた。
報道によると、浪江町や福島市などで捕獲した75頭のイノシシを調査し、遺伝子交雑が見られたのは浪江町で3頭、大熊町で1頭の計4頭(調査対象は5頭)で、一般に言われる程多くはなかったという。また、調査したイノシシの遺伝的な多様性は小さく、比較的狭い地域での交配が繰り返されているとみられ、形態の異常も、比較的近い血縁での交雑の結果と見られるという。
また、必ず母方から遺伝するミトコンドリアDNAブタ由来であるものの、「核DNA」では、ほとんどの遺伝子がイノシシに置き換わっている個体も確認されたという。この結果には交雑の影響が減りつつあることと、イノシシの移動による遺伝子汚染の拡大が同時に示されているという。
DNAの部分が分かりにくかったので調べて見たが、DNAは細胞内にあり、その大部分は核DNAに存在し、一部がミトコンドリアなどに存在しているのだという。
イノブタの増加で懸念されていたのが、イノシシが産む子どもの数が8頭ほどであるのに対し、ブタは10数頭を産むため、イノブタが増加することによるイノシシの生息頭数の拡大、これにともなう農作物などに対する食害などの被害だ。子どもの数、すなわちお、一回に何個の卵子を排卵するかを決定する遺伝子が核DNAにあるとすれば、イノシシの多産化はおきないということになるので、原発事故の影響による1つの懸念が打ち消されるかもしれない情報になる。もっとも、その遺伝情報がミトコンドリアDNAなど、別の場所にあるのなら話は別なのだが。
ただ、どこかに書いていたが、家畜のブタは野生化の生存に適用していないため、ブタの特徴が色濃い個体は、野生化では淘汰されていくだろうという。とすれば、産む子どもの数においても同じ事がいえるかもしれないので、ここは希望につなげておきたい。
震災、そして原発事故の巨大な影響は、その規模、また災害の質から見ても、経験のないものだった。それだけに、不安も大きいものになった。こうして研究が進み、一つ一つの不安や悩みが解消していくならば、これ程の喜ばしいことはない。今後の研究の進展も期待したいものだ。
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