伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

総裁選の結果に若干の希望をみたい

2021年09月30日 | 政治
 どこに希望を見いだすかというと、1回目投票の地方票だ。
 議員票の場合は、選挙時の公認など自らの身分に関わる問題があるので、純粋に自民党のあり方などから判断できない部分があるだろうが、地方票の場合、国会議員のようなしがらみがないことから、一般の自民党員の政党のあり方等に関する気分・感情を読み取ることができるように思う。

 そう考えた時、岸田文雄氏が110票、河野太郎氏が169票、高市早苗氏が74票、野田聖子氏が29票をどうみるかだ。
 自民党員でない私がいうのも何だが、自民党にとって、安倍首相が進めてきた負の政治をどう克服していくかが課題だ。以前、自民党市議らに、「同じ政党なんだから、安倍首相何とかできないの」などと、言ってきた。知人に対し、優遇したり、便宜を図ったりした疑惑の森友・加計学園問題や、国費を使ったさくらを見る会に後援会員を多数招待して事実上の選挙運動に利用したのではないかという疑惑など、安倍首相のもとで政治が歪められてきた。また、憲法解釈も大きく変更し集団的自衛権行使に足を踏み出した。

 こうした政治の歪みで被害を受けるのは国民だが、その国民の眼前で活動する地方議員は、説明などに、また大変な思いをするのではないかと思うので、そこは同情もあるし、政治の歪みを正すのは、野党だけでなく、与党自身にも責任があると思ったからだ。

 この視点から今回の得票を見た場合、自民党の党内にも、安倍首相の政治の流れの変更を求める声が一定強くあるのではないか、と思わせてくれるのだ。

 誤解がなければ、報道などを見ていると、今回の総裁選では、安倍氏は、岸田氏を持ち上げる一方、高市氏を総裁候補に担ぎ出し、その押し上げに力を注いだなどとされていた。高市氏の政策を聞いていると、日本の侵攻を狙う国の軍事基地への先制攻撃の準備やアベノミクスの踏襲と言われるサナエミクスの提唱など、安倍政権を露骨に意識させるものだった。

 この高市氏への党員票は74に止まった。ここに、安倍首相が進めた政治路線を変えて欲しいという、自民党員たちの願いが示されているのではないだろうか。そんなふうに思っている。

 ただ、新聞の見出しに「党員意思より派閥論理」と躍った。



 党員の意思は、1回目も決選投票も、河野氏を選んだ。しかし、実際に当選したのは、議員票で多数をえた岸田氏だった。ここには、党員と議員の一票の格差の大きさが示されているのだろう。たしか、自民党は国民政党と言っていなかったっけか。ああ、当選した岸田氏は、「総裁選で勝利を得るのは大変大きなことだが、これが目標ではない。自民党を再び国民政党として国民の皆さんに支えていただける政党に生まれ変わらせなければならない」といっている。



 そうであるならば、総裁選にも国民に近い党員達の意思がより色濃く反映する選挙制度に変えた方が良いのではないだろうか。岸田新総裁に、新たに課せられた宿題のような気がする。まあ、あくまで部外者ではあるけれど・・。

 ちなみにサナエノミクスとアベノミクスは次のような内容だった。

■サナエノミクス=「金融緩和」「緊急時の機動的な財政出動」「大胆な危機管理投資・成長投資」の3政策を3本の矢と称して、物価安定目標であるインフレ率2%の達成めざそうという経済強靱化計画。

■アベノミクス=「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」の3政策を「3本の矢」と称してデフレ経済からの脱却や、日本経済を本格的な成長軌道に乗せる計画。後に3本の矢は、「希望を生み出す強い経済」「夢をつむぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」に変更され、「一億総括役社会」を作るとした。


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