伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

学習発表会等に題をとって議員だよりの記事を書きました

2019年11月05日 | 平和・戦争




災害復旧への願い
戦争・平和
考えるきっかけとなった文化祭・学習発表会に感謝



 10月12日の台風19号で被災してから1ヶ月。25日の台風21号まで連続した被災の中、開催時期を迎えていた小学校の学習発表会や中学校の文化祭も、開催に向けて多少の影響もあったものと思います。「被災者に元気を」と子ども達が生き生きと発表した学習成果を振り返ってみたい。


被災者に元気を

 台風19号と台風21号に伴う大雨では、死亡者8名、全壊2棟、床上浸水住戸3914棟(10月31日現在)など大きな災害となりました。被災されたみな様には心からのお見舞いを申し上げます。

 この災害をもたらした一連の台風の時期、市内の小中学校では学習発表会や文化祭が予定されていました。ある小学校の学習発表会で校長先生は、「校内発表会の時に、台風の傷跡が癒えていません。被害を受けた方がいらっしゃいます。この人たちに、元気をあげられるような発表会にして下さいと、子どもたちに少しハードルの高いお願いをしました」とあいさつしました。

 この発表会で子どもたちが見せた演技やダンス、合奏などは、子どもたちが未来を創造し担っていく存在としてすくすく育っていることが示され、子ども達は「被災者に元気を」の思いにしっかり応えてがんばったことを実感しました。

 さて、この発表会で5年生と6年生は合同で「白虎隊」を演じました。修学旅行でたずねた会津若松で歴史を学び、劇を創作したといいます。

 修学旅行に訪れた生徒のみなさんとほぼ同世代の若者たちが、家族の守るために、会津を守るためにと戦場に赴いた。お役に立つため稽古に励めという母の本音は、「生きて帰って欲しい」という嘆きだった。そんな出来事を演じながら、「白虎隊の思いを、新しい時代に生きる僕たちは、日本は、そして世界は、探し続けていかなければならない」と訴え、劇の幕を引きました。

 白虎隊の歴史から戦争と平和への思いを希求することを学んできたようです。

長崎で平和考えた

 今回拝見した文化祭等では、子ども達が平和という視点から社会のありように目を向けた姿を見ることができました。

 ある中学校の文化祭では、いわき生徒会長サミットで長崎派遣事業に参加した生徒が、平和について問いかけました。

 長崎の体験から、「友達と一緒にいることができることが平和だと感じた」と紹介し、会場にいる各学年の生徒代表に平和について、それぞれの持つ平和観を問いかけていました。

 ある生徒は、「平和は家族、友達といることができること。生きていることができるのも平和だからこそ。だから戦争を二度と繰り返してはいけない」と語りました。

 別の生徒は、「平和は笑顔がある社会のこと」と語り、「世界で紛争が起きると食べ物もなくなり、やりたいこともできない。好きなことができる社会が平和。安心して暮らせることは幸せだ」と披露しました。

 これらの発言を受け派遣事業参加の生徒は、「平和を作るために大切なことは対話で、一つ一つの小さな対話の輪を積み重ねる事で大きなうねりとなり、平和な世界が創造されると思う」と語りかけました。

 子ども達が日本と世界に目を向け、そのあり方について考えていこうとしていることに感心しました。

生徒も武器製造に

 また、別の学校では、体験学習で、同世代の生徒たちが和紙の製造に駆りだされたことを知ったと紹介しました。

 生徒達がすいた和紙製の気球に焼夷弾を取り付け、放球から50時間かけてアメリカに到達したと紹介されました。「和紙が武器になったことが驚きだった」と、地域産業まで戦争に動員されたことへの驚きが語られました。

子ども達と考えるきっかけに

 くしくも文化祭や学習発表会が、災害復旧を願う場となり、また、戦争と平和について考えるきっかけを与えてくれる場になったことを、うれしく思います。

 子ども達と問題意識を共有しながら、社会がどうあればいいかを考えることができればいい。そのことを考える機会を与えてくれた、児童・生徒、そして学校関係者のみなさんに感謝したいと思います。

文=伊藤浩之


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