伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

Jアラートは緊急時に役に立つのかと疑問の声があった

2019年04月17日 | 平和・戦争
 NTT がタウンページの別冊「防災タウンページ2019」を配布した。





 災害時の安否確認の方法や情報収集の方法、災害時の対応、応急手当などの方法、避難所の位置図などが記載され、読んでみれば役立ちそうな冊子だ。




 冊子は「いわき市版」で、「協力:いわき市」とある。



 この冊子を読んだという住民から議会棟の控室に電話があった。

 冊子の5ページにある「全国瞬時警報システム(Jアラート)」についての意見だった。




 ここにはJアラートについて説明し、伝達する情報や伝達音声の種類とともに、「ミサイル落下時の行動について」として、「メッセージが流れたら落ち着いて、直ちに行動してください」として、屋外、屋内、建物がない場合の行動について解説している。

 この記載にあきれたようだ。


 ちなみにこのページでは「弾道ミサイル情報」として警報音を「ブー ⤴ ⤵」と解説し、屋外にいる場合は「近くの建物の中か地下に避難」、屋内にいる場合は「窓から離れるか、窓のない部屋に移動する」、建物がない場合は「物陰に身を隠すか、地面に伏せて頭部を守る」と解説している。

 電話の主は、「戦争の体験から言っても、こうした措置が役に立つはずがない」と言いながら、「市がこんな事を言っていることが腹立たしい。ただちに辞めさせるべきだ」と、おおよそこんなお話をしていた。


 実はこの時、私は問題の「防災タウンページ」を見ていなかった。しかし、タウンページなので、いわき市ではなくNTTの発行に違いないと思ったが、現物を見ていないので何とも言えない。

 お話を伺い、事情を確かめることにした。


 さて、防災関係なので、市の担当は危機管理課に違いない。そこで話を聞いてみた。


 説明によると、この冊子はNTTが作成しているもので、市は情報提供をしたという関係になっているという。ということで、冊子がどんなものになるかはNTTの考え方によるので、市としては求められたことに応えるしかないということになる。

 確かに、他のページに比べてこのページは違和感が残る。Jアラートは緊急地震情報や大津波警報でも使われるが、北朝鮮のミサイル発射時に使用されたように、どうも、国際的緊張関係の激化と結びついて・・つまり、政治的な場面で使われているし、日本の危機感を高揚させ、有事立法の一角をなし、国民を戦争に動員する仕掛けの一つとして整備されたようにも見えるのだ。だからこそ、北朝鮮の弾道ミサイル発射時に、Jアラートの運用が図られたのだろう。

 あの時は、実際のJアラート活用は、ミサイルが日本を飛び越したと思われるタイミングだったように記憶している。一体何の役に立ったのだろう。


 Jアラートをどのように活用するかは、国の考え方一つとなるので、本市でどうこうすることも難しい。そこは仕方がない。

 しかし、一つだけはっきりしていることがある。先に述べたように、いざの際、Jアラートは必ずしも有効に活用できないということだ。とすれば、政府が血道をあげて取り組むべき方向ははっきりしている。Jアラートを使わなくても済む社会環境や国際環境づくりだ。北朝鮮問題でも、彼らと独自に交渉できるチャンネルを模索しながら、話し合いをすすめていくことが大切なことは間違いない。


 防災タウンページの内容は、国の政策の貧しさが表れているのかもしれない。その国を正していくことが、住民と直接接する地方の役割ということなのかもしれない。今回寄せられたような住民の声を、国政の場にしっかり届けていかなければならない。そんなふうに考えた。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿