市議会11月定例会は今日が最終日。午後6時40分頃、すべての議事を終了しました。
今議会に執行部から提出された議案73件をすべて可決、人権擁護委員の推薦に関する諮問1件に同意、新規の請願である「『(仮称)いわき市動物愛護センター』の採択早期建設を求める請願書」を採択、継続されている災害公営住宅の家賃軽減に関する請願は継続審議とされ、議会提出の意見書案6件を採択しました。
私は、この日、新たに提出された県の人事委員会勧告を受けた職員給与の平均0.1%、期末・勤勉手当を0.5ヶ月引き上げるための関連議案に質疑をするとともに、議案第9号いわき市一般会計補正予算第3号の賛成討論に立ちました。私が賛成討論をしたということで、多くの議員が驚愕の面持ちで聴き耳を立てたようです。しかし、私が賛成討論を行うのは今回で3回目になります。めずらしいことではないのではないのです。疑問を呈するみなさんにはしっかりとアピールしておきました。ただ、これまで2回の賛成討論は、反対討論がない中で、賛成の趣旨を明確にするための討論だったことから、発言を聞いたみなさんの顔には怪訝な表情が浮かぶ内容。つまり、反対討論のような賛成討論だったので、意識に残らなかったのかもしれませんが・・。
討論したのはあ、補正予算に含まれる市役所本庁舎の耐震工事が進捗する中で、想定していなかった工事が必要となった事等から、追加工事等を増額するための補正予算案が計上されている部分。
同案に関して、反対する立場から、1つは事前の調査等から予測可能であったはずで増額補正に疑問が残る、2つは新たに必要となる工事の責任を発注者と受注者で明確にするリスク分担に疑問が残る、3つに元受けと下請けに関する適正化要綱の遵守が不明確だ、とする反対の討論がされていました。
私は、同案に賛成する立場から討論を行いました。賛成討論は、私の所属する政策総務常任委員会の審議の際に自民党一誠会がしていたのですが、この討論の趣旨には全面的に賛成する気持ちになれませんでした。委員会の中でも討論しようかと思ったのですが、時間があまりに短すぎてまとめきれなかったので、あらためなぜ賛成するのかを明確にする必要があると感じたために討論をすることにしました。聴いた議員からは、よく分かったの声もいただきました。
また、市議団としては、下水道料金の値上げを図る議案には反対し、同僚議員が反対討論に立ちました。
私の賛成討論は以下の通りでした。
今議会での一般質問等は、まとまり次第、順次掲載していきます。
10番、日本共産党いわき市議団の伊藤浩之です。
私は、議案第9号、平成30年度いわき市一般会計補正予算第3号に賛成の立場から討論いたします。
本案に含まれる、本庁舎等耐震化改修事業費は、災害復旧を担う防災拠点であるいわき市役所本庁舎の、災害時における防災拠点としての機能の充実・強化、及び来庁者の安全確保等を図るための耐震改修等の工事を行うことを目的にするもので、昨年6月定例会に、公募型プロポーザル方式に参加した2事業者のうち、最優秀提案者に選定された大成建設株式会社東北支店との間で57億6,720万円の随意契約が提案・議決され、2019年度・平成31年度の完了を目指して工事がすすめられてまいりました。
執行部は、今回提案された補正が必要になった理由について、工事の進捗にともない新たに必要となった一部の基礎杭や躯体の損傷等の対策工事等を行うためと説明し、提案された補正額は1億5,789万9,000円となっております。
本件については、本会議での質疑に続き、委員会でも多数の質疑が加えられました。このように多数の質疑が出された背景には、
一つには、当初から想定できると考えられるのに、なぜ補正予算として提案されることになったのか、
二つには、発注者である本市と受注者のリスク分担表に基づく、リスクの分担は妥当だったのか、
この2点について、当初、十分な説明がなかったということがあるのではないか、と私は考えます。
一点目のなぜ、今頃補正予算が提案されることになったのか、という点を考えてみれば、過去においても、本件と同じく工事の進捗に伴い追加工事等が必要になり、補正予算が編成された事例はたびたびみられました。
例えば、昨年2月定例会には準用河川天神前川水門施設の躯体工事で工事請負契約の変更議案が提案され、基礎杭の長さを変更することから契約金額を増額変更する議案が議決をされております。
この委員会で土木部次長がおおよそ次のように発言していました。
「土木工事ですと、杭を打つにしてもボーリングを実施し、調査した上で設定して発注するのですが、100%全部のエリアを調べているわけではないので、見えない部分でどうしても深さの変更が起きることがございます。そのように後からでないとどうしても確定できないものが出てきてしまいます。」
工事が進捗しないと分からない部分がどうしても出てきてしまうという説明であります。
こうした視点から見れば、今回提案の本庁舎の耐震化にあたっても、本市が提供した1970年・昭和45年と2015年・平成27年に実施した地質調査の結果や、2016年・平成28年に請負業者が実施した調査の結果を受けて必要な対策を盛り込んだとしても、工事が進捗する中で、想定できなかった瑕疵等が発見されることは十分にありうることだと考えられます。
本案に関して執行部は、事前に調査できなかった配管部分で、工事着工後に配管が撤去され、より詳細な調査が可能となったことや工事が進捗し直接躯体等の確認ができるようになったことなどから、当初の想定と違う地質が確認されたり、基礎杭や躯体の損傷が発見され新たな対策工事が必要となったことなどを説明しております。
また、委託料の事業となっている、防災機能向上のための工事に伴う執務室移転は当初の契約段階から想定できたはずで、なぜ今回の補正予算が組まれることになったのかという疑問も呈されておりました。
これについても、政策総務常任委員長報告のように、当初の契約時には内容が不確定であったものが、今般、詳細な費用の算出が可能になったために補正することになったと説明され、当初から補正で対応する考えであったことが確認をされております。
本案の事業は、防災対策本部棟としての機能を維持できるよう、災害発生時の拠点に必要な諸機能を集約したり、執務室等の耐震機能を高めることなどを実施する内容となっていることから大切な事業である事も含め、今回の補正予算提案に至る市の対応はおおむね理解ができるものでありました。
2点目の、リスク分担の妥当性の問題です。
今回の補正額は、本庁舎耐震改修工事管理委託など委託料で2件、地下掘削により判明した基礎杭の損傷や既存躯体の損傷の対策工事など工事請負費で6件、合計8件の事業費を積み上げたものとなっています。このうち、リスク分担が問題になるのは、工事請負費関係の6件ですが、当初の説明を聞いても、どこにリスク分担があったのか、その内容を把握することはできませんでした。
本会議の質疑で、リスク分担について執行部は工事監理者の意見も踏まえ検討し、市が提供した資料や設計段階で実施した調査の結果からは事前の予測は困難だったという判断のもとに、市及び請負業者のリスク分担表に基づき負担を分け合ったと説明しました。しかし、どのような分担がされたのかはこの説明では十分でなく、補正額の妥当性をどうみるのか、迷う状況はありました。
本案が付託された政策総務常任委員会での執行部の説明では、請負業者側に各工事の事業費の積算をさせた上で、公募型プロポーザル要求水準書のリスク分担表により、市がリスクを負担するのか、受注者が負担するのかを協議し分担したと説明しました。
また、これらの事業のうち、請負業者が負担をすることになった事業については、請負業者から提示された積算額について、その積算内訳のどこまでをどちらが持つかを協議し負担の分担を決定する形でリスク分担がなされたという趣旨の説明がされております。
委員会では、その内容を確認するため、具体的なリスク分担の状況について資料の提出を求めましたが、リスク分担が問題となる工事請負にかかわる6事業のうち4事業は市が全てのリスクを分担し、事業者の積算と同じ金額で市の負担となっていることが分かりました。そのリスク分担の理由については、それぞれが、
「自然条件における湧水・地下水」、
「社会条件における地中障害物」、
「その他における既存構造物の健全性」に該当すると、本会議における質疑で明らかにされております。
一方、リスクを事業者にも分担させることになった掘削土の改良等については、当初、砂礫層を30㎝程度と想定したものが、工事進捗にともない2.75mもの層となっていることが確認された上、水分含有量が多いことから土壌のセメント改良等が必要となったと説明されております。受注者は、この改良に関わる部分は、当初の想定とは違う事業となったとの観点から、運搬・処分費用も含めて9,752万4,000円全ての事業費について市のリスク分担を求めてきたようです。しかし、もともと運搬・処分は受注者負担とされており、市はセメント改良費のみが市のリスク分担であることを主張し、結果、セメント改良費のみの1,080万円を市が負担するかたちでリスク分担が決定されたという趣旨の説明でありました。
また、議会棟床下に空隙が見つかったことに伴う工期延伸については、受注者は1億9,579万9,000円の積算額を提示したものの、市は県の算出単価をもとに積算した5,400万円が妥当と主張し、市が提示した金額が市の負担するところになったといいます。
今回のリスク分担については、受注者側が積算した6事業で合計4億9,005万6,000円が本市のリスク分担として求められました。しかし、協議の結果、本市の負担は2億6,153万3,000円まで圧縮される形で予算補正額がまとめられております。その点には、本市がリスク分担を適正化させ市民の利益を守る観点から一定努力してきた足跡を見ることができると思います。
従って、こうしたリスク分担における執行部の説明も、おおむね理解できるところであります。
しかしながら、今回提案された補正額を加えますと、本庁舎耐震改修に要する事業費は当初契約時の約58億3,000万円から、約61億2,000万円に膨らんでいます。委員会質疑においては、現在の事業の進捗率が約4割であり、残り6割の事業が進捗する中で、新たに瑕疵等が発生した場合には、今回同様、本市に新たな負担が発生することもあり得るという執行部の考えも示されていますので、事業費がさらに膨らんでいくことに対する懸念もあります。
政策総務常任委員長の報告のように、委員の一人は、「初めから分かっているはずという主張も、やってみなければ分からないというという説明も、両方とも理解できるが、今後6割の事業が残っているなかで、さらに大きく補正が積み重ねることになれば市民の納得は得られない」という趣旨の意見を述べました。議員の多くも同じ思いを共有しているものと私はとらえております。
執行部は、「今後も庁内の情報共有を図りながら、きちんと説明できるようにし、事業者が持つべきものは持ってもらうという厳格な対応をしていきたい」という趣旨の答弁をされました。この委員会での答弁通り、今後の事業をすすめる中で、厳格な姿勢を堅持して、厳格なリスク分担を図りながら事業をすすめることが、市民の財産を守り、また、下請け事業者等を守ることにもつながっていくものと思います。
今後いっそう、執行部が厳格な姿勢を堅持しながら必要な事業の継続をはかることを心から要望し、また、重ねて、市と請負業者の負担が公正なものとなるよう、市及び請負業者が互いにいっそう努力することを期待しながら、本案に賛成の意を表するものであります。
満場のみな様のご賛同を心からお願いし、私の討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。
今議会に執行部から提出された議案73件をすべて可決、人権擁護委員の推薦に関する諮問1件に同意、新規の請願である「『(仮称)いわき市動物愛護センター』の採択早期建設を求める請願書」を採択、継続されている災害公営住宅の家賃軽減に関する請願は継続審議とされ、議会提出の意見書案6件を採択しました。
私は、この日、新たに提出された県の人事委員会勧告を受けた職員給与の平均0.1%、期末・勤勉手当を0.5ヶ月引き上げるための関連議案に質疑をするとともに、議案第9号いわき市一般会計補正予算第3号の賛成討論に立ちました。私が賛成討論をしたということで、多くの議員が驚愕の面持ちで聴き耳を立てたようです。しかし、私が賛成討論を行うのは今回で3回目になります。めずらしいことではないのではないのです。疑問を呈するみなさんにはしっかりとアピールしておきました。ただ、これまで2回の賛成討論は、反対討論がない中で、賛成の趣旨を明確にするための討論だったことから、発言を聞いたみなさんの顔には怪訝な表情が浮かぶ内容。つまり、反対討論のような賛成討論だったので、意識に残らなかったのかもしれませんが・・。
討論したのはあ、補正予算に含まれる市役所本庁舎の耐震工事が進捗する中で、想定していなかった工事が必要となった事等から、追加工事等を増額するための補正予算案が計上されている部分。
同案に関して、反対する立場から、1つは事前の調査等から予測可能であったはずで増額補正に疑問が残る、2つは新たに必要となる工事の責任を発注者と受注者で明確にするリスク分担に疑問が残る、3つに元受けと下請けに関する適正化要綱の遵守が不明確だ、とする反対の討論がされていました。
私は、同案に賛成する立場から討論を行いました。賛成討論は、私の所属する政策総務常任委員会の審議の際に自民党一誠会がしていたのですが、この討論の趣旨には全面的に賛成する気持ちになれませんでした。委員会の中でも討論しようかと思ったのですが、時間があまりに短すぎてまとめきれなかったので、あらためなぜ賛成するのかを明確にする必要があると感じたために討論をすることにしました。聴いた議員からは、よく分かったの声もいただきました。
また、市議団としては、下水道料金の値上げを図る議案には反対し、同僚議員が反対討論に立ちました。
私の賛成討論は以下の通りでした。
今議会での一般質問等は、まとまり次第、順次掲載していきます。
議案第9号、平成30年度いわき市一般会計補正予算(第3号)に賛成する討論
10番、日本共産党いわき市議団の伊藤浩之です。
私は、議案第9号、平成30年度いわき市一般会計補正予算第3号に賛成の立場から討論いたします。
本案に含まれる、本庁舎等耐震化改修事業費は、災害復旧を担う防災拠点であるいわき市役所本庁舎の、災害時における防災拠点としての機能の充実・強化、及び来庁者の安全確保等を図るための耐震改修等の工事を行うことを目的にするもので、昨年6月定例会に、公募型プロポーザル方式に参加した2事業者のうち、最優秀提案者に選定された大成建設株式会社東北支店との間で57億6,720万円の随意契約が提案・議決され、2019年度・平成31年度の完了を目指して工事がすすめられてまいりました。
執行部は、今回提案された補正が必要になった理由について、工事の進捗にともない新たに必要となった一部の基礎杭や躯体の損傷等の対策工事等を行うためと説明し、提案された補正額は1億5,789万9,000円となっております。
本件については、本会議での質疑に続き、委員会でも多数の質疑が加えられました。このように多数の質疑が出された背景には、
一つには、当初から想定できると考えられるのに、なぜ補正予算として提案されることになったのか、
二つには、発注者である本市と受注者のリスク分担表に基づく、リスクの分担は妥当だったのか、
この2点について、当初、十分な説明がなかったということがあるのではないか、と私は考えます。
一点目のなぜ、今頃補正予算が提案されることになったのか、という点を考えてみれば、過去においても、本件と同じく工事の進捗に伴い追加工事等が必要になり、補正予算が編成された事例はたびたびみられました。
例えば、昨年2月定例会には準用河川天神前川水門施設の躯体工事で工事請負契約の変更議案が提案され、基礎杭の長さを変更することから契約金額を増額変更する議案が議決をされております。
この委員会で土木部次長がおおよそ次のように発言していました。
「土木工事ですと、杭を打つにしてもボーリングを実施し、調査した上で設定して発注するのですが、100%全部のエリアを調べているわけではないので、見えない部分でどうしても深さの変更が起きることがございます。そのように後からでないとどうしても確定できないものが出てきてしまいます。」
工事が進捗しないと分からない部分がどうしても出てきてしまうという説明であります。
こうした視点から見れば、今回提案の本庁舎の耐震化にあたっても、本市が提供した1970年・昭和45年と2015年・平成27年に実施した地質調査の結果や、2016年・平成28年に請負業者が実施した調査の結果を受けて必要な対策を盛り込んだとしても、工事が進捗する中で、想定できなかった瑕疵等が発見されることは十分にありうることだと考えられます。
本案に関して執行部は、事前に調査できなかった配管部分で、工事着工後に配管が撤去され、より詳細な調査が可能となったことや工事が進捗し直接躯体等の確認ができるようになったことなどから、当初の想定と違う地質が確認されたり、基礎杭や躯体の損傷が発見され新たな対策工事が必要となったことなどを説明しております。
また、委託料の事業となっている、防災機能向上のための工事に伴う執務室移転は当初の契約段階から想定できたはずで、なぜ今回の補正予算が組まれることになったのかという疑問も呈されておりました。
これについても、政策総務常任委員長報告のように、当初の契約時には内容が不確定であったものが、今般、詳細な費用の算出が可能になったために補正することになったと説明され、当初から補正で対応する考えであったことが確認をされております。
本案の事業は、防災対策本部棟としての機能を維持できるよう、災害発生時の拠点に必要な諸機能を集約したり、執務室等の耐震機能を高めることなどを実施する内容となっていることから大切な事業である事も含め、今回の補正予算提案に至る市の対応はおおむね理解ができるものでありました。
2点目の、リスク分担の妥当性の問題です。
今回の補正額は、本庁舎耐震改修工事管理委託など委託料で2件、地下掘削により判明した基礎杭の損傷や既存躯体の損傷の対策工事など工事請負費で6件、合計8件の事業費を積み上げたものとなっています。このうち、リスク分担が問題になるのは、工事請負費関係の6件ですが、当初の説明を聞いても、どこにリスク分担があったのか、その内容を把握することはできませんでした。
本会議の質疑で、リスク分担について執行部は工事監理者の意見も踏まえ検討し、市が提供した資料や設計段階で実施した調査の結果からは事前の予測は困難だったという判断のもとに、市及び請負業者のリスク分担表に基づき負担を分け合ったと説明しました。しかし、どのような分担がされたのかはこの説明では十分でなく、補正額の妥当性をどうみるのか、迷う状況はありました。
本案が付託された政策総務常任委員会での執行部の説明では、請負業者側に各工事の事業費の積算をさせた上で、公募型プロポーザル要求水準書のリスク分担表により、市がリスクを負担するのか、受注者が負担するのかを協議し分担したと説明しました。
また、これらの事業のうち、請負業者が負担をすることになった事業については、請負業者から提示された積算額について、その積算内訳のどこまでをどちらが持つかを協議し負担の分担を決定する形でリスク分担がなされたという趣旨の説明がされております。
委員会では、その内容を確認するため、具体的なリスク分担の状況について資料の提出を求めましたが、リスク分担が問題となる工事請負にかかわる6事業のうち4事業は市が全てのリスクを分担し、事業者の積算と同じ金額で市の負担となっていることが分かりました。そのリスク分担の理由については、それぞれが、
「自然条件における湧水・地下水」、
「社会条件における地中障害物」、
「その他における既存構造物の健全性」に該当すると、本会議における質疑で明らかにされております。
一方、リスクを事業者にも分担させることになった掘削土の改良等については、当初、砂礫層を30㎝程度と想定したものが、工事進捗にともない2.75mもの層となっていることが確認された上、水分含有量が多いことから土壌のセメント改良等が必要となったと説明されております。受注者は、この改良に関わる部分は、当初の想定とは違う事業となったとの観点から、運搬・処分費用も含めて9,752万4,000円全ての事業費について市のリスク分担を求めてきたようです。しかし、もともと運搬・処分は受注者負担とされており、市はセメント改良費のみが市のリスク分担であることを主張し、結果、セメント改良費のみの1,080万円を市が負担するかたちでリスク分担が決定されたという趣旨の説明でありました。
また、議会棟床下に空隙が見つかったことに伴う工期延伸については、受注者は1億9,579万9,000円の積算額を提示したものの、市は県の算出単価をもとに積算した5,400万円が妥当と主張し、市が提示した金額が市の負担するところになったといいます。
今回のリスク分担については、受注者側が積算した6事業で合計4億9,005万6,000円が本市のリスク分担として求められました。しかし、協議の結果、本市の負担は2億6,153万3,000円まで圧縮される形で予算補正額がまとめられております。その点には、本市がリスク分担を適正化させ市民の利益を守る観点から一定努力してきた足跡を見ることができると思います。
従って、こうしたリスク分担における執行部の説明も、おおむね理解できるところであります。
しかしながら、今回提案された補正額を加えますと、本庁舎耐震改修に要する事業費は当初契約時の約58億3,000万円から、約61億2,000万円に膨らんでいます。委員会質疑においては、現在の事業の進捗率が約4割であり、残り6割の事業が進捗する中で、新たに瑕疵等が発生した場合には、今回同様、本市に新たな負担が発生することもあり得るという執行部の考えも示されていますので、事業費がさらに膨らんでいくことに対する懸念もあります。
政策総務常任委員長の報告のように、委員の一人は、「初めから分かっているはずという主張も、やってみなければ分からないというという説明も、両方とも理解できるが、今後6割の事業が残っているなかで、さらに大きく補正が積み重ねることになれば市民の納得は得られない」という趣旨の意見を述べました。議員の多くも同じ思いを共有しているものと私はとらえております。
執行部は、「今後も庁内の情報共有を図りながら、きちんと説明できるようにし、事業者が持つべきものは持ってもらうという厳格な対応をしていきたい」という趣旨の答弁をされました。この委員会での答弁通り、今後の事業をすすめる中で、厳格な姿勢を堅持して、厳格なリスク分担を図りながら事業をすすめることが、市民の財産を守り、また、下請け事業者等を守ることにもつながっていくものと思います。
今後いっそう、執行部が厳格な姿勢を堅持しながら必要な事業の継続をはかることを心から要望し、また、重ねて、市と請負業者の負担が公正なものとなるよう、市及び請負業者が互いにいっそう努力することを期待しながら、本案に賛成の意を表するものであります。
満場のみな様のご賛同を心からお願いし、私の討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。
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