伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

いまごろですが・・2月定例会の質疑です 1/2

2016年04月14日 | 市議会
 先月、17日に終わった2月定例会でしたが、いまさらながらですけど、7日に行った質疑を紹介します。

 質疑の項目は次の通りでした。



1.市長提案要旨説明について
(1)原子力災害時の広域避難について
(2)環太平洋パートナーシップ協定について
(3)全小中学校の保健室及び全公立幼稚園の保育室等へのエアコンの設置について
(4)再生可能エネルギー関連産業の振興について
(5)東京電力福島第一原子力発電所の視察等について

2 議案第3号 いわき市歯と口腔の健康づくり推進条例の制定について

3 議案第23号 いわき市学校給食共同調理場条例の改正について及び議案第41号 平成28年度一般会計予算について
(1)学校給食共同調理場への対応等について
(2)小規模給水施設整備事業費補助金について

4 議案第85号 工事請負契約(田人中学校屋内運動場改築工事)について



 問題意識は、原子力災害時の広域避難に関しては、市の防災計画には東海第二事故の際の避難計画は位置づけられていないので、東電福島第二原発と東海第二発電所(原発)が、同時に事故をおこした際の避難はどうするのかにあります。さらに言えば、事故を想定する東海第二について、本市が廃炉を求めないのはなぜか、ということがありますが、ここまでは質疑で突っ込むことはできません。

 環太平洋パートナシップ協定に関しては、その国の対応は大規模農家が中心で、小規模農家の対応はどうするのかが問題です。

 そして保健室等へのエアコンの設置は、熱中症予防の観点から、全教室への設置が必要ではないか、という問題式があります。

 などなど、十分質疑の中で、問題意識に迫ったかというと、自信を持って「そうだ」といえないところですが、興味がある方はご確認ください。

 なお全体で9,000字程度になりますので、大項目の1と大項目の2、3、4と2つに分けて掲載します。

 質疑の映像は、いわき市議会の議会中継のページでご覧いただくことができます。




質疑(1/2)


1.市長提案要旨説明について
(1)原子力災害時の広域避難について


伊 藤
 10番、日本共産党いわき市議団の伊藤浩之です。通告順に従って質問をいたします。



 まず、市長提案要旨説明のうち、原子力災害時の広域避難について、うかがいます。

 提案要旨説明では、原子力災害の対応について「原子力災害時の広域避難に関し、茨城県などと調整を進め避難計画を策定して参ります」としております。 

 まず、調整する項目はどのようなものか、おうかがいします。

行政経営部長
 原子力災害時における避難計画につきましては、市域を超えた広域避難となることや、避難が長期間にわたるという特殊性を踏まえ、福島県地域防災計画原子力災害対策編において、県が、主体的に整備・充実に努めるものと定められております。

 このことから、市といたしましては、福島県と連携し、避難先となる市町村の受け入れ可能人数等を踏まえ、地域コミュニティの維持や円滑な住民支援の観点から、市内13地区ごとの避難先市町村、避難経路、避難先における避難所開設等の受け入れ態勢などについて、茨城県等と調整をすすめているところであります。

伊 藤
 2点目、茨城県の東海第二発電所の事故の際の対応はどのようになるのでしょうか。

行政経営部長
 原子力災害時の広域避難におきまして、地震・津波等による同時被災リスクや発災時の気象状況などを考慮し、福島県に対し西方向と南方向の複数方向への避難について強く求めてまいりました。

 このことから、東海第二発電所が県内原発と同時被災し、避難が必要となった場合には、西方向である新潟県を含む会津以西へ避難することを想定しております。

伊 藤
 再質問になりますけど、東海第二発電所を広域避難の対象として明記しないことによる、市民の避難行動への影響の有無はどのようにとらえていらっしゃるでしょうか。

行政経営部長
 東海第二発電所につきましては50㎞ということになります。現在は30㎞というUPZの外におけるということですので、これについては、必要に応じて、国が県と対応するということになっていますので、東海第二発電所については、直接、計画にでてこないということでございます。


(2)環太平洋パートナーシップ協定について

伊 藤
 次に環太平洋パートナーシップ協定について、うかがいます。

 提案要旨説明では、農業分野などについて「環太平洋パートナーシップ協定に関する国の動向にも的確に対応して参ります」としております。

 1点目、環太平洋パートナーシップ協定の本市への影響をどのように把握しているのでしょうか。

農林水産部長
 環太平洋パートナーシップ協定、いわゆるTPP協定は、各国の国内法上の手続きにより、協定発効まで2年以上かかることも考えられることや、段階的に関税が撤廃される品目もあること、対策の効果を現時点で見通すことは困難な面もあることなどから、どのような影響があるのか予測は難しいものの、TPP協定の大筋合意を受けて市が農業関係団体の意見を伺ったところ、長期的には、価格の下落につながるのではないかとの不安の声があったことや、国、県の影響額の試算などを踏まえれば、一定の影響があることを懸念しているところであります。

伊 藤
 国がTPP対策として用意した補正予算の具体的内容はどのようなものなのでしょうか。

農林水産部長
 国の総合的なTPP関連政策大綱にもとづく、平成27(2015)年度補正予算のうち、農林水産関係は、総額3,122億円となっております。

 このうち、農業関する主な事業を申し上げますと、次世代を担う経営感覚に優れた担い手の育成として、農業用機械・施設の導入に対して支援を行う、担い手確保・経営強化支援事業などで543億円、国際競争力のある山地イノベーションの促進として、地域が一丸となって、高収益の作物、栽培体系への転換に対して支援を行う、産地パワーアップ事業などで1,057億円、畜産・酪農収益力強化総合プロジェクトの推進として、機会のリース導入、施設整備、家畜導入に対して支援を行う、畜産・酪農収益力強化整備等特別対策事業などで831億円となっております。

伊 藤
 その特徴はどのようなものでしょうか。

農林水産部長
 国のTPP大綱におきましては、農林水産業にかかる施策展開として「攻めの農林水産業への転換」、「経営安定・安定供給のための備え」の二つの方針を掲げ、各種の施策を展開することとしており、そのうち、「攻めの農林水産業への転換」の視点で補正予算を組んだとしております。

 その特徴としましては、生産性の向上や高付加価値などの体質強化対策を集中的に講じ、経営マインドを持った農林水産業者の経営発展に向けた投資意欲後押しするものとなっております。

伊 藤
 小規模な農家に対する支援はどのようなものがあるのでしょうか。

農林水産部長
 国におきましては、農業が有する多面的な機能を維持・発揮するためには、小規模農家も含めた集落全体での取り組みが必要であるという観点から、これまで、日本型直接支払制度、具体的には多面的機能支払、あるいは中山間地等直接支払となりますが、地域の共同活動あるいは、営農活動に対して支援を行ってきた経過がございます。

 今般の国の補正予算におきましては、中山間地域等担い手収益向上支援事業というものが位置づけられておりまして、小規模農家を含めた集落全体の取り組みとして収益力の向上をはかる取り組みが支援の対象となっているところであります。

伊 藤
 この小規模農家への支援に、本市はどのような取り組をしていくのでしょうか。

農林水産部長
 本市におきましては、農業の基盤によります、ほ場の大区画化、あるいは農地中間管理事業を活用した、農地の集積、こういうものを通しまして、担い手の集約をすすめているところであります。

 一方では、比較的小規模な兼業農家というものが、現在でも大きな割合を示しているという現状に合わせた振興策も必要であると認識しているところでもあります。

 このことから現行の第3期新農業生産振興プランにおきましては、農家が共同で利用するための省力化機械、パイプハウスの導入などに補助金による支援を行ってきたところであります。

 次年度からとなります、第4期新農業生産振興プランにおきましては、農業が有する潜在力を有効に活用する観点から、新たにいわき昔野菜の生産拡大、主に小規模農家の販売拠点となっております、市内農産物直売所の充実・強化、これらにつきまして、それぞれ重点戦略の一つとして位置付けまして、各種支援を行うこととしております。


(3)全小中学校の保健室及び全公立幼稚園の保育室等へのエアコンの設置について

伊 藤
 次に、全小中学校の保健室及び全公立幼稚園の保育室等へのエアコンの設置についてうかがいます。

 熱中症による重症事故を防ぐため、全小中学校の保健室および全公立幼稚園の保育室等にエアコンを設置するとしています。

 エアコン設置は気象条件の変化をどのようにとらえたものなのでしょうか。

教育部長
 夏の平均気温が上昇傾向にある中で、児童の熱中症による重症事故などを防ぐことを目的に保健室にエアコンを設置することとしたものであります。

伊 藤
 このエアコン設置を全部の教室に拡大することについて、どのように考えていらっしゃるのでしょうか。まず、小中学校ではどうでしょうか。

教育部長
 全部の教室へのエアコン設置を拡大することにつきましては、当面予定はしておりません。なお、今後とも、気温や湿度などに留意しながら子ども達の体調管理に努めてまいりたいと考えております。

伊 藤
 次に全公立幼稚園ではどうでしょうか。

こどもみらい部長
 公立幼稚園におけるエアコン設置につきましては、当面、今回のエアコン設置による園児への体調面や教育面への効果を検証するとともに、熱中症のリスクの指数を測定するため、各園に設置しているWBGT計により、引き続き気温、湿度などのきめ細かな把握に努めてまいりたいと考えております。


(4)再生可能エネルギー関連産業の振興について

伊 藤
 次に再生可能エネルギー関連産業の振興についてうかがいます。

 提案要旨では、仕事づくり関して、再生可能エネルギー関連産業の振興にふれておりますが、再生可能エネルギー関連産業とはどのような分野をさすのでしょうか。

商工観光部長
 エネルギーの中で、繰り返し使え、二酸化炭素をほとんど排出しない、いわゆる再生可能エネルギーのうち、本市においては、地域特性や既存の産業の優位性を活かせるような太陽光や風力、さらにはバイオマスなどのエネルギーにかかわる産業群を想定しているところであります。

伊 藤
 2点目です、再生可能エネルギー関連産業の振興のための取り組みには具体的にどのように取り組んでいくのでしょうか。

商工観光部長
 市としたしましては、これまで産学官の連携を図る組織として、150団体を超える会員で構成される「いわき市環境・エネルギー関連産業ネットワーク」を設立し、市内企業に対する情報提供やセミナーを開催してきたほか、企業間で連携した風力やバッテリー関連産業などにかかる研究活動への支援を行ってきたところであります。

 今後におきましても、国・県、市内産業界及び「産業総合技術研究所」、いわゆる「産総研」をはじめとする関係団体等との連携を一層強化しながら、関連産業の育成支援や新たな企業誘致に努めてまいりたいと考えております。

伊 藤
 3点目、再生可能エネルギー関連産業振興にかかわり、市民の再生可能エネルギーの利用拡大に向けた取り組みをどのように考えているのでしょうか。

商工観光部長
 市といたしましては、再生可能エネルギーに関して、市民の理解と参画を得ることは、関連産業の振興を促進するといった観点から、非常に重要であるものと考えております。

 そのため、「いわき市環境・エネルギー関連産業ネットワーク」における活動及び、市主催の展示会や市民見学会を通して、市民への再生可能エネルギーに関する意識醸成に努めることはもとより、住宅用太陽光発電システムなどの再生可能エネルギー利用機器の設置補助を実施することなどにより、再生可能エネルギーの利用拡大に取り組んでまいりたいと考えております。


(5)東京電力福島第一原子力発電所の視察等について

伊 藤
 次に東京電力福島第一原子力発電所の視察等についてうかがいます。東京電力第一原子力発電所の視察を踏まえ東京電力株式会社に申し入れを行ったということです。

 廃炉作業における確実な安全対策の実施や現場作業員の適正な労働環境の確保を申し入れたのは、視察を行いどのような現状認識のもと申し入れを行ったのでしょうか。

行政経営部長

 本市はこれまで、県内原発の全期廃炉の方針決定や廃炉作業における確実な安全対策の実施などについて、国及び東京電力に対し、要望、申し入れを行うとともに、廃炉作業の現状を確認するため、様々な機会をとらえ、福島第一原発の視察を行ってきたところであります。

 先月5日には、市長自ら、就任以来三度目となる視察を行い、全面マスクの不要なエリアが大幅に拡大されるとともに、大型休憩所が設置されるなど、前回に比べ労働環境の改善が図られていることを確認したところであります。

 しなしながら、長期に及ぶ困難な廃炉作業を、市民のみな様に不安を抱かせることなく、安全・着実に進めるためには、現場における確実な安全対策の実施と、さらなる労働環境の改善が重要であるとの認識のもと、労災事故の防止や作業員の安全管理に万全を期すこと、作業上の放射線量を低減するなど、作業員の被ばく低減に向けた取り組みを含めた適正な作業管理を実施することなどについて、あらためて申し入れを行ったところであります。

伊 藤
 2点目、営業損害にかかる適正な賠償の申し入れをした理由は何か。

商工観光部長
 本市におきまいては、農林水産業や観光業をはじめ、福島第一原子力発電所事故にともなう風評被害を受けている事業者が多数おられますことから、震災直後から、様々な機会をとらえ、国及び東京電力に対し、適正な賠償を実施するよう、要望を行ってきたところであります。

 また、市内に拠点を置く民間事業者を対象に実施した平成27年度産業及び雇用動向調査におきましては、2割近くの事業所におきまして、原子力損害賠償を受けていることから、原発事故による風評被害等が依然として継続しているものと認識しており、市内の商工関係団体からは、「損害賠償の打ち切りは、地域経済にも大きな影響を及ぼす」との懸念が示されております。

 このようなことから、今後におきましても、風評被害をはじめとする、個別具体的な事業による損害について、事業者等の意見や要望を真摯にくみ取り、事業者の再建に結び着く、適正な賠償を実施するよう東京電力に申し入れを行ったものであります。

伊 藤
 3点目、市民のみな様に対する十分な説明とは、具体的にどのようなことが必要と考えているのでしょうか。

行政経営部長
 今回の原発事故は、甚大な被害をもたらし、未だ多くの方々避難を余儀なくされているほか、農林水産業や観光業などにおいて、風評による被害が続いております。
 このような中、東京電力におきましては、廃炉作業において、汚染水漏洩等のトラブルや不十分な情報公開など、信頼を損なう行為を重ねており、市民のみな様に対し、不信感や不安感を抱かせるほか、風評払拭に向け懸命に取り組む多くの関係者のこれまでの努力踏みにじるなど、本市の復興に大きな影響を及ぼしております。
 このため、市といたしましては、廃炉作業を安全かつ確実に取り組むことはもとより、その進捗状況や対策等について、迅速かつ正確に情報提供するとともに、分かりやすく丁寧な説明を行うなど、市民をはじめ関係者のみな様との信頼関係の構築や不安の解消に向け、東京電力が総力を挙げて、責任をもって取り組むことが極めて重要であるとの認識のもと、今回、改めて強く申し入れを行った物であります。

以下、2/2に続く



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