伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

議員だよりの記事を書きました。清水市政を考える4、テーマは「値上げ」です。

2017年08月16日 | 市政
 前号で「市民ファースト」という角度から、多額の繰越金を出しながら国民健康保険税の引き下げをしない問題点を書きました。あらためてこの4年間の資料に目を通した時に、値上げが繰り返されてきたことに気が付きました。

 そこで、清水市政を考えるの連載は、当初5回、つまり5つのテーマとかんがえていたのですが、今回のテーマを差し込むことにしました。

 どうぞ、ご覧ください。



清水市政を考える4
値上げ


 市民負担をどう軽減していくのかは、様々な負担増が市民に押し寄せている中、市政にとって重要な課題です。

 ところがこの4年間、この課題と逆行する事態もありました。様々な公共料金が値上げされてきたのです。

 奇妙な値上げもありました。2014年2月定例会に提案され、賛成多数で可決された学校給食費の値上げです。

 提案された給食費の値上げ額は、月額で小学校110円、中学校130円。消費税の8%への増税などで、食材費が不足することなどが理由でした。これにより総額で約3,800万円が、保護者の懐から消えることになったのです。

 ただでさえ、義務教育期間の保護者の負担は大きい。加えての給食費の値上げが、子育て支援の足をひっぱることは明らかです。

 子育て、教育は清水市長の重点施策の一つでした。この立場から本連載で紹介済みの赤ちゃん絵本プレゼント事業や放課後児童クラブの拡充など子育て支援策が次々と打ち出されました。そして同じ2月定例会には、予算額が約1億4,200万円の出産祝い金(事業名を「出産支援金」に修正し可決)も提案されました。

 子どもを産む時の安心感は増しても、教育負担の心配の種を増やした。これでは、安心して子ども持つことができません。これでは、子育て支援に一貫して取り組んだとは言えないのです。

 日本共産党は学校給食費の無償化を求めています。この立場からは、学校給食費の値上げは論外です。しかし、無償化に踏み出さない市の立場であったとしても、子育て支援を重点とする市政がとるべき対応は、学校給食費の値上げ分も一般財源で負担することでした。こうしてこそ、出産から学校卒業まで、一貫したきめ細やかな子育て支援につながったものと思います。

 さて、清水市政のもとのでの値上げは、学校給食費にとどまりませんでした。

 下水道使用料も7年ぶりに値上げされました。2014(平成26)年4月のことです。平均9・6%、標準的使用料で3,168円の値上げでした。理由は「使用者負担の適正化を確保する」でした。

 しかし、水環境の保全という公益的観点からみれば、値上げ以外の対応も可能だったと考えています。

 同じく4月から、市の公共料金の消費税が8%になりました。安倍政権が増税を決めたことを受けた措置でした。

 震災から3年が過ぎ、市民の暮らしと営業の立て直しが、これから本格化しようとする中での引き上げは、市民のくらしの復興の重荷になったに違いありません。

 特に、市の使用料にかかる消費税は国への納税義務がなく、市の財源に組み入れられるため、事実上の便乗値上げとなっていました。

 「租税法定主義」と言って、公共料金の消費税の8%への引き上げが正当化されます。しかし、市長の判断で、市民負担の増加をとどめることは可能な状況でした。

 2014年2月定例会には、後期高齢者医療保険料の値上げが提案されました。均等割り額で1,700円、所得割額で0.43%値上げする内容です。

 2015(平成27)年2月定例会には、65歳以上の加入者の介護保険料の値上げも提案されました。標準額(第5段階)で、年間1万3,400円の値上げです。

 介護保険料は、当初、月額2,514円(標準額)でスタートしました。しかし改定のたび値上げされ、6回目の改定となるこの提案で、5,789円に達してしまっています。「負担は限界を超えている」。市民から悲鳴が聞こえてきます。

 どんどん増やされる市民負担。一方では、安倍自公政権による年金制度の改悪で年金額が目減りする。派遣労働者など、不安定雇用・低賃金の労働者も多くいます。この中、負担のあり方に年金受給者から怨嗟の声も聞きました。

 市民のくらしを支えようと思った時、市民の負担を増やし続ける市政で良いのかが問われています。



 これまでの記事はこちらに掲載しています。あわせてご覧ください。

 清水市政を考える1・公約

 清水市政を考える2・子育て・教育施策

 清水市政を考える3・市民ファースト


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