伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

地下水浄化後放出を規制委認可の記事に思う

2015年01月22日 | 原発・エネルギー
 東電福島第一原発の原子炉建屋周辺の井戸「サブドレン」から地下水をくみあげて浄化後に海に放出する計画について、原子力規制委員会が認可したと報じられました。漁業権を持つ漁業者は風評被害の拡大への懸念からこれに反発していますから今回の認可によってただちに浄化水の放出とはならないと思いますが、十分な説明のないままに認可ということがそもそもの問題なのではないか、そう思います。



 サブドレンから組み上げた地下水は、当然、放射性物質で汚染されています。これを浄化して放射性物質が基準値以下となったことを確認した上で放出するとわけですが、含まれているトリチウムはとることができません。このトリチウムの放出に関する不安が良く出されるわけです。

 トリチウムを取りきれいないのに、なぜ放出するのか。実は、トリチウムは事故を起こしていない原発でも普通に放出されていたのです。国の放出基準は1リットルあたり6万Bq未満となっています。東電第1原子力発電所の場合、年間、海に2兆bq、大気に2兆bqが放出していたといいます。このことは昨年4月のブログに書いていたことですが(=  )、この時、放出しても安心だというならば、この事実を東電や国が国民に向かって明確に説明することが風評被害払拭につながるのではないか、と求めたわけですが、答えははっきりしないものでした。

 ところが、規制の認可を報じた記事は、最後の段落で海に年間2兆bqを放出していたことを伝えました。原発の丸ごとの姿を知ることの第一歩が踏み出されたように思います。事故を起こした福島第一原発の場合、海に流出するトリチウムをどのように考えるのかということが検討されなければならないと思います。同時に全国で再稼働をめざす原発も、稼働すれば当然放出することになるので、本当に原発が必要なのかどうか、を住民規模で議論することが必要だと思います。

 原発の現実をあますことなく住民に伝え、未来を検討するという姿勢が何よりも大切になるとあらためて感じます。


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