雲のたまてばこ~ゆうすげびとに捧げる詩とひとりごと

窓の雨つぶのような、高原のヒグラシの声のような、青春の日々の大切な箱の中の詩を、ゆうすげびとに捧げます

赤ワインに寄す

2013年11月19日 | ポエム


 赤ワイン(ヴァン・ルージュ)に寄す

ねぇ、きみ。
僕は こんなところにいるよ。
こんなところにひとりで
誕生日のヴァン・ルージュを飲んでいるよ。

ねぇ、きみ。
どうしてだか 誰にもわからない。
僕は こんなことをしているよ。

僕の帰るところは 無くなってしまった。
僕が去って来たのは、
確かに 僕の故郷だった。

僕の行くところに
青い空があればいい。
そして あの白い雲が浮かんでいたら、
その街は 僕の故郷になるだろう。

ねぇ、きみ。
だったら‥‥‥‥
僕は いつも
故郷にいるんだね。
(1978.11)
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