雲のたまてばこ~ゆうすげびとに捧げる詩とひとりごと

窓の雨つぶのような、高原のヒグラシの声のような、青春の日々の大切な箱の中の詩を、ゆうすげびとに捧げます

何もしない日

2013年11月23日 | ポエム

 何もしない日 ( 一日の意味 )


遅く起きた朝は
もう一日がどうでもよくなる
その時点で すでに
僕は 一つの戦いに敗れている

こう自分にあまえていては
せっかくの自分の自信も
たよりなくなってしまう

嘘がすぐ顔に出る自分は
電話では半分だけ嘘が言える
手紙ではさらに嘘がつける
でも日記には 嘘を書かない
なぜなら
嘘は人につくためにあるから、
だけど
自分の決意を言葉にすると
結果的に嘘になることがある
こう自分にあまえていては
みんな嘘になってしまう

何もしない一日の中で
食欲は正直だ
三度の食事だけは 作って食べる
コーヒーも飲む
わざわざサイフォンでいれる
煙草も吸う
どんなに寒い日でも
煙草だけは買いに行く
それらは ちっとも苦にならない
(だからと言って
 少しも旨く感じない)

何もしない一日の終わりに
女のことを考える
そこには未知の魅力がある
未知をお金で買うことは
やっぱり 嘘だから
後悔しないだけ 自慰の方がましだ
そう言ってみても
女のことを考える
性欲も正直だ

そんな風に
何気なく正直に
絵や詩が出来たら
どんなに良いだろう
一つでも出来たら
飯が旨い
コーヒーも煙草も旨い
ほっとして女のことも考えられる

何もしない一日で
絵や詩が出来なかった日は
自分の顔が醜く見える

自分の目で
自分の目を
見ることが出来ない
鏡をのぞいては
醜い自分を
嘲って 嫌になる

(嫌になる日はまだましだ)

もっとどうでもよいときは
鏡の中の自分に
ベロベロバーをする
自分の顔をだまそうとする

何もかもに嘘があるけど
僕の詩は 本当だ
詩に嘘をつかないうちは
詩は僕を救ってくれる

一日に一つ
何かがつかめればいい
一日に一つ
何かが見えればいい

それが真実の一日
(1978.3.1~2012.1.9)

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