雲のたまてばこ~ゆうすげびとに捧げる詩とひとりごと

窓の雨つぶのような、高原のヒグラシの声のような、青春の日々の大切な箱の中の詩を、ゆうすげびとに捧げます

深夜放送

2013年11月21日 | ポエム

 深夜放送

真っ暗な部屋の布団のなかで
僕はじっと天井をみている
ラジオの声は都会の香りをのせて届く

ここは僕の故郷
東京で一人眠るとき
思い出していた
石垣のある裏路や
神社の横の大きな楠の木の
すぐそばで、僕は今眠る
あんなにあこがれていた僕の故郷

僕はじっと天井をみつめる
ラジオは都会の雑踏をのせて来る

おやあ、何も見えないので
東京のアパートに寝ている様

しかし
じきに明るくなり
部屋の様子がわかるでしょう
漁船の汽笛が聞こえます
ラジオと汽笛の二重奏
これじゃあ都会の香りも
たちまち消えてしまいます
(1976.5.15~2011.1030)
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