<新しい農のかたちより転載>
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『音まで食べる日本人』とことん食事を楽しむ☆日本人に秘められた奥深い感性
漬物を食べるときの「コリコリ」という音、ソバをすするときの「ズズズ~」という音。
聞くだけで美味しさが伝わってきて、食欲をそそられますよね
ふと、私たちが食べる食べ物について考えてみると、「音」が出る食べ物がたくさんあることに気づきます!麺類、茶漬け、漬物、煎餅などなど・・・
日本人は、音を聞いて美味しいと感じる感性、自分も食べているように感じる感性が備わっていると言われています。
言い換えると、『味だけでなく、音まで味わう』ことができるのです
これは、日本人独自の『音をとらえる感覚』や『歴史的に蓄積された精神性』に、その秘密が隠されているようです。
そこで今回は、身近にある音の出る食べ物の特徴を紹介した上で、先人から培ってきた「音」にちなんだ食生活と歴史について探っていきたいと思います。
みなさんの食生活に、音も、楽しさも、増えるかもしれません
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まず、「音」が出る食べ物はどのようなものがあるのか、見てましょう
■「音」を味として感じる日本人
麺類
まず、麺類。
その種類の多さをみても、まさに音を味わう味覚の豊富さが分かります。音なしで、しずしずと食べる麺など、決しておいしくはないですよね。みんなが「ズズズッ」と音を立てて蕎麦、うどん、冷麦、素麺を味わいます。
茶漬け
胡麻塩、焼きのり、塩昆布、味噌漬け、佃煮、塩鮭、鯛、タラコ、ウナギ、掻餅、霰とくると・・・お茶漬けが思い浮かびます☆この簡単明瞭、かつ経済的な庶民の味を、きどって音なしで食べてもおいしくはありません。。「サラサラ」と音とともに流し込んでこそ、お茶漬けの醍醐味が味わえますよね。
漬物
音を食べる代表的なものには、漬物があります。沢庵、ラッキョウ、キュウリ、瓜、広島菜、野沢菜などから発する「カリカリ」「シャリシャリ」「パリパリ」という音は、漬物の種類によって、さまざまな変化があるから、大いに楽しめます。干大根を刻んで三杯酢と醤油に漬けた「はりはり漬け」は、かむ時の意感から生じた名称だそうです。
魚の卵
水の中からも音が出るものを探し求めて、魚の卵に到達しました。鰊の卵、数の子が口中に「プチプチッ」と快く跳ねる音は、煮付けたり、和えたりしてとても新鮮な感触があります。
餅
煎餅や霰、掻餅も快い音を出します。関東の塩煎餅、醤油煎餅の「カリッ」という音や「パリッ」といった乾いた音、南部煎餅や京都八橋、卵煎餅、味噌煎餅、瓦煎餅のような「サクッ」といった軽い音。ここにも耳で感じる味があります。
このように、自然の食べ物、加工した食べ物に関わらず、あらゆる食べ物で「音」を楽しんでいることが分かります。
つまり日本人は、どんな食べ物であれ、『音の味覚』をも味わうことができる、繊細な感覚を持っています。
では、なぜ日本人は、このように『音の味覚』を楽しむことができるのでしょうか
その秘密を探っていきましょう
■自然の「音」を聞き分けられる、日本人の感性
日本人は、コリコリッ、パリパリッと聞いて「美味しい音」と感じるのに対して、アメリカ人やヨーロッパの人は「雑音」にしか感じないようです。
これは、日本人は他の人種に比べて繊細に音を聞き分けられることができるからで、脳にその秘密が隠されています。
いろいろな音で、左脳と右脳の違いを調べると、音楽、機械音、雑音は右脳、言語音は左脳というのは、日本人も西洋人も共通であるが、違いが出るのは、母音、泣き・笑い・嘆き、虫や動物の鳴き声、波、風、雨の音、小川のせせらぎ、邦楽器音などは、日本人は言語と同様の左脳で聴き、西洋人は楽器や雑音と同じく右脳で聴いていることが分かった。
松虫や鈴虫など、さまざまな虫がさまざまな声で鳴いている。それらの声に「生きとし生けるもの」のさまざまな思いが知られる、というのである。人も虫もともに「生きとし生けるもの」として、等しく「声」や「思い」を持つという日本人の自然観がうかがわれる。虫の音も人の声と同様に言語脳で聞く、という日本人の特性は、この文化に見事に照応している。
つまり、言語脳をつかさどる左脳の働きによって、微妙な自然の音の違いを聞き分けることができます。そして、食べ物が発する音も同様に繊細に聞き分けることができ、「音の違いを楽しむ文化」が生まれたことが分かります。
では、なぜ日本人は、そもそも、自然の音を大切にする感性が身についたのでしょうか
日本人の、感性の秘密を紐解いてみましょう
■生きとし生ける全てのものに肯定感と感謝感を持つ日本人
それは、歴史的に育まれてきた、すべてのものへの『肯定感』が基盤にあるからです。
歴史的に、食事は誰か一人のために作るのではなく、みんなのために材料を取ってきて、食事をつくり、食べてきました。そして、その恵みを与えてくれる自然に対して畏敬の念を持ち、あらゆる対象に『肯定感』を持って接してきました。
自分たちを遥かに超えた超越存在たる自然を畏れ敬い、徹底的に対象化してきました。そして、自然に対して期待を込めて祈り(祭りなど…)、恵みを与えてくれたときには感謝し、自然の声を聞くために肯定・応望し続けてきたのです。
この肯定・感謝の蓄積が、自然の声を聞き分ける能力を養ってきたといえます。そしてこれは、狩猟を行ってきた西洋人とは違い、歴史的に一貫して採集・農耕によって自然と向き合ってきた日本人独自の精神性によるものです。
食事をするときの挨拶「いただきます」からも、食べ物の背後に想いをはせる精神性が感じられます。
「いただきます」とは何をいただくのでしょうか 「食事をいただく」と思いつくと思いますが、実はそれだけではありません。
正しくは「動植物の生命(いのち)」をいただくのであり、それに感謝する言葉が込められています。さらに、「折角いただいたいのちを大切にして、生かしていく」という意味も込められています。
人間だけでなく、この地球上の動植物も含めた「生きとし生けるものすべてのいのち」を認識し、尊重すること。人間は動植物など他のいのちあるものとの相互依存の中で生かされていることを理解し、他者への感謝のこころが芽生えてくることが基盤にあります。
■まとめ
「自然とともに生きる、生かされている」という自然観・肯定感が、自然の繊細な音の違いを聞き分ける力を育み、音まで楽しめる食生活をつくってきました。
この心底の肯定感、つまりは感謝の意識を深くすれば、より食事においても充足感が増していくことができそうです
最近では「いただきます」も「ごちそうさま」も儀礼的になっている方も多いかもしれません。その言葉に先人たちから受け継がれてきた感謝の念を意識して発してみれば、五感が働き、毎日がより「おいしい」食事となっていくのではないでしょうか。
<転載終わり>
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■ 母音、泣き・笑い・嘆き、虫や動物の鳴き声、波、風、雨の音、小川のせせらぎ、邦楽器音などを聴く場合
日本人: 左脳で聴く(言語と同じ)
西洋人: 右脳で聴く(楽器や雑音と同じ)
西洋人は虫や小鳥の声を聴くと、雑音に聴こえると言われていますが、日本人には信じられませんね。今の時期は小鳥の鳴き声をよく聞きますが、とてもかわいらしく感じます。小鳥の声や犬、猫の鳴き声を雑音のように聞こえてしまうのは、気の毒です。それでは趣が全くないように思います。
鶴見先生が日本人は演歌は左脳で聴き、クラシックは右脳で聴いていると言われていました。なので右脳で聴くクラシックの方が脳には良いと言われていましたが、虫や小川のせせらぎ、雅楽などを左脳で聴く日本人にとっては、演歌や笛、太鼓の音も悪くないようにも思います。
土曜日はひふみ農園赤城で月例の実習会が行なわれましたが、東京や埼玉、群馬から15名の農園のオーナーさんが参加されました。また、日本弥栄の会の3名の会員さんが、山形から見学に来られました。農園には常に笑い声が耐えませんでしたが、皆さんは笑い声を左脳で聴いていたことになります。特に久喜のTさんが大きな声で笑っていたのが印象的でした。その後有志の方と天然温泉の富士見温泉に行き、ゆっくり浸かった後、みんなでビールで乾杯しました。車の方はノンアルコールビールです。人参や春大根、インゲン、カブ、小松菜、カボチャ、ゴボウ、しょうが、ジャガイモなどを植えたので、今週はいくつか芽を出すと思います。次回の実習会が楽しみです。
*4月21日(土)は第1回目の中部地区の神社巡りが行なわれます。みんなで熱田神宮に参拝しますが、まだ応募は間に合いますので、どうぞご連絡ください。月刊『玉響』の農園便りの記事の中に、私の連絡先を記載しておきましたので、ご覧ください。今回は15名くらいの方々が参加予定です。私も第1回目は参加する予定です。