<朝倉慶氏 HPより>
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日銀の矛盾
債券投資家は立ち往生
日銀は日本国債の買い付けを従前から2倍に引き上げ、国債の相場を吊り上げ、結果的に低金利を実現させ、余った資金を民間に使ってもらうことによって、景気回復、インフレ目標2%の達成を実現しようとしています。ところがインフレ目標2%が達成されれば、当然日本国債(10年物)の金利は2%にまで上昇しなければなりません。こうなると実質的に日銀の行っている日本国債の大量買い付けという政策は自己矛盾に陥っていきます。自分たちは金利を抑えるために長期国債を購入するのですが、目指すところはインフレ目標2%の達成ですから、それは自分たちが購入する日本国債の金利の2%までの実現、これは日銀がこれから購入する国債の大幅な価格下落を意味するわけです。今0.6%の金利が2%の金利になるのですからそんな国債を購入する投資家はいなくなるわけで、それは日銀が購入した国債の価値が著しく減価することを意味します。これはよく考えると完全に自己矛盾です、自らの目指すところが実現することで、自ら投資した国債は屑のようになって大損するはずです。インフレ目標が達成されて長期金利が0.6%のままということはあり得ません。面白いことですが、目標が達成できることで日銀はとんでもない状態に陥るのです、そしてそれと共に日銀に担保されていた円の価値はなくなっていくわけです。
<転載終わり>
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今安倍内閣は2%のインフレ目標達成のためにいろいろと手を打っていますので、円安と株高は実現できつつあります。尤も以前の200円から見れば、今日の98円は円高ですし、バブルのころの39,000円から見れば今日の13,300円はまだまだですが、とりあえず国民は意味も判らず何となく喜んでます。内閣支持率73%というのもすごい数字です。国民自らの判断ですから、どういう結果になっても文句は言えません。
安倍内閣が公約通り2%のインフレ目標を達成すれば、金利が2%になるので、国債の金利の返済分は1000兆円 × 2%→20兆円になります。税収が43兆円なので、半分は金利で消えることになります。しかも元本は返済できないので、永遠に金利だけを払い続けることになります。43万円の給料の人が、金利分の20万円をサラ金に返済しているということになります。元本は減りません。こういう状態を破綻というのでしょうね。このような状況を目指しているのが、安倍内閣なのですが、どういうわけか国民の73%は喜んでます(笑)。結構すごい国民です。小学生でも解る算数ですから、一度計算してみたほうがいいと思います。