こんさあとほおる まつむし あおい
けちなこと いわないで
あんたんとこの ほおる
つかわせてくれよ
このほおる
おとのひびきが
すごいんだからよ
おれがうたうと
ほら
このとおり
おきゃくが
どんどん あつまってくる
なあ
このあきだけでいいからさ
このほおるで
こんさあと させてくれよ
草木も眠る丑三つ時、部屋のどこからか虫の声が響き始めた。
始めのうちは、「秋の虫が迷い込んだのね。」ぐらいに考えていたんだが、いつまでも鳴き止まない。
それどころか、その音の大きさが半端でなく大きくて、眠れない。
悪いけど、出て行ってもらおうと思って探してみると、いましたいました。
歌っているのはこのお方
ただ、天井を見ていると、他にも動く虫の姿が。
こちらは観客みたいです
こっちにもいる
申し訳ないんだけど、
網ですくって
外に出て行ってもらったんです。
ところが、翌日、またやってきて歌ってるんですね。
「そんなにこの部屋が気に入ったのかい?」
訊いてみると、
「ああ。」
と言って語り出したのが最初の話。
また明日も来るのかなあ。
正直、凄い大音量のテノールで歌うから、眠れないんですよ。
でも、わずかな期間だからなあ。
ホールを貸してやるかどうか、ちょっと迷っているマタギです。
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