島原半島博物日誌

島原にある某施設のスタッフが綴る非公認・非公式の個人ブログです。

高千穂峡①月形日形

2016-12-13 12:33:38 | 民話・伝承
そんなこんなありまして、高千穂峡に着きましたー!
最初に出迎えてくれたのは、表紙写真の「月形日形」です。
「アマテラスオオミカミが岩戸に隠れてしまったのはスサノオノミコトのせい。反省してもう二度と悪さをしませんと約束しろということになり、その反省を表したものが月形日形です。
 昔々は字がありませんから、その代わりに絵を描いたのです。絵は、アマテラスオオミカミは太陽のように光り輝く素晴らしい神様で、それに比べると自分(スサノオノミコト)は三日月ほどの光しかありません、という意味です。」
今は月形だけが残っています。
事前に調べた段階で、高千穂峡にこの「月形日形」があるのを知って見たいと思っていたのですが、詳しい場所が分かりませんでした。
道に迷ったおかげで真っ先に発見することが出来ました。
こういうのを「怪我の功名」と言うのでしょう。
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神話の里③天岩戸神話

2016-12-10 10:33:06 | 民話・伝承
高千穂には神話にまつわる人物の像があちこちに建っています。
最初に見つけた(?)のは天岩戸神社の入口にあった「アマテラスオオミカミ」(表紙写真)の像です。
(神様なのに「人物」とか「像が建っている」とか、「見つけた」と書いている自分に抵抗を覚えます。w)
さて天岩戸神話は、イザナギノミコトから誕生した三兄弟のうち、太陽神アマテラスオオミカミとその弟スサノオノミコトの物語です。
まあ、有名な神話なので皆さんもご存知だと思います。
「騒動ばかり起こすスサノオノミコトに怒ったアマテラスオオミカミは、天の岩戸に身を隠してしまい、世界は闇に閉ざされ悪神がはびこる暗黒の世界と化してしまいます。
 困った八百万の神々は天安河原に集まり相談。『岩戸の外が賑やかになればアマテラスオオミカミも顔を出すだろう』と芸達者のアメノウズメノミコトに陽気きわまりない踊りを踊らせ、それを肴にみんなでその周りで宴会を始めました。

※翌朝、高千穂神社の近くで見つけた「アメノウズメノミコト」の像
 騒ぎを聞きつけたアマテラスオオミカミが少し戸を開いたところで、力自慢のタヂカラオノミコトが岩戸を押し開け、世界は光を取り戻します。」

※天岩戸神社の駐車場で見つけた「タヂカラオノミコト」の像
「押し開け」どころか岩を持ち上げていますが・・・。

宿に行くにはまだ早かったので、神社の周辺を少しだけ歩いてきました。
観光スポットの近くはお店などがあって賑わっている様子でしたが、ちょっと離れると閉まっている店も多かったです。

橋の欄干の上にも「神楽」の像がありました。
この橋の下を岩戸川が流れています。

橋の真ん中ぐらいまで歩いて、撮影してきました。
自然が残っていて綺麗な所です。
12月6日更新「神話の里-はじまり」の最後の写真は天岩戸から高千穂に帰る時に撮影したものです。
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さばくさらかし岩

2015-01-23 11:28:38 | 民話・伝承
島原半島のものではありません。
先日の連休中時津に帰っており、撮影してきました。
長崎県時津町の文化財です。
ネットサーフィンをしていると、奇岩百景なるものを見つけました。
どうやら日本の奇岩を百個募集しており、現在は63個認定され、中には天草のおっぱい岩などもあった。
「これは面白いな」と思い、島原半島ジオパークにも幾つかの奇岩はあるものの、とりあえず私の地元にある超有名な岩を推薦することにした。
それが「さばくさらかし岩」です。
何故この岩が有名かというと、アニメ「まんが日本昔ばなし」に取り上げられたことがあります。
その時のタイトルは「さばくされ石」になっていますが。
「くさらかし」っていうのは長崎の方言なのかな?
うすうす気付いておられるかも知れませんが、“鯖をくさらせた岩”が語源です。
(以下、まんが日本昔ばなしより)
昔々、時津の浜の近くの村に、権助という怠け者の百姓が住んでいました。
時津の浜では年に一度だけ、百姓が海に出て漁をして良い日が決められていました。
代わりに山の畑には漁師が入り、野良仕事を楽しむことが出来るのでした。
この日、皆が楽しんでいるのを見て、権助も漁に出てみると、思いがけず鯖がたくさん獲れました。
権助は獲れた鯖を皆に分けることをせず、時津街道を通って長崎の町まで売りに行くことにしました。
権助が時津街道の山道を登って行くと、右手の斜面に大きな岩があって、その岩の上にもう一つ大きな岩が乗っかっている所にさしかかりました。
岩はぐらぐらと揺れて、今にも落ちてきそうです。
権助は途方に暮れて、行こうか戻ろうか何度も迷っているうちに、とうとう日が暮れてしまいました。
すると、権助が背負った籠の中からプ~ンと嫌な匂いが漂ってきました。
鯖は足が早い(腐りやすい)魚なので、籠の中の鯖は全部腐ってしまっていたのです。
権助ががっかりしていると、通りがかった村人が「この岩はぐらぐら揺れても決して落ちることはないんじゃ。このことを知らなかったのは、怠け者のお前だけじゃ。」と笑いました。

長崎市内から時津町へ向かう国道206号線から見ることができます。
車を運転していると、丁度正面に見えます。
赤い矢印の下です。
長崎バスの継石バス停のすぐ上にあります。
岩の真下にお菓子屋さんがあったのですが、ずいぶん前から営業していないようでした。

正式名称は「継石坊主」と言いますが、多分地元では伝わりません。
「さばくさらかし岩」じゃないと地元の人には分かってもらえないと思います。
一応行政の方で、安全のために固定しています。
ただし、ロマンを壊さないように公表はしていないそうです。
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森山図書館とみそ五郎の石

2014-11-15 14:09:22 | 民話・伝承
体調不良の昨日の午前中(朝からはまだそんなに悪くなかった)、諌早市立森山図書館まで行ってきた。
前回諌早市役所へ行った時は、火曜日で休館だった。
役所では分からなかったことでも、案外図書館だと分かることも多いのだ。
開館は10時からで、少し早く到着し過ぎた私は周辺の文化財を見て回ることにした。(後日紹介します。)
時間になったので入館し、来館した目的を説明する。
さすがに「みそ五郎の石」について直接知っている人はいなかったが、森山町(諌早市と合併する前)の町史について書かれた『森山町郷土史』を紹介された。
早速目次に目を通してみると、「みそ五郎の石」の項目があった。
現代の人は知らなくても、昔の人はこうして書物に残してくれるから助かる。

以下、私が読んだ文章をうろ覚えに記載します。w
「みそ五郎の石は元々道を挟んで2つあった。もう一方は道路整備のために撤去されたという。
(柿のおじさんが言っていたことと一致する。)
2つの石には同じ位置に手の平の形が残っていて、みそ五郎が石を割った時についたものだという。
さらにみそ五郎は石を割る時に蓮華石岳(読みが分かりませんが、森山町にある山です。)と温泉岳(現在の雲仙岳)に足をかけて踏ん張ったそうだ。
ところが勢いあまって獅子喰岳(同じく読みが分かりませんが、森山町に・・・)の山頂を蹴飛ばしてしまったそうだ。
その時に蹴り飛ばした土砂で出来たのが、諌早湾に浮かぶ三ツ島(大島・中ノ島・沖ノ島)」とのことだった。
最初の一文以外はおじさんの話には出てこなかったな。w
島原半島と熊本の三角半島の間に浮かぶ「湯島(別名;談合島)」も、みそ五郎が作った島だ。
みそ五郎・・・、島ばっかり作っているな。
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チヌ釣り石

2012-01-14 13:29:29 | 民話・伝承
千々石町の温泉神社の隣には川が流れている。
その川の大石にカッパの石像が釣りをしている格好で鎮座している。
以前みつけた時には何の意味があるのか分からなかったが、今回は神社内に碑文をみつけた。
「チヌ(黒鯛)釣り石
その昔、この付近一帯は海辺でした。
お四面様(温泉神社)が千々石村に鎮座されることになり、村人たちはお祝いの魚をこの辺りで釣りましたが、魚は一匹も釣れず困っていました。
そこへ突然年老いた一組の夫婦が現れ『鯛は釣れたな!』と声をかけながら大石に腰を据えて釣り始めました。
村人たちが見守るなか、老夫婦は大きなチヌを次から次へと釣り上げながら、そして村人たちに『お四面様へのお供えと、お祝いの酒肴に使えよ』と言いながら手渡して山手の方へ去り、その後ろ姿は河童に似ていたという。
以来この大石のことを村人たちは『チヌ釣り石』と呼ぶようになったという。」
と、本来ならここで終わりですが、以前みつけた時の写真を見ているとなんだか違和感を感じた。

こちらが以前みつけた時に撮影していた写真です。

今回撮影した写真がこれです。
撮影した角度が違いますが、ほぼ同じ形です。
カッパの手にした釣り竿の竹が伸びてないかい?
竿の先に葉っぱも茂ってるし。
まさか・・・な。
誰か替えたんだよな!?
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