写真は読売新聞の3月1日付トップ記事である。今月11日で東日本大震災から3年を迎える。目で見える限りでは、当時のがれきも片付き復興も相当進んでいるようだが、原発汚水処理や、防災対策などは遅々として進んでおらず、福島県南相馬市に住む知人のKさんも今だに仮設住宅での生活を余儀なくしている。巨大防潮堤の建設には、建設族議員や復興作業に携わる大手ゼネコンなどのドロドロした思惑が見え隠れする。地元住民はどのように希望しているのか、千年に一度あるか、無いかの大震災にどこまで備える必要があるのかがよく見えてこないのだ。防潮堤は当初は震災前の6.4mの復旧だったが、2倍以上の14.5mとする予定だそうだ。では15m以上の津波であれば全く役に立たない。それも、万里の長城のように長い海岸線を、限りなくせき止めるのだから、予算はいくら積んでも限りがない。まして、住民は高い防潮堤のため、海の様子など一切見えず、更に大きな被害をも起こしかねない。全国の海岸線で数箇所、津波を避けるための人工台地を作っているようだが、三陸沿岸にも、そのような退避人工台地を数箇所作っておればいいのではないかと思う。我が国は四方八方どこを見ても海に囲まれているのだから、大自然の海の驚異に逆らうような人工物を設けても所詮気休めにしかならない。《あつものにこりて、なますを吹く》とはよく言ったものだが、阪神淡路大震災、日航ジャンボ機墜落等々の災害、事故も年月の経過が徐々に心を癒し、いい意味で風化させてくれるのだろう。