悠久のとくれば、さらに深遠なると続けば、やはり印度である。
亡き友の忘れ形見がインドに渡ったのは、正月を迎えるやいなやの頃だった。ヨガを究め、ライフワークにすべく、彼の地は幾度も訪れていたから自分の庭のようなものだったのだろう。案じるぼくに、
「ヨガの精神性を窮めてみたい。」
と、軽やかに言い切った。
彼女のインドでの生活はそのブログで知ることができたが、ダライ・ラマ法王に三度も謁見を許されるなど起伏にとんだものだった。
その彼女のパソコンが危機を迎え、せめてデータだけでもを救い出そうという時、見つけたのがこれらの写真だ。
精神性を説く人の熟練の深さを目の当たりにしてしばらく息ができなかった。
「あっ、コレ、スコルピオンです」
確かにサソリに見えるが、人間技でこんなことできるものなのか、息を呑むばかり。フィジカルの完成度なんてものではない。
彼女の父親は剣道部員で剣士としては優秀だった。人を斬るようなタイプではなく、慈愛の目で人を育てる男だったが、身体は硬かったと記憶する。父娘の極端な違いが面白く、ぜひとも紹介したいと許可をねだった。ぼくの感動のほどをお伝えする次第だ。
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