春休みを利用して訪れた旅行者が、宿舎に入ってまずホテルが用意してくれたウェルカム・コーヒーなんぞ啜りながら、
「この町はどんな町なのだろう」
と、期待に胸をふくらまる。少しずつ旅人気分が満ちてくるようだ。
そんなときに、ロビーの掲示板にピンナップされた一枚の手刷りのポスターが目に留まる。
それは、集会所やコミュニティーホールなどで町の人が催すコンサートやマジック・ショーなどで、
決して洗練されたものではないが妙に懐かしく好奇心をそそる。行ってみようかなぁ!
毎日、志摩市のどこの町でも楽しい催しものが用意する場所があって、食後の散歩がてらブラリ出かけることができる。旅する人や出張してきた人の旅情を慰め、楽しませる。もちろん、町のヒトだってともに楽しみ、交流する場なのだ。
とまぁ、こういう観光町ならいいなぁ、という夢を語ってみた。
病院のホスピタルに由来するホスピタリティを「おもてなし」と訳したのは素敵なことだ。それは、好意と誠意に支えられている。たまたま春の観光シーズンなので旅人の話を持ち出したまでで、我々地域の人々のためのもてなしのコンテンツが多くあれば、それはそれは楽しい町になるだろう。もとよりこの町にはコンテンツも多く、いろんな団体やグループに恵まれている。それでも、毎日増えていくといった勢いがあればさらに望ましいし、シアターやホールといったあらたまった会場ではなくても、夜店の露店のように、最寄的で、気軽な感覚で、数多く饗されると嬉しい。フローリングの床に車座になって聴く、「バイオリンの夕べ」なんて素敵だと思わない?
畏友、K氏はクラシック・ギターの名手と知られ、ことあるごとに教え子たちに生の演奏を聴かせて来た。音楽室といえばピアノだが、持参のギターの音色で音楽の素晴らしさを教えることのできる教師はざらにいない。「アルハンブラの思い出」、「禁じられた遊び」といった名曲たちと児童たちとの邂逅は、想像するだけで胸がときめく。
その氏が、クラシック・ギターの真髄に触れてもらおうと、地元のギタリスト、広垣氏を招き、
「春の海~ギターコンサート」を主催する。
- 日時:3月31日(土)午後7時開演
- 会場:阿児アリーナ ミーティングルーム
- 演奏者:広垣進
春の宵、弦擦れの音が感じられるほどの身近な距離で聴く名曲の数々。定番的な演奏会とは異なる趣きがあって興味深い。あなたをお誘いせずにはいられない。
が、さっとんが一枚のみではあり得なく、三枚が妥当という多くの声が届いているのはどういうこと…、と、これは独り言でした。
さっとんの独奏会も持ちたいですね。
音楽のある町、それもボーダーレスで、しかも思い思いの場所から聞こえてくる、そんな町になるといいな。
Ohgiならできるし、きっとする。