ふだんデスクトップ機にADSLモデムを接続してネットを利用しているのだが、社員のノートPCを接続したところ、ノートからのネットは可能だったが、デスクトップ機からはインターネットが使えなくなってしまった…。
とかく電話でのやり取りはもどかしい。相手の視線がとらえている映像と、受け手であるぼくの頭に浮かぶイメージとが、電話を介して一致していなければならない。用語も両者で合わないと解決にはほど遠い。日頃のコミュニケーションがものをいうのは、こういうとき。見えているもの、考えていること、話そうとしていること、すべてにおいて、まるで黄金期の阪神の二遊間のように連携がとれてしまう。ぼくが吉田ね(ちなみに相方は鎌田…、超古)。教室でのいい関係をそのままに電話に向かう。
「パソコンの電源を落してから、モデムの電源を落して。電源スイッチがないようならコンセントから抜いてごらん」
「わぁ、たいへん、コンセント探すのが一苦労みたい」
電話の向こうは大騒ぎだ。ようやく見つかった。電源を落し、しばらく時間をあけるよう指示をだす。その間のつなぎの言葉…。
「あのね、モデムは旦那様といつもいるの。そこへうっかり愛人が来てしまったという訳。愛人との御用を済ませた後、元の旦那様のところへ戻ったら、旦那様がまるっきり別の人に思えて拒絶してしまったの」。
こんな説明でいいのだろうか。まあ、こんなところだろう。
「モデムはとても貞淑なの。だから、違う相手だと絶対拒否なの」
「あたしと一緒だ」
「う、うん、そうだね。だから、複数のお相手のときはルータを使おうね」
できるだけ長く間を開けて、モデムの電源オン。自分でチェックをするからゆっくり待って、それからパソコンの電源を入れる。さあ、どうだろう。
「あっ、い、け、そう! イケタぁ!」
「はい、おめでとうさん」
後からのお礼の電話で聞いた話だが、
「ADSLモデムに、LANケーブルを4本挿せるコンセントみたいな機械を繋いでるよぉ」
「そのコンセントみたいなのはハブです。つまり、お宅のモデムはルータ機能が内蔵されているんです」
ぼくはスタンドアローンのPCとてっきり思い込んで指図をしたが、こうなると今度はぼくの方が
「あれーッ?」
ホテルだからLAN環境が当たり前だろう。単なるネットワークの不具合だったのだ。自分の勝手な思い込みと迂闊さを反省する。そして、さらなる人間関係の構築が必要のようだ。結果がよかったのだから、よし…とは割り切れない、複雑な気分で受話器を置いた。教室のBGM、イーグルスの「Take it easy」が流れていた。
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