件名:電話しました?
本文:
お久しぶりです。アドレス変わりました。さっき貴方の家の近くに
おしまいの部分が途切れている。妙に思わせぶりだ。が、署名はない。誰だ? 送信者を見る。ここで、@以降に注目。Yahooメールだ。念のため、メールを右クリックして、メニューから「プロパティ」を選択。ヘッダを調べる。当たり前だが、ぼくの存知よりではない。
この頃、件名、本文ともずいぶん手の込んだメールが多く届いている。感心しているのではない。正直、迷惑だ。胸に手をあて、もし、目下そのような状況下にある人なら、返信してしまうのだろう。残念ながら当方に心当たりない。したがって、ゴミ箱行きだ。
こんなのもある。
件名:メールくれましたよね?
本文:
あの、ここ最近アドレス帳に登録していないアドレスでメールが届くのですが、私のアドレスをご存知で送信されましたか?不思議に思いこのように返信してみたのですが…。
これには釣られそうになった。送信者は女性名。一字違いだが似たような名前の知り合いがいる。しかし、思いとどまった。暇な時間帯だったら…、危ういところだ。
これらのメールは返信して初めて向こう様にこのメアドが活きているの分かる。そっからいろんな仕掛けが繰り出されるのだろう。君子危うきに近寄らず、だ。
いきなり地雷を踏む場合がある。
「こちらをご覧ください」
クリックしようものなら、「会員登録ありがとうございます」のメッセージとともに、ご丁寧にこちらのIPアドレスやらメールアドレスやら挙句の果ては県名までが記載されたメールが届く。会員登録料○万円、高額だ。さらに、傍らには
「解約される方はこちらをクリックしてください。解約料は3万円」
これがワンクリック登録詐欺と呼ばれるものだ。被害者はけっこう多いようだ。もし踏んだら、
「ワンクリック登録 詐欺」
を、Googleでくぐればよい。対処法を教えてくれるはずだ。メアドから住所が特定されることはない、無視が鉄則のようだ。
ネットの世界に誘惑は多い。しかし、「清く、貧しく、美しく」を貫くことも男の美学ではなかろうか。現実の世界と同じだ、うまい話や都合のいい話には裏がある。
と、ここまで書いていたら、
件名:届いた?
本文:
ごめーんさっきの話だけど生理きたから逢えないーまた今度の機会でもいい? maki
もし、ぼくが艶福家だったら、ドキーっとしてすかさず返信したろうか。黙々とゴミ箱に放り込む自分が哀しい。情けないが愛しくもある。
T子さんから「ゴクセン」のDVDを借りたまま一週間が過ぎている。観る時間が取れない状況がずっと続いている。ご好意に甘えっぱなしだ。
それでも、「 アメリカン・タブロイド 」、今夜中に読破できそうな気配だ。
毎日せっせと“送信者を禁止する”にしてます。
本文なんか読みません。