イヴだというのに 壊れたパソコンのお通夜である。また、思いがけず教室の模様替えともなった。まだ続いている。
重い荷物を抱えて、何度も車との往復を繰り返し、強弱体質(?)のぼくは、ややヘバリ気味だった。荷物を持ったまま階段を降りるのは思いの外しんどいものである。いや、昇る方が疲れるぞ、とかの問題提議をしている訳ではない。メルヘンといおうか、ファンタジーがここから始まるのである。
胸のポケットにはいつもだとショートホープとジッポーを入れるだけなのであるが、この夜はたまたま携帯電話も入っていた。作業の間中も当然そう。屈んだ拍子だとか、荷物を落とすまいと腕に力が入るときがあって、胸元でピーとか、ポーとか音がする。携帯のボタンに接触するのであろう。別に、気にも留めていなかった。後でクリアすればよいぐらいのつもりでいたから。くたばって面倒だった。
で、帰宅途中に寄り道をしたのであるが、胸元の様子がおかしい。携帯辺りから声が聞こえるのだ。
もしもし…
女性の声だ。慌てて携帯を切った。
時間は午前1時過ぎである。おっかなびっくり表示パネルを見直してみると発信履歴にY子さんの名前が残っているではないか。驚くしかない。
ウッヘーェッ
我が娘と同世代の女性に、しかもこんな夜中、なんて事してしまったのやら。明日、謝らなくては、と気分が暗くなった。
しかし、である。もともと携帯電話に明るい訳ではない。携帯メールなんぞ設定すらしていなし、着信・送信履歴からしか番号登録できないほどである。この時だって、履歴なんか表示させてなんかいない。それが、ポケットの中で、
- ライターとシガレットと外圧による偶然の接触が
- 持ち主の意志を離れ
- 任意の数字の無作為の組み合わせによって
- しかも、500人近くダイアル登録してある中の
- 特定の女性を呼び出してしまった
のである。まるで見えない糸で結ばれているようで
これって凄くないかい?
中年のオヤジにはクリスマスのファンタジーとしか思えず、いささかときめかなくもないが、当のお相手にすれば…、
迷惑な奴ちゃ!!
クリスマスの夜、教室の皆さんには「We Wish You a Merry Christmas」のメロディをBGMに、サンタさんが歩くメールをお届けしたかったが、メール・マシンの昇天で断念した。何とも悔しい特別な夜である。
クリスマスってもともとどうでもええんやけど今年はインフルエンザで寝込んでしまって最悪でした…(;´Д`)
皆さんもお気をつけ下さいませ。