緒戦を落とし、二戦目もノーヒットノーランのおまけ付きで完封されたからといって、このまますんなり決着がつくような気がしない。ほかでもないタイガーズのことである。
ファンには2タイプあるようだ。センター赤星の拙い守備を見た瞬間、
「今季はもう負け!」
とあきらめるタイプ。2試合続けての完封負けに、逆に、
「これで阪神は居直り、中日がこれから見えない重圧に苦しむはず」
と舌なめずりするタイプ。ぼくはあきらかに後者。
確かに今季のナゴヤドームでの戦いぶりには納得できない。でも、選手たちが諦めたならしようがないが、連勝に浮かれる相手への不気味な警告を与えることが大切で、その気構えは失ったようには見えない。これからである。
恍惚と不安は裏返しであり、無念さはまた意志に変わるのだ。何かを得た時、何かを失ったような気もするのが人生だし、失うばかりでも、まったくのゼロを感じないのも確かだ。失恋は、新しい恋の幕開けでもある。
失わないと得られないものがある
そう信じているのだが、頑張んなさい、虎たち。
マイルス・デイヴィスの「死刑台のエレベーター」を聴いている。全体を流れる悲劇的雰囲気にもかかわらず妖しく魅惑されるものがある。決して天候のせいではない。
死刑台のエレベーター[完全版] 価格:¥ 1,995(税込) 発売日:2003-04-23 |
本文で「何かを得た時、何かを失ったような気もする」とありますが、お金で物を買ったときはそう思いますね。欲しい物は得ることができたけど、お金は失ってしまう。