素晴らしき哉、人生〈特別版〉 価格:¥ 3,990(税込) 発売日:2001-12-21 |
「イタリアへ連れったろやんか!」
誰あろう、おとやの大将のお言葉である。のみならず女将さんの太鼓判まで付いている。
「ヨッ大将、太っ腹ぁ!」
素晴らしき哉、人生! 苦節10年、ぼくのしょぼい人生に曙光が見え始めた。パレルモからコモ湖まで、ぼくの頭ん中のイタリア地図が廻り出す。こんな僥倖があるんだ。いいなぁ、いい夫婦だよなぁ、さすが、元プログラマー。もう一度叫ぼう、お・と・やぁ!
「ただし…」
えっ、この場合、オチは要らんのやが…(;´゜Д゜) 、
おもむろにでっかい業務用冷蔵庫に貼ってある紙を指さして、
「アレが当たったらなっ!」
瞼の裏のピサの斜塔がもう10度ほど傾いた。
どうなる、ジーナ・ロロブリジータみたいな女性との邂逅は? すべてが一束の宝くじに委ねられている。こうなりゃ、誰のためでもなく、ひたすらおとやのために祈るしかない。断食まではしないが、この夫婦のために祈り倒そう。
かくして今年の大晦日はイタリア旅行が決まる特別な日になった。普通なら、
「そんなん夢か、戯言さぁ、当たる訳ないって!」
てなもんだろうが、何の何の。このおとや夫婦には不可能を可能にする無理やりなパワーがあるから侮れない。宝くじなんぞ奇跡には値しない。彼らにしたらロト6なんて屁のようなもんだ。外すなんて信じられない。
もし、疑うことがあるとしたら、3億円が当たっても知らんぷりされることだ。
「ありゃあせんよぉ、ナイナイ、すぐに顔に出る性質(たち)やで…」
と、断言したが、プログラマーを侮ってはならないと思う。シミュレーションの達人であり、ポーカーフェイスはお手のものはずだから。
大晦日の昼飯、カウンターで大将の顔を睨みながら鮨ランチだ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます