BELOVED

好きな漫画やBL小説の二次小説を書いています。
作者様・出版社様とは一切関係ありません。

天上の愛地上の恋

2015年10月14日 | 日記


わたしがこの漫画と出会ったのは、中学3年生の時だった。

ある雑誌にこの漫画が紹介されていて、家族と大晦日に神戸旅行へ行く際、単行本4巻を手に入れた。

この漫画は、ルドルフ皇太子を主人公にした作品で、架空の孤児・アルフレートとの関係がメインで、ルドルフ皇太子の短い生涯を描いた作品でもある。

世界を冠する帝国の皇太子として生を享け乍ら、愛情に飢えていたルドルフ。

彼は常に「皇太子である」ということで己を律してきた。

アルフレートとルドルフが出会ったのは、ルドルフが仕掛けた貴族の暗殺現場にアルフレートが出くわし、その口封じの為に彼をウィーンへと連れて来た。

9歳でありながら皇太子としての義務を果たし、父親であるフランツ=ヨーゼフと政治情勢を語り合うルドルフ。

しかし彼は己が病弱であるが故に、その出生に関する口さがない噂に密かに傷ついていた。

だがアルフレートは、ルドルフの噂をする女官達に抗議する。

アルフレートの純粋さに驚き、彼の優柔不断さに時折苛立つも、ルドルフはアルフレートに惹かれてゆく。

二人の関係は、ただの主従関係と片付けられるほど単純明快なものではない。

二人が出逢い、マイヤーリンクの狩猟館で「その時」を迎えるまで、アルフレートはルドルフを「無償の愛」で包んだ母のような存在だった。

第1部は二人の出逢いから結ばれるまでを描き、第2部は恋人同士となった二人が袂を分かつまで、そして第3部は再会した二人がマイヤーリンクで「その時」を迎えるまでを描いた物語である。

ネタバレになってしまうが、この作品ではルドルフは史実通りには死なず、その代わりに正気を失ってしまった。

幼き頃から己を律し、常に「皇太子であること」を己に課していたルドルフ。

しかし皇帝である父との対立が深まり、オーストリア=ハンガリー帝国の崩壊を阻止しようとした彼は、自らの命を以て己の死がドイツ帝国の陰謀であることを父に知らしめようとした。

彼の強靭な精神力はやがて狂気にむしばまれ、遂に唯一無二の存在であったアルフレートの事を忘れてしまう。

マイヤーリンクの狩猟館で自殺しようとしたルドルフは、アルフレートに笑顔を浮かべ、正気を失う。

息子が生きていると知った皇帝は、ルドルフが「自殺」したと発表し、葬儀を行う。

その葬儀の日に、彼が放った言葉が心に響いた。

「40年間も皇帝をやっていたが、父親というものは、愚かなものだな。」

幼き頃から父を尊敬し、やがては彼のような皇帝になると夢見ていたルドルフ。

心から息子を愛していたが、それを彼に伝える機会を逸したフランツ=ヨーゼフ帝。

ルドルフ亡き後、皇帝の甥であったフランツ=フェルディナンドが皇位継承者となり、彼はサラエボにて妻・ゾフィーに暗殺され、第一次世界大戦が勃発する。

皇帝は1916年に亡くなり、その2年後にオーストリア=ハンガリー帝国、ドイツ帝国、そしてロシア帝国も崩壊する。

時代の渦に巻き込まれた人間は無力である。

この作品は名作だが、残念ながら絶版となっている。

願わくば、文庫版として復刊して貰いたいものである。
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皇妃エリザベートとルドルフ。

2015年10月13日 | 日記
わたしは新選組の影響で、幕末から明治あたりの時代を舞台にした歴史物の小説やドラマ、漫画などが好きだ。

特に好きなのは、加藤知子先生の「天上の愛地上の恋」だ。

美貌の皇妃・エリザベートの息子であるルドルフ皇太子を主人公にした漫画で、余りにも好きになってしまった影響で、ハプスブルク家関連の書籍を読みあさっていた時期があった。

エリザベートは類稀なる美貌の持ち主で、美を維持するために体操をしたりしていたという。

しかし、姑・ゾフィー皇太后から自分の子を取り上げられ、宮廷の足枷を嫌ったエリザベートは、流浪の旅に出るようになる。

皇族というのはプライバシーも何もない。

エリザベートの息子・ルドルフは母親に気質も美貌もそのまま受け継がれた。

だが、家庭を蔑にして流浪の旅を繰り返す母、皇帝として多忙を極める父、そして絶対権力者であった祖母―この歪であり特殊な家庭環境に育ったルドルフは、成人し結婚しても、孤独を埋めることが出来なかった。

そしてルドルフは30歳という若さで、自分より年端のゆかぬ娘と謎の情死を遂げる。

姑からルドルフを取り上げられ、そのルドルフを失ったエリザベート。

歴史に「もし」はないが、エリザベートがルドルフとともに過ごす時間が多かったのなら、彼の孤独は埋まっていたのかもしれない。

息子を失い、喪服を纏ったエリザベートは、スイスで暗殺者の凶刃に倒れる。

いつの時代も、親子という名の密接で複雑な関係から生まれる溝を埋めるのは、容易ではない。
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衣替え。

2015年10月13日 | 日記
今日は雲一つない晴天。

衣替えを少ししたが、夏物のTシャツと冬物のヒートテックを入れ替えただけだ。

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デザイナーベイビー

2015年10月07日 | 日記


9月22日から始まったドラマ。

2話から観ているが、この話は不妊治療のことがテーマである。

この世に、真の平等などない。

妊娠できる女性と、妊娠できず不妊治療をするも、子が授からない女性。

最近、幼児・児童虐待事件が増えている。

連日そのような事件をテレビで報道されているのを観て、何故腹を痛めて産んだ子を殺めるのかと思ってしまう。

望まぬ妊娠をしたからといって中絶するのではなく、子が授からぬ夫婦の元へ養子に出すのが、その子の幸せになるのではないか。

「女性は子を産んで当たり前」という考えが未だに根強い日本。

しかし、妊婦や乳幼児の親には厳しく、冷たい日本。

一部の非常識な親子連れ、妊婦の所為で、肩身の狭い思いをしている彼ら。

口先では子育て支援などと言いながら、女性が育児をしながら働ける環境整備をしない政治家。

妊娠したら退職を強要する会社。

少子化対策というが、出生率が下がるのは、社会の所為ではないのだろうか。

原作小説は既に購入したが、ドラマの最終話を観終わってから読もうと思っている。

このドラマを観終わって、「世の中の不平等さ」に改めて気づいた。
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