奈良田越、大井川源流釣行 4
「あんな道はほとんど廃道だ、やめとけやめとけ、転付越えで行けばいいじゃないか...」
某記の南アルプス小屋の主人の話がふとよぎる。
もう十一時なのに、向かいの山の高さからみるとまだ半分も登っていない。水筒の水も、徐々に少なくなってくる。しだいに、チビリチビリと一回量も減らし、間隔も広げざるをえない。気を取り直し少し登るがすぐダウン。昼飯のイナリも喉につかえる。
かえってのどが乾くかと思ったが、5%のアルコールと言うことは、残り95%が水だろうと、変な計算をしてついに缶ビールも飲む。とくに眠気も催さず、ビールを飲んだ影響もほとんどなく、その後はやや快調に登りだす。
相変わらず道はなく、小枝や、笹をつかみながらの藪コギがつづく。尾根が近いと、ぬか喜びさせるような所もあるが、まだ、上は見えない。10メートル登れば横になる、また登る、又休む。ダウン寸前。このルートをとったことを、本格的に悔やみだす。
帰路は転付か?内河内づたいに新倉へ出ても、それから奈良田までどうする・…?次第に、思考能力も落ちてくる。とにかくこのルートはもうとりたくない。
もう2時だ、9時間も登っている。後で、友人に話したら、そういうのを「遭難」と言うのだと言っていたが。
また少し登り、振返りながら、遠く、やや横下を眺めると、赤茶けた林道らしきものが見える。なんだ道を間違えたのか、いやいや、もともと間違える道もないのだ、少し北へ行き過ぎ、白剥山へ向かって登っていたのだ。
少し登ると、古い登山道に出くわす。ここからは低いカラマツ林の中を急ぎ足で、奈良田越へ向う。
「あんな道はほとんど廃道だ、やめとけやめとけ、転付越えで行けばいいじゃないか...」
某記の南アルプス小屋の主人の話がふとよぎる。
もう十一時なのに、向かいの山の高さからみるとまだ半分も登っていない。水筒の水も、徐々に少なくなってくる。しだいに、チビリチビリと一回量も減らし、間隔も広げざるをえない。気を取り直し少し登るがすぐダウン。昼飯のイナリも喉につかえる。
かえってのどが乾くかと思ったが、5%のアルコールと言うことは、残り95%が水だろうと、変な計算をしてついに缶ビールも飲む。とくに眠気も催さず、ビールを飲んだ影響もほとんどなく、その後はやや快調に登りだす。
相変わらず道はなく、小枝や、笹をつかみながらの藪コギがつづく。尾根が近いと、ぬか喜びさせるような所もあるが、まだ、上は見えない。10メートル登れば横になる、また登る、又休む。ダウン寸前。このルートをとったことを、本格的に悔やみだす。
帰路は転付か?内河内づたいに新倉へ出ても、それから奈良田までどうする・…?次第に、思考能力も落ちてくる。とにかくこのルートはもうとりたくない。
もう2時だ、9時間も登っている。後で、友人に話したら、そういうのを「遭難」と言うのだと言っていたが。
また少し登り、振返りながら、遠く、やや横下を眺めると、赤茶けた林道らしきものが見える。なんだ道を間違えたのか、いやいや、もともと間違える道もないのだ、少し北へ行き過ぎ、白剥山へ向かって登っていたのだ。
少し登ると、古い登山道に出くわす。ここからは低いカラマツ林の中を急ぎ足で、奈良田越へ向う。