滋賀県 建築家 / 建築設計事務所イデアルの小さな独り言

建築家・清水精二のブログ、何でもあり独り言集・・・。

F1フェラーリ 2023年マシン

2023年02月26日 | F1

もうすぐそこまで春がやって来ているという感じですね・・・。でも、それは同時に花粉もやって来るという事です。今年の花粉飛散傾向は、近畿地方で例年比140%、前年比260%と予測されていますから、花粉症の私としては、もう春は来なくていい・・と思ってしまいます。以前にも言いましたが、花粉症の症状が出る前に薬を飲み始めるのが効果的なので、2週間ぐらい前から花粉症の薬を飲んで花粉に備えています。

という事で、今回は2月14日に発表されたスクーデリア・フェラーリの2023年F1マシン「SF-23」のお話です。他のいくつかのチームの2023年F1マシンの発表は、ショーカーやレンダリングに今季のカラーリングを施した「偽物」だったのに対し、スクーデリア・フェラーリは、集まった多くのファンの前で本物の「SF-23」を公開するだけでなく、発表直後にフィオラノのトラックで公開シェイクダウンを実施するというパフォーマンスを見せました。発表直後のシェイクダウンは、マシントラブルなどのリスクが伴うにもかかわらず、公開シェイクダウンを実施したのは、今季マシンSF-23の信頼性に余程の自信があったという事なのでしょうか。いずれにしても、近年の新車発表会に「偽物」が使われる傾向があるのに対して、F1名門チームが一石を投じた新車発表となりました。

画像は、スクーデリア・フェラーリの2023年F1マシン「SF-23」です。昨シーズンのスクーデリア・フェラーリは、チャンピオンシップを制したレッドブルよりも4回多い12回のポールポジションを獲得するほどの速いマシンを手に入れていました。したがって、SF-23が昨シーズンの哲学を引き継いでいることは自然な成り行きです。昨シーズンは、速いマシンを手に入れたにもかかわらず、パワーユニットの信頼性への問題やレース戦略のミスなどにより、タイトル争いにおいてチームは自滅した形となってしまいました。チームは、昨シーズン中からパワーユニットの信頼性回復に取り組み、その作業は冬の間に完了し、パワーユニットは昨シーズン序盤のようなアグレッシブな走りが安定的にできる事を可能にしていると考えられます。

空力面では、新しい空力レギュレーションに対応するために垂直方向のダウンフォースを増加させ、望ましいバランス特性を実現させています。また、サスペンションの設計も変更され、空力をサポートするとともに、サーキットでのクルマの調整幅を広げています。最も明白な変化は、フロントサスペンションの領域でロートラックロッドに移行している事です。フロントウイングもノーズの構造も異なっており、ボディワークも昨シーズンのものをより極端なバーションに仕上げています。サイドポッドの前面下端がスカラップされ、昨年のフェラーリをよりスリムにしたような印象になっています。これは、他に発表された多くのマシンがそうであったように、ラジエター部分がそこからショルダーのあたりに移動していることを示唆しています。

その他にも多くの進化が見られる中で、SF-23において特に注目を集めているのが、フロントウイングに搭載された5つのスロットギャップセパレーターと「Sダクト」と呼ばれる空力システムです。Sダクトは、モノコックの両端に取り付けられたインレットから空気を取り込み、モノコックの中にあるS字型のトンネルを通過して、サイドポンツーン上面のアウトレットから排出するもので、その狙いは、サイドポンツーン上面の空気の流れを加速させ、フェラーリが採用しているバスタブ型コンセプトのパフォーマンスを上げることにあります。また、フロントウイングにあるスロットギャップセパレーターは渦を作るような角度になっており、インレットに向かう気流を加速させるようになっています。

このスロットギャップセパレーターは、昨シーズンのアメリカGPでメルセデスF1が導入しようとしていたもので、合法性に疑問が生じたため、土壇場で自主的に採用を取りやめたデザインです。スロットギャップセパレーターは「機械的、構造的または計測的な理由でのみ」装着することができると定められていましたが、FIAは「機械的、構造的または計測的な理由でのみ」を定義することが不可能と判断し、2023年からその文章を削除したため合法性が高いと考えられます。そのため、他のライバルチームがスロットギャップセパレーターをコピーする事が可能になったと言えますが、コピーする事は難しく事実上、不可能だと思われます。

その理由は、スロットギャップセパレーターによりインレットに向かう気流を発生させ、Sダクトによってサイドポンツーン上面の空気の流れを加速させるという一連の空力システムとなっているため、この空力システムをコピーするにはマシン全体の空力システムを見直す必要があるからです。特にSダクトはモノコックが特殊な形状となっているため、他のチームがこのアイテムを採用するためにはモノコックを作り直さなれけばなりません。現在はコストキャップ(予算制限)があるため、シーズン中にこれらを変更することは不可能と言えるでしょう。

昨日までの3日間、バーレーンにおいてプレシーズンテストが行われました。プレシーズンテストを見る限りレットブル・レーシングが速さ・安定性において一歩リードしているようです。しかし、各チームは、本来のマシンポテンシャルを温存している場合もあるので、本当のところはシーズンが開幕してみないと分かりません。前述しましたフェラーリのユニークな空力システムが、他のライバルチームへのアドバンテージとなり、キミ・ライコネン以来となるドライバーズチャンピオンを獲得する事ができるでしょうか・・・。2023年F1サーカスの開幕戦バーレーンGPは3月5日に決勝が行われます。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

懐かしいF1マシン ウィリアムズFW14B

2021年12月26日 | F1

今日は寒い一日です。今も雪が降りだしました・・。2021シーズンのF1サーカスは、レッドブル・ホンダF1のマックス・フェルスタッペンが初のドライバーズチャンピオンシップを獲得し幕を閉じました。最終戦となるアブダビGPの最終ラップで、マックス・フェルスタッペンがルイス・ハミルトンをオーバーテイクするという劇的な展開によって、F1ラストイヤーのホンダは1991年のアイルトン・セナ以来30年ぶりとなるタイトルを獲得することになりました。物議を醸したセーフティカー問題にはあえて触れませんが、多くの人がフェルスタッペンのタイトル獲得を期待していたと思いますし、今シーズンの彼のパフォーマンスはワールドチャンピオンに値するものでした。ハミルトンは前人未到の103勝、ミハエル・シューマッハと並ぶ7度のワールドチャンピオンを獲得しているF1史上最高のドライバーの一人であることは周知のとおりです。しかし、多くの人はハミルトンのような偉大なドライバーを打ち負かそうとする若いドライバーが現れたとき、それを期待し応援したくなるものだと思います。私も含め多くの人はF1サーカスに新しいヒーローが現れることを常に待ち望んでいるのですから・・。

 

[レッド5のカーナンバーを冠したFW14Bを駆るナイジェル・マンセル]

という事で、今回は親友の建築構造家とF1談義をしているときに、懐かしいF1マシンとして必ず話題に出てくるウィリアムズFW14Bについてお話します。ウィリアムズF1チームの1992年マシンFW14Bは、「F1史上最高傑作マシン」、「F1史上最強ハイテクマシン」などの異名を持って今日に語り継がれている名車です。ウィリアムズは、1991年にエイドリアン・ニューウェイとパトリック・ヘッドとの共同体制での第1作目となるFW14を生み出します。FW14はノーズ先端が持ち上げられ、コクピット開口部はドライバーの肩が露出するニューウェイ独特の5角形デザインとなっていました(ニューウェイは、レイトンハウス時代に試した空力デザインうち、いいものだけをFW14に採用したと言われています)。このFW14をベースにアクティブサスペンションを搭載し、1992年に向けて改良を加えられたマシンが史上最強ハイテクマシンと言われるFW14Bです。

FW14Bのアクティブサスペンションシステムは、ガスシリンダー(パッシブ)と油圧式アクチュエータ(アクティブ)を組み合わせたセミアクティブ方式となっていました。路面のバンプを通過する際に、大きな揺れにはパッシブサス、小さな揺れにはアクティブサスで制御することができました。ソフトなサスペンション特性を持ちながらも、シャシー姿勢や車高を最適に維持するという相反する要素を兼ね備えることで、FW14が本来備えていた空力性能がいかなる状況でもを発揮できるようになり、並外れたコーナリング性能を実現していました。さらに、ストレートではフロントの車高を上げ、ウィングのドラッグを減らし、トップスピードを高めることも可能になりました(当時はGPSが存在しなかったため、各サーキットで走行ライン上の路面状態や縁石を全て事前に調査することによって、アクティブサスペンションの動作プログラムを作成する手法が採られていました)。

[FW14Bのアクティブサスペンション]

セミオートマティック・ギアボックス、アクティブサスペンション、トラクションコントロールというハイテク装備で武装したFW14Bは、開幕戦から3戦連続ワンツーフィニッシュを果たし、ウィリアムズはシーズン16戦10勝という成績で、この年のコンストラクターズタイトルを獲得しています。そして、私が大好きだったナイジェル・マンセルは、レッド5のカーナンバーを冠したFW14Bを駆って悲願のワールドチャンピオンを獲得しています。

私と親友の建築構造家は、このF1史上最高傑作マシンであるFW14Bを鈴鹿サーキットで目の当たりにしています。当時はF1日本GPの決勝チケットは入手困難だったので、予選しか観戦できませんでしたが、それでもマンセルの大ファンだった私は「ナイジェル・マンセル」と書いてある大きなユニオンジャックのフラッグ(畳2枚ぐらいの大きさだったかなぁ)を持って応援に行っていました。マンセルは予選アタックを終えた周回で、私たちの方に向かって大きく手を振ってくれた事を憶えています。私のユニオンジャックのフラッグを見つけて、手を振ってくれたんだと思っていましたが、おそらく私たちが居たスタンドの他の人たちもマンセルファンであれば同じように思っていたんでしょうね・・。

とまぁ・・今回の記事は、F1に興味のない方には全く何のことか分からない記事でしたが、この記事が今年最後の記事になると思いますので、それではみなさん良いお年を・・・。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

レットブル・ホンダF1 2020マシン

2020年02月23日 | F1

2月とは思えないほど暖かい日々が続いています・・・。今年は本当に暖冬ですね。雪が降ったのも1回だけだったかな?、先週ぐらいから花粉症がヤバくなってきたので、お医者さんへ薬をもらいに行って、今年は暖冬やし花粉が早く飛びだしてるんかな・・と聞くと、お医者さんが「去年も同じぐらいに薬もらいに来てるでぇ」って言っていたので、暖冬と花粉が飛び始める時期は関係ないのかも知れませんね。(去年も暖冬だったのかも知れませんけど・・)

という事で、今回は5年ぶりのF1の記事です・・。久しくF1の記事を書いていないなぁ~と思ったら、5年近く書いていなかったのですね。というのも・・ここ数年は、地上波やBSでのテレビ放送がなくなったこともあり(CSやネットでの有料放送はあります)、加えて、いつも言っていますように年々時間がなくなってきているので、F1をじっくり観戦する機会から遠ざかっていました。とは言っても、ネットのF1サイトで毎回レースのハイライト動画を観たり、レース関係ニュースを読んだりはしていました。(やはりF1には興味があるので・・)

 

画像は、2月12日に発表されたレッドブル・ホンダの2020年F1マシン「RB16」です。「RB16」は、2020年の安定したレギュレーションを生かして、“空力の奇才”エイドリアン・ニューウェイのこだわりとアイデアにより、あらゆるエリアが煮詰められた空力マシンとなっています。細部のアイデアは省くとして、新設計されたフロントサスペンションは革新的で、下部のウィッシュボーンが昨年よりもモノコックのはるか低い位置に取り付けられており、低速コーナーでの弱点を克服することが期待されます。これは昨年のメルセデスは低速パフォーマンスが良かったので、改善が必要なところでした。ちなみに、リアサスペンションも新設計されていて、下側のウィッシュボーンがドライブシャフトフェアリングとインラインに配置されていることで、両者が連携してそのエリアの空気流を改善しています。

私が何故この記事でレッドブル・ホンダのマシンを取り上げるのかというと、ホンダのパワーユニットを搭載していることもありますが、私はそれほどホンダの熱狂的なファンではありません。それより、エースドライバーのマックス・フェルスタッペンがF1史上最年少となる初のワールドチャンピオン獲得を目指しているということに興味と期待を持っているからです。メルセデスとハミルトンばかりがタイトルを獲得するのは面白くありませんからね。そういう意味では、レッドブル・ホンダの「RB16」のポテンシャルに注目するのは当然です。

 

画像は、プレシーズンテストで「RB16」を駆るマックス・フェルスタッペンです。今週から、スペイン・バルセロナのカタロニア・サーキットで1週目のプレシーズンテストが行われました。レッドブル・ホンダのマシンテストは順調だったようで、来週行われる2週目のバルセロナテストでは、早くも「RB16」にアップグレードが投入されそうです。ところで、1週目のプレシーズンテストで注目を集めたのが、メルセデスが披露した「DAS(デュアル・アクシス・ステアリング)」システムと呼ばれる走行中にフロントタイヤのトー角を変更させるデバイスです。メルセデスが導入したこのシステムは、ステアリングを前後に押し引きすることでフロントタイヤのトー角を変更することができます。DASシステムの合法性については、FIA(国際自動車連盟)がどのような見解を示すのか、合法の場合には他チームも追従するのか・・気になるところです。

いずれにしても今シーズンは、この「RB16」でメルセデスを倒して、レッドブル・ホンダとマックス・フェルスタッペンがダブルタイトルを獲得するシーン(マックス・フェルスタッペンは史上最年少ワールドチャンピオン)が見たいものです・・・。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

F1ホンダの苦闘

2015年10月04日 | F1

気候も良くなって、最近は天気のいい日になると仕事をしているのがバカらしくなってくるときがあります・・・。(だいぶんストレスが溜まっているのかな?)、今日も日曜日で天気がいいのに・・私は仕事してますからね。まぁ、日曜日なので、このようにブログを書いたりして、ゆっくり目にしてますけど・・。

 

 

という事で、F1の話です。日本グランプリも先週終わってしまいました。今年は、久しぶりに鈴鹿にF1を観に行こうか・・と友人と話していたのですが、結局、私も友人もお互い忙しくて行かずじまいになってしまいました。

結果的には、行かなくって正解だったのかも知れません。レース内容は、メルセテスの独り勝ちですし、マクラーレン・ホンダにいたっては、ホームグランプリだというのに、ホームストレートで下位チームのマシンにどんどんオーバーテイクされる屈辱的シーンが幾度となく展開する始末・・。私は、熱烈なホンダのファンではありませんが、それにしても観るに耐え難いレース内容でした。マクラーレン・ホンダの低迷については、いろいろと言われていますが、F1に必要なものは、妥協を許さない貪欲な向上心と挑戦力です。

現在のレギュレーションになってから、ライバルチームより遅れてF1に参戦したホンダのパワーユニットの開発については、ライバルたちの後を辿ってコツコツと戦闘力を上げようとしたのではなく、ライバルたちより一歩も二歩も新たなことに挑戦しようとした結果がたまたま今シーズンのマクラーレン・ホンダの現状になっているというだけのことだと思います。

そういう意味において、ホンダのチャレンジ精神(挑戦)は、むしろ称賛されるべきものかも知れません。でも・・F1は勝負の世界ですから、結果がすべてと言われると今のマクラーレン・ホンダの現状は、何を言われても仕方ないというのも事実です。

いずれにしても、ホンダのチャレンジ精神(挑戦)が来シーズンの大躍進につながることを期待することにしましょう。(私も、ストレスが溜まっているとか言ってないで、初心に戻って、妥協を許さない貪欲な向上心と挑戦力を持ち続けないといけないですね・・・。)

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2014 F1マシン

2014年02月24日 | F1
今日は少し暖かかったような気がします、寒さも峠を越えたのでしょうか・・・。数日前から、なんとなく鼻がムズムズしてくしゃみをしだしたと思ったら、そろそろ花粉の季節ですね。
今年の花粉は少ないと聞いていたのですが、先程ネットで調べてみると、日本気象協会が発表している花粉飛散数予測(前年比)の全国マップでは、全国的にやや少ない~非常に少ないとなっているのに、どういうワケか滋賀県と京都府だけやや多いとなっていました。
滋賀と京都のみなさん、今年の花粉は少ないのでなく、やや多いらしいですから油断してはいけませんよ・・。

それから、設計事務所開設20周年につき、20年間をふり返って、建築のお話をする記事シリーズの続きは次回以降にお話します。連続の記事ではなく、間に他の記事をはさんでお話していきます。

ということで、F1のお話です。
今年のF1は、大きくレギュレーションが変更されています。一番大きいのは、昨年までの2.4リッターV8エンジンから1.6リッターV6ターボエンジンに変更されたことです。それ以外にも多くのレギュレーション変更があるのですが、今年になって各チームが続々と新車を発表するなか、話題になったのがノーズデザインです。

Photo

クラッシュ構造を持ちつつ、先端を低くすることが定められた新レギュレーションを満たすため、ユニークなノーズデザインをした新車を発表するチームが多くあったからです。
発表された新車の中で、一番多かったノーズデザインは、「アリクイノーズ」と呼ばれるノーズで、マクラーレンやウィリアムズが採用しています。ノースの先端に細い突起が付いていることから、動物のアリクイに見立てて名づけられたのでしょうね。(上の画像は、アリクイノーズを採用したマクラーレンのマシン)

この「アリクイノーズ」・・、あまりにも醜いことから、F1のファン離れにもなりかねないとの騒ぎにまでなったとか・・。
私としては、確かにかっこいいデザインだとは思いませんが、マクラーレンの「アリクイノーズ」ぐらいなら、醜い・・とまではいかないと思いますけどね。

Photo_2

これに対して、フェラーリやメルセデスのようにノーズ部分に突起のないスタンダードに近いデザインを採用しているマシンもあります。(左の画像)
レッドブルについては、三角形のノーズ先端から下側にむけて突起が伸びる形状を採用しています。レッドブルのノーズデザインもどちらかと言えば、あまりかっこいいデザインではないですかね・・。
できれば、シーズンが進んでいく中で、フェラーリやメルセデスのようなスタンダードに近いノーズデザインが主流になっていくことを願いたいものです。

Photo_3

もう一つ、ノーズデザインに関して言えば、全チームの中で唯一独自のデザインを採用しているのがロータスです。二股にわかれた長さの異なる「2本牙ノーズ」のデザインを採用しています。(右の画像)
私の感覚だと、2本の牙ノーズの長さが異なると、空力のバランスが悪くなってまっすぐ走れないような気がするのですが、理論的にはクルマのフロア前端に空気を送り込むことが可能となっているそうです。

エンジンの話に戻りますが、つい先日行われたバーレーンでのプレシーズンテストでは、メルセデスのパワーユニットを搭載するメルセデス勢(メルセデス、マクラーレン、ウィリアムズなど)が相変らずの好調ぶりを見せつける一方で、ルノーのパワーユニットを搭載するルノー勢(レッドブル、トロ・ロッソ、ロータスなど)は、苦しい状況が続いているようです。ルノー自体も開発の遅れを認めていて、パフォーマンスを追求するには程遠い状況となっています。

レッドブルもマシンに問題を抱えているうえに、搭載するパワーユニットのルノーの開発の遅れが目立ち、プレシーズンテストでは苦しんでいる状態からすると、今シーズンは面白くなるのかも知れません。ここ数年レッドブルがタイトルを獲得し続けているので・・。

とは言え、フタを開けてみなければ分からないのがF1サーカスです。テストで好調でもシーズンでは何が起こるか分かりません。過去の例からすれば、テストで好調だったチームがシーズンでは散々だったということもありましたから。
それに、もう一つのパワーユニットであるフェラーリ勢も忘れてはいけません。バーレーンのテストでは、メルセデスに2~3秒遅れのパフォーマンスとなりましたが、そこはあくまでテストです・・メルセデスにしろフェラーリにしろ、どれだけ燃料を積んでいたのか分かりませんからね。

そんなこんなで・・今年のF1サーカスは、3月15日にオーストラリアで開幕します・・・。








コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2012 F1マシン

2012年03月04日 | F1
前回の記事でお話しましたHSプロジェクトも先月末に無事竣工しました・・・。もともと工期がきびしいプロジェクトだったので、工期内に引渡すことが出来て、ここ2~3日は気が抜けてしまい・・なんだかほっこりしています。
とは言っても、今週からS-HILLプロジェクト(有料老人ホームの増築・全面改修)の工事がはじまります。こちらも工期がきびしいので、もう一度戦闘モードに気合いを入れ直して頑張らないといけませんね・・。

F2012

という事で、今日は久しぶり(1年以上のご無沙汰かな・・)のF1のお話です・・。開幕戦前の最後の合同テストが連日行われていますが、2012年F1マシンの特徴は何と言っても「カモノハシノーズ」と呼ばれる段差ノーズです。
フェラーリの2012年F1マシン「F2012」(上の画像)にも今シーズンのトレンドとも言える段差ノーズが採用されています・・。

各チームが今シーズンのマシンをぞくぞくと発表する中で、その醜い形状が大きな話題を呼びましたが、この段差ノーズ・・実は2012年に改訂されたレギュレーションによる産物なのです。

FIAは、安全性を理由に2012年マシンのコックピット前から150ミリのノーズの最大高を基準面から550ミリに制限しました。しかし、モノコック前端の最大高は625ミリのままであり、フロントのバルヘッドの厚みは最低275ミリに定められています。
F1チームは、少しでも多くの空気をマシン下に流そうとします・・。しかし、前述の制限によりモノコック下に確保できる空間の高さは決まってきてしまい、そこにノーズ高制限を合わせるとマシン上部には75ミリの段差が生まれてきてしまいます。

マシン上部に段差がないほうがいいのですが、その部分の空気抵抗よりもマシン下のダウンフォースを優先した結果が段差ノーズだというワケです・・。

02

マクラーレン MP4-27(右画像)には段差ノーズはありませんが、マクラーレンは前年マシンからモノコックの高さを625ミリいっぱいに使っておらず、ハイノーズにしなくても効果を生み出せるノーズ形状にしてきました・・。しかし、そのMP4-27もノーズは昨年よりも前傾しており、開口部も広げられるなど変更がみられます。

もっとも・・段差ノーズよりも2012F1マシンに大きく影響するのがブロウン・ディフューザーの禁止です。ディフューザーに排気ガスを流せないようにFIAはエキゾーズト出口の角度や形状を規定しました。
段差ノーズとは異なり、各F1マシンのリア部分はまだ多くの偽装が施されており、シーズン開幕までに各マシンのリアにどのようなソリューションが採用されるかがマシンのパフォーマンスに大きな影響を与えそうです・・。

それにしても、段差ノーズは美しくない。「美しいマシンは速い」と言われるF1・・。今年は、段差ノーズを採用したF1マシンがどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか・・3月16日のF1サーカスの開幕が待ち遠しいですね・・・。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2010 F1 開幕戦 バーレーンGP

2010年03月15日 | F1
05

今シーズンのF1が開幕しました・・・。2010年のF1開幕戦は、改修されたバーレーン・インターナショナル・サーキットが舞台。レギュレーションの変更に加え、シューマッハが4季ぶりにF1復帰したことで、今シーズンは現役ワールドチャンピオンが4人もいるという異常事態に誰が一番速いのかと・・注目が集まる中、予選でポールポジションを獲得したのはレッドブルのベッテルでした・・。

決勝レースでは、そのベッテルがポールからトップに躍り出ると、序盤・中盤とレースをリードし、そのあとをフェラーリのアロンソ、マッサが一定間隔を保って追う展開に・・。大したバトルもなく、このまま単調なレースで終わってしまうのかと思っていたところ、34周目にマシントラブルでペースダウンしたベッテルをアロンソが一機に抜き去り、続いてマッサもベッテルを抜き去ります。

トップに立ったアロンソは、ファステストラップを連発しながら後続との差を広げ、そのままチェッカーを受けて開幕戦を勝利で飾りました。2位にはマッサが入り、フェラーリにとっては1-2フィニッシュという最高のスタートとなりました・・。
アロンソは、フェラーリに移籍後の初戦で見事に勝利をあげました。(アロンソがフェラーリに移籍すれば、活躍することは分かっていましたけどね・・。)
トップを走っていたベッテルがマシントラブルでペースダウンしたとは言え、ハードタイヤではレッドブルよりフェラーリの方が速かった事を考えると、ベッテルにトラブルがなくてもレース終盤にはアロンソとの激しいバトルが期待できたのかも知れませんね。

06

ちなみに、最近の過去4年間は、開幕戦を制したドライバーがその年のワールドチャンピオンになっているんですよね。かなり気が早いですが、過去4年に照らし合わせると今年はアロンソがチャンピオンという事になりますね・・。(アロンソ自身も2006年は開幕戦に勝利して、そのままその年のチャンピオンになっていますから・・。)
いずれにしても、アロンソが今シーズンのタイトル争いの主役の1人であることには間違いありません。[画像は、チェッカーを受けるフェルナンド・アロンソ]

小林可夢偉(ザウバー)は、残念ながら12周目に油圧系のトラブルでリタイアとなりましたが、可夢偉には何かやってくれそうな雰囲気があるので、今後の活躍に大いに期待したいですね・・。
ところで、レギュレーションの変更によって、今シーズンより予選のタイムアタックが燃料を軽くしての一発勝負が復活したというのに、予選のTV放送が30分しかなく、編集されまくっていた事に不満を感じたのは私だけなのでしょうか・・??

次回、F1サーカスの舞台はオーストラリアへと向かいます・・・。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

F1フェラーリ 2010年マシン

2010年02月13日 | F1
10

来週中に設計図書を完成させなければいけない建物があるので、深夜まで睡魔と闘いながら怒涛の如く図面を書いている今日この頃なのですが、今日はちょっと息抜きにF1フェラーリのニューマシンについてお話します・・・。

画像は、「F10」とネーミングされたフェラーリの2010年F1マシンです。
F10は、ハイノーズなフロントセクションが特徴的で、昨年のレッドブルRB5に見られたようなVノーズコンセプトを採用しています。フロントウィングの形状も複雑化して、ノーズ吊り下げ部には独特なザクリが入れられています。
また、2010年からはレース中の給油が禁止となり、燃料タンク容量は約1.8倍になるとされているため、F10のリアセクションは若干・・幅広なイメージとなっています。

合同テストでも好調で戦闘力の高さを見せているフェラーリF10・・。その速さの秘密は、エンジンの搭載方法に隠されていると複数のメディアは報じています。
フェラーリは、F10のV8エンジンを3.5度の角度をつけて設置しているというのです・・。マシン前部に向かって傾斜をつけるというアイデアは、1979年のアロウズA2で採用されていたようです。

10_2

31年ぶりにF1で採用されたとみられるこの方法によって、マシンの下を通過する気流を増加させて、複雑で大型化したダブルディフューザへより多くの空気を送り込んでいるというのです・・。
エンジンの前傾設置の欠点は、マシンのリアの重心が高くなるためハンドリングに影響する可能性があるとされていますが、ヘレスでの合同テストを終えたフェルナンド・アロンソは「F10は、どのようなコンディションでもドライブしやすい。」と語っています・・?

いずれにしても、あのアロンソをチームに迎え入れたフェラーリ。今シーズンのフェラーリのパフォーマンスに注目度大ですよね・・・。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2009 F1 第11戦 ヨーロッパGP

2009年08月25日 | F1
F1第11戦ヨーロッパGPの舞台は、スペイン、バレンシアの市街地コース・・・。実は・・この記事は、昨日書こうと思っていたのですが、昨日の夜は睡眠不足のためか体調が悪かったので、早いめに休む事にしました。(それでも休んだのは午前2時を過ぎていましたけどね・・。)、それで今日は、久しぶりにゆっくり睡眠時間をとったので、おかげさまでスッカリ元気になりました。

01

という事で、ヨーロッパGPの話です・・。予選でポールポジションを獲得したのはルイス・ハミルトン(マクラーレン)で、2位にはチームメイトのコバライネンとマクラーレンがフロントローを独占し、前戦と同様にKERSパワーを見せつけたシーンとなりました・・。
このまま決勝レースでもハミルトンの独走かと思っていましたが、それ以上にレースに集中していたのがブラウンGPのルーベンス・バリチェロでした。バリチェロは、燃料搭載量を少なくして先行逃げ切ろうとするハミルトンに何とかしぶとく付いて行き、2回目のハミルトンのピット作業で凡ミスがでると、その隙をついてトップに躍り出ます。
結局、そのままチェッカーを受けたバリチェロが2004年中国GP以来、5年ぶりの優勝となりました・・。

ブラウンGPとしては、4戦ぶりの勝利となったワケですが、ここ3戦はシーズン前半の勢いはなくマシンの状態が悪かったので、スペインGP頃のマシン状態に戻したところ、今回の復活劇になったというのも何とも皮肉な話です。(それなら・・マシンをアップデートせずに戦っていた方が、ここ3戦の成績も良かったのかも知れませんからね・・。)

ブラウンGPを追う筈のレッドブルは、最悪のレース結果となりました。ベッテルは、ピットミスのうえにマシントラブルで前戦に引き続きリタイア・・、ウェーバーも9位でポイント圏外と2台共にノーポイントに終わってしまいました。レッドブルチームも何か歯車が狂いだしてきたのかも・・。(ブラウンGPと同様に調子が良かった数戦前のバージョンにマシンを戻した方が良かったりして・・?)

最後に、負傷したマッサの代役として10年ぶりにレースに出場したフェラーリのバドエルについてですが、「・・・・?」としかコメントのしようがありません。この様子では、シューマッハ待望論が再燃しても不思議ではありませんよね。もしくは、マッサの超スーパー電撃復帰とかがあったりして・・??
(画像は、5年ぶりに優勝したルーベンス・バリチェロです。)

次回、2週連続のF1サーカスの舞台は、ベルギー、スパ・フランコルシャンへと向かいます・・・。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2009 F1 第10戦ハンガリーGP

2009年07月27日 | F1
F1第10戦ハンガリーGP決勝の舞台は、ブタペストのハンガロリンク・サーキット・・・。前日の予選では、アロンソ(ルノー)が2007年以来のポール・ポジションを獲得。マシン性能に劣るアロンソは、燃料塔裁量を少なくして、ポール・ポジションを獲得し3ストップ戦略で表彰台を狙いましたが、1回目のピット作業でミスが起こり、アウトラップでアロンソの右フロントタイヤは脱輪・・レース早々にしてリタイアに追い込まれてしまいました・・。

今年のルノーのマシンは、外観のスタイルを見ただけでも・・到底速いとは思えません・・。昨年同様にアロンソの腕だけが頼りなのですが、今回のタイヤ脱輪事故でルノーチームは次戦出場停止処分となりそうです。次戦(ヨーロッパGP)は、アロンソの母国スペイン・バレンシアでの開催なので、何とか出場できるようになってほしいものですね・・。(ルノーは、出場停止処分について上訴中。)

01

今回のグランプリは、ルイス・ハミルトン(マクラーレン)の復活劇となりました。予選4番手からのスタートとなったハミルトンは、KERS(運動エネルギー回生システム)を使ってスタートダッシュし、レース序盤でトップに躍り出ると、そのまま最後までパーフェクトな走りを披露して今季初優勝、KERS搭載車としても初の勝利となりました・・。2位には、同じくKERS搭載車のライコネン(フェラーリ)がチェッカーを受けています。

他のチームが、マシンの重量バランスなどの問題でKERS搭載を見送ったり中止する中で、マクラーレンだけは開幕戦から終始KERSを搭載して戦ってきたワケですが、なかなか成績にはつながりませんでした。今回、圧倒的な速さで勝利した事は、マクラーレンがKERS搭載車として戦える(勝つ事ができる)ノウハウを獲得したという事ですから、ライバルチームにとってはかなりの脅威になるのは間違いないでしょうね・・。

今回のハンガリーGPを堺にして、KERS搭載車がレースの主導権を握りそうな予感がします・・。それにしても、ハミルトンとマクラーレンチームにとっては、遅すぎる今シーズンの開幕が訪れた・・というところでしょうか・・。(画像は今季初勝利となったハミルトンです。)

次回、3週間の夏休みをはさんでF1サーカスの舞台は、スペインの港町バレンシア市街地コースへと向かいます・・・。



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする