滋賀県 建築家 / 建築設計事務所イデアルの小さな独り言

建築家・清水精二のブログ、何でもあり独り言集・・・。

七福神はグローバル

2010年12月31日 | 独り言
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今年も残りわずかとなりました・・・。大晦日だというのになぜか外は積雪です。というか・・大晦日だから雪も降るんですよね。
私の家の周りは10センチ以上は積もっているでしょうか・・。画像は雪に覆われた庭のナンテンです。今日は外出するのを諦めた(車を出すのが大変ですから・・)おかげで、出来てなかった部屋の大掃除をすることが出来ました。

という事で・・あと数時間でお正月ですから今日は七福神のお話をします。正月に枕の下に「七福神の乗った宝船の絵」を入れておくと、良い初夢が見られると言われています。七福神は縁起物として歴史が古く、広く庶民に愛されていますが、その起源や変遷には諸説があるのをご存知でしたか・・?

七福神は最初から七神だったワケではないのです。通説では恵比須と大黒天のペアから始まり、その時々の流行で数合わせやメンバーチェンジが頻繁に起こったと言われています・・。元メンバーやメンバー候補には、吉祥天、猩猩(しょうじょう)、福助、お多福、達磨大師などなど・・時代によって顔ぶれが異なります。

江戸時代に徳川家康が七福神信仰を奨励したことで、七福神を祀る神社仏閣が盛んに建てられるようになります。庶民のレクリエーションも盛んになり、七福神にちなんだ寺院を巡る「七福神めぐり」が全国的に大ブレークしたんだそうです・・。現在でもお正月の風習の1つとして、授かった朱印は1年の家内の守護として丁重に奉られています。

七福神は、ヒンドゥー教、仏教、道教、日本の神様がミックスした信仰です。(七福神はグローバルな神様だったのです。)、さまざまな文化の良いところを取り入れてまとめる事は、昔から日本人の得意技だったという事でしょうか・・。
ちなみに、それぞれの神様の出身国は恵比須が日本。大黒天、弁才天、毘沙門天がインド。布袋和尚、福禄寿、寿老人が中国です。意外に日本の神様は恵比須さまだけだったんですね・・。

それにしても・・この積雪ではなかなか初詣に行けそうにないです。
それでは今年最後の記事だと思いますので、みなさん「良いお年を・・」というか・・まずは「良い初夢を・・」ですかね・・・。



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和洋の建築・・・。

2010年12月12日 | 建築
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このところズルズルと長い記事が続いているので、今日は手短な記事にします・・・。
左の画像は、もうすぐ竣工する「湖西の家」の中庭から空を見上げた様子です。工事が遅れていたのですが、先日・・無事に完了検査も合格し、あとは手直し工事をして今週中には引渡す予定になっています。

この時期の湖西地方は、天候が変わりやすく・・突風が吹いたり、時雨れたりと工事関係者の方々には大変ご苦労をおかけしたようです。私もホカロンを貼って現場に通うのもあと少しで終わりになりそうです・・。

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話が変わりまして、上の画像は完成した早尾神社-拝殿の屋根です・・。今月末には竣工祭が行われる予定になっています。銅板葺きの屋根が美しいでしょ・・。この日本建築の曲線美をこれからの建築設計にどのように取り入れていくか・・なのですよね・・。
新しい和?、新しい洋?・・今のところ上手く言えないのですが、このあたりに何か新しい課題(ヒント)があるような気がします。

それにしても、こういう仕事(日本建築)ができる職人さんたちがいなくならないでほしいですよね・・・。



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カポディモンテ美術館展

2010年12月04日 | アート・文化
1ヵ月ほど前の記事で、京都文化博物館で開催されているカポディモンテ美術館展に行くつもりだったのが、結局行けなかったお話をしました・・・。それから行く機会がなくて、このまま行かず仕舞いになるのかな・・と思っていたのですが、先日京都市内に打合せに行く機会があって、これが最後のチャンスだと思い強引に時間をとって(2時間ほど行方不明になって・・)行って来る事ができました・・。

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カポディモンテ美術館は、ナポリを見下ろす丘の上に建つイタリア有数の美術館のひとつで、1738年にブルボン家のカルロ7世(後のスペイン王カルロス3世)によって建造が開始された宮殿が、そのまま美術館となっています。そもそもこの宮殿は、美術品を収納・展示することを目的のひとつとして建てられたものでした。というのもカルロは母エリザベッタ・ファルネーゼからファルネーゼ家の膨大な美術品コレクションを受け継いでいたからです・・。

今回展示されている作品は主に、ファルネーゼ家が蒐集したルネサンスおよびバロック美術の作品と、ブルボン家が蒐集したナポリ・バロック美術の作品です。
ルネサンスとバロック美術の作品ですから、作品に強い芸術性(神秘性)はありませんが、作品を通じてその時代背景(16~17世紀)をいろいろ想像しながら古の美の世界を楽しんで来ました・・。

興味ある作品はたくさんあったのですが、その中でも特にお気に入りの作品を2つ紹介します。
まずは、今回の展覧会のチラシやチケットの表紙になっている「貴婦人の肖像(アンテア)」(パルミジャニーノ作)です。[上の画像]
この絵のモデルは古来、ローマの高級娼婦でパルミジャニーノの愛人と言われた女性アンテアとされてきました・・。ただし、その根拠はなく、これまでに多くの研究者が彼女の正体を解明しようとしましたが、謎は明かされていないそうです。
衣服は北イタリアの貴族のものに近く、ふんだんな装飾を身につけているのは、彼女が新婦だからかも知れません。ともあれ、闇を背に強い照明を当てられた彼女は、その美しく、しかし注意深い顔立ちときらびやかな衣装によって、パルミジャニーノの代表作としてのみならず、16世紀の女性表現を代表する作例として知られています。

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もう1つは、「聖アガタ」(フランチェスコ・グアリーノ作)です。[左の画像]
聖アガタはローマ時代のキリスト教の聖女で、シチリアを治めていた権力者からの求婚を断った彼女は、キリスト教徒であることを理由に捕縛され、拷問によって乳房を切り取られます。そのためこの絵では衣服の胸のあたりに血が染み付いていて、彼女は右手で胸を押さえています。表情や衣服の自然主義的な描写や、闇を背に強い光を当てられた彼女の表現には、カラヴァッジョ派の影響が顕著に出ています。16世紀ナポリ派を代表する作品のひとつです。

とまぁ・・至極の名品を目の当たりにして感動していたワケですが、余韻が覚めないうちに次の打合せに行かなくてはいけなかった私は一機に現実モードに戻されて、何やら感動したのか・・損をしたのか・・分からない状態になってしまいました。(打合せと打合せの合い間に強引に行った事に無理があったのでしょうけど・・。)

みなさんも、謎の美女に会いに京都文化博物館へ・・と言いたいところですが、残念ながら開催期間が明日(12月5日)で終わりなんですよね・・・。


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