滋賀県 建築家 / 建築設計事務所イデアルの小さな独り言

建築家・清水精二のブログ、何でもあり独り言集・・・。

F1フェラーリ 2023年マシン

2023年02月26日 | F1

もうすぐそこまで春がやって来ているという感じですね・・・。でも、それは同時に花粉もやって来るという事です。今年の花粉飛散傾向は、近畿地方で例年比140%、前年比260%と予測されていますから、花粉症の私としては、もう春は来なくていい・・と思ってしまいます。以前にも言いましたが、花粉症の症状が出る前に薬を飲み始めるのが効果的なので、2週間ぐらい前から花粉症の薬を飲んで花粉に備えています。

という事で、今回は2月14日に発表されたスクーデリア・フェラーリの2023年F1マシン「SF-23」のお話です。他のいくつかのチームの2023年F1マシンの発表は、ショーカーやレンダリングに今季のカラーリングを施した「偽物」だったのに対し、スクーデリア・フェラーリは、集まった多くのファンの前で本物の「SF-23」を公開するだけでなく、発表直後にフィオラノのトラックで公開シェイクダウンを実施するというパフォーマンスを見せました。発表直後のシェイクダウンは、マシントラブルなどのリスクが伴うにもかかわらず、公開シェイクダウンを実施したのは、今季マシンSF-23の信頼性に余程の自信があったという事なのでしょうか。いずれにしても、近年の新車発表会に「偽物」が使われる傾向があるのに対して、F1名門チームが一石を投じた新車発表となりました。

画像は、スクーデリア・フェラーリの2023年F1マシン「SF-23」です。昨シーズンのスクーデリア・フェラーリは、チャンピオンシップを制したレッドブルよりも4回多い12回のポールポジションを獲得するほどの速いマシンを手に入れていました。したがって、SF-23が昨シーズンの哲学を引き継いでいることは自然な成り行きです。昨シーズンは、速いマシンを手に入れたにもかかわらず、パワーユニットの信頼性への問題やレース戦略のミスなどにより、タイトル争いにおいてチームは自滅した形となってしまいました。チームは、昨シーズン中からパワーユニットの信頼性回復に取り組み、その作業は冬の間に完了し、パワーユニットは昨シーズン序盤のようなアグレッシブな走りが安定的にできる事を可能にしていると考えられます。

空力面では、新しい空力レギュレーションに対応するために垂直方向のダウンフォースを増加させ、望ましいバランス特性を実現させています。また、サスペンションの設計も変更され、空力をサポートするとともに、サーキットでのクルマの調整幅を広げています。最も明白な変化は、フロントサスペンションの領域でロートラックロッドに移行している事です。フロントウイングもノーズの構造も異なっており、ボディワークも昨シーズンのものをより極端なバーションに仕上げています。サイドポッドの前面下端がスカラップされ、昨年のフェラーリをよりスリムにしたような印象になっています。これは、他に発表された多くのマシンがそうであったように、ラジエター部分がそこからショルダーのあたりに移動していることを示唆しています。

その他にも多くの進化が見られる中で、SF-23において特に注目を集めているのが、フロントウイングに搭載された5つのスロットギャップセパレーターと「Sダクト」と呼ばれる空力システムです。Sダクトは、モノコックの両端に取り付けられたインレットから空気を取り込み、モノコックの中にあるS字型のトンネルを通過して、サイドポンツーン上面のアウトレットから排出するもので、その狙いは、サイドポンツーン上面の空気の流れを加速させ、フェラーリが採用しているバスタブ型コンセプトのパフォーマンスを上げることにあります。また、フロントウイングにあるスロットギャップセパレーターは渦を作るような角度になっており、インレットに向かう気流を加速させるようになっています。

このスロットギャップセパレーターは、昨シーズンのアメリカGPでメルセデスF1が導入しようとしていたもので、合法性に疑問が生じたため、土壇場で自主的に採用を取りやめたデザインです。スロットギャップセパレーターは「機械的、構造的または計測的な理由でのみ」装着することができると定められていましたが、FIAは「機械的、構造的または計測的な理由でのみ」を定義することが不可能と判断し、2023年からその文章を削除したため合法性が高いと考えられます。そのため、他のライバルチームがスロットギャップセパレーターをコピーする事が可能になったと言えますが、コピーする事は難しく事実上、不可能だと思われます。

その理由は、スロットギャップセパレーターによりインレットに向かう気流を発生させ、Sダクトによってサイドポンツーン上面の空気の流れを加速させるという一連の空力システムとなっているため、この空力システムをコピーするにはマシン全体の空力システムを見直す必要があるからです。特にSダクトはモノコックが特殊な形状となっているため、他のチームがこのアイテムを採用するためにはモノコックを作り直さなれけばなりません。現在はコストキャップ(予算制限)があるため、シーズン中にこれらを変更することは不可能と言えるでしょう。

昨日までの3日間、バーレーンにおいてプレシーズンテストが行われました。プレシーズンテストを見る限りレットブル・レーシングが速さ・安定性において一歩リードしているようです。しかし、各チームは、本来のマシンポテンシャルを温存している場合もあるので、本当のところはシーズンが開幕してみないと分かりません。前述しましたフェラーリのユニークな空力システムが、他のライバルチームへのアドバンテージとなり、キミ・ライコネン以来となるドライバーズチャンピオンを獲得する事ができるでしょうか・・・。2023年F1サーカスの開幕戦バーレーンGPは3月5日に決勝が行われます。

 

 

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パブリックドメインで名画も利用可能

2023年02月05日 | 独り言

久しぶりに記事を書くような気がするというか・・よく考えてみると今回が今年になって初めての記事になるんですね。今年も「滋賀県 建築家/建築設計事務所イデアルの小さな独り言」をよろしくお願いします。今回は「パブリックドメイン」についてのお話です。いつも税務をお願いしている会計事務所のコラムに「パブリックドメイン」の豆知識が掲載されていましたので紹介する事にします。

絵画や文学作品などは、一定の期間が経過すると人類共有の財産「パブリックドメイン」となります。例えば、日本の名画などを商品開発に活かす事も可能となるワケです。著作権者の保護期間は、原則として著作者の生存している期間+死後70年間となっており、保護期間が終了するなどして、社会の公有となった作品はパブリックドメインと呼ばれています。

パブリックドメインとなった作品は、クレジット表記不要で商用利用することができます。利用にあたっては、次の点に注意する必要があります。①作者の名誉をおとしめるような用途で使用することはできません。②一部の国については、保護期間の戦時加算が行われており、戦前・戦中の作品については、保護期間に加えて戦時加算分が保護される事となります。③著作権の原則的保護期間が日本よりも短い国の著作物については、相手国での保護期間だけ保護をすれば良いことになっています。

例えると、日本の名画では、葛飾北斎や歌川広重などの浮世絵がパブリックドメインとして活用できます。ポストカードやシールなどのようにそのまま印刷物にするだけでなく、マグカップやスマホケース、エコバッグなどのグッズにして、日本人にとって親しみがあり、外国人からも評価の高い日本の名画を製品の価値に結び付けている例もあるようです。ルーブル美術館やメトロポリタン美術館などのホームページでは、世界の名画のパブリックドメインを公開していて、無料でダウンロードすることができるようになっています。

 

川瀬巴水『牛堀』 出典:国立国会図書館「NDLイメージバンク」

日本で出版されるすべての本が収められる国立国会図書館には、収蔵する約4560万点の浮世絵や図書、雑誌などから選りすぐりの画像を集めたオンラインコレクション「NDLイメージバンク」があります。掲載されている画像は、すべて著作権保護期間を満了しているので、無料で閲覧できるだけでなく、出典を記載すれば自由に転載することも可能です。上の画像は、スティーブ・ジョブズも愛し、「昭和の広重」とも称される川瀬巴水の風景版画で、NDLイメージバンクには165枚もの川瀬巴水の風景版画が高画質で公開されています。

このように「パブリックドメイン」は、ブログの記事にも気軽に使えるのでいいですよね。という事で、今回は「パブリックドメイン」の豆知識を紹介しました・・・。

 

 

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