滋賀県 建築家 / 建築設計事務所イデアルの小さな独り言

建築家・清水精二のブログ、何でもあり独り言集・・・。

S-HILLプロジェクト

2012年05月05日 | 建築
今年もゴールデンウィーク(大型連休)がやって来てしまいました・・・。例年のごとく私はどこにも行かずに仕事をしています・・とまぁ毎年言っていますよね。
それでも例年なら、ゴールデンウィークだから程々に仕事をしておこう・・という感じで、そんなに全開で仕事をしているワケではないのですが、今年はけっこう詰めて仕事をしています。(それだけ危機せまるモノがあるという事でしょうか・・と言うかそうなのですけどね・・。)

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画像は、現在工事中の「S-HILLプロジェクト」の様子です。とは言っても外観を防護シートで覆われているので工事中だとしか分かりませんよね。
S-HILLプロジェクトは、既存の有料老人ホームの増築、改修工事です。もともと既存の鉄骨4階建ての建物を改修し、有料老人ホームに用途変更して運用されていましたが、諸事情によりエレペーターがありませんでした。

今回の増築、改修工事にあたっては、まずエレベーター棟を増築すること、共用のリビングや食堂、共用廊下などを広げて明るく風通しの良い内部空間にすることがお施主さんからの要望でした。
つまり、エレベーター棟の増築だけではなく、共用リビング、食堂を広げるための増築と共用廊下を広げて光を取り入れるための内部間仕切の全面改修という大がかりな増築、改修工事となりました。

既存建物の増築、改修工事なので、昨年の夏から建物の現況調査とスタッフの方々や入所者さんからの聞き取り調査を行っていました。
何度も調査に通ううちにスタッフの方々や入所者さんと顔見知りになり、こうすればスタッフの方々も便利だろうな・・とか、こうすれば入所者さんも喜ばれるだろうな・・という私の想いがどんどん膨らんでいき、これもあれもと設計に採り入れていった結果として工事予算を大幅にオーバーしてしまいました。

工事見積金額が予算を大幅にオーバーした事をお施主さんに報告するときに、私の想いだけは伝えておこうと思い、「スタッフの方々や入所者さんの顔を思い浮かべながら、こうしてあげたい・・ああしてあげたい・・と設計した結果がこの見積金額になってしまいました・・。ついては、お施主さんの意見を聞きながら減額案を考えたいと思います。」と伝えたところ、理事会にて検討させて頂きますという事でした。

後日の打合せで、お施主さんが私の言った「スタッフの方々や入所者さんの顔を思い浮かべながら、こうしてあげたい・・ああしてあげたい・・」という言葉がずっと心に残っていて、その言葉がとても嬉しかったので、追加予算を組むのは大変きびしいのですが、減額できるところは減額して頂くとして、基本的には原設計どうり建てられるように追加予算を考えますと言ってくださいました。

お施主さんのこの言葉に、事業性の高い建物なので本当に追加予算を出してもらっていいのだろうか・・と戸惑いつつも、入所者さんやスタッフの方々に対するお施主さんの想いとそれなりの覚悟が私にも感じとれたので、お施主さんの信用と期待を裏切らないように全力で頑張ろうと思ったのと同時に、その日から大きなプレッシャーとの闘いにもなりました。

そういう事もあって、連休だからと言ってゆっくり休んでいるワケにはいかないのです・・。事業性がありますから工期も限られていますので、近隣の方にお願いして連休中も工事をさせて頂いています。。(私も現場に通っていす。)
増築、改修工事ですから、工期的にも技術的にも困難が多いのですが、入所者さんやスタッフの方々・・そしてお施主さんが喜ばれる姿だけを思い浮かべながら頑張ることにします。
(来年のゴールデンウィークは、ゆっくり休めるといいんですけどね・・。たぶん無理でしょうね・・・!?)




コメント
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