滋賀県 建築家 / 建築設計事務所イデアルの小さな独り言

建築家・清水精二のブログ、何でもあり独り言集・・・。

福井県年縞博物館に行って来ました。

2021年11月28日 | 独り言

暖かい11月でしたが、ようやく冬らしくなってきました・・・。明日は、トヨタのディーラーに行ってスタッドレスタイヤに履き替えてこようと思っています。夏用と冬用のタイヤを交換するのが面倒なのと保管場所に困るので、タイヤの脱着と保管の費用を年単位で払ってディーラーにタイヤを預かってもらっています。もうスタッドレスタイヤも4年目なので、ディーラーの担当者に「溝は減ってへんけどタイヤ自体が劣化してるかも知れんし、新品に買い替えたほうがええんとちゃうかなぁ?」と問合せたんですけど・・「そんなに乗ったらへんのでいいんちゃいますか。」って言われてしまい、商売気のない営業マンやなぁ・・と思ってしまいました。(まぁ、親切で言ってくれてるんでしょうけどね・・)

 

前置きが長くなりましたが、先日、福井県年縞博物館に行って来ました。福井県年縞博物館には、三方五湖のひとつ水月湖の湖底から採取された年縞の実物標本(長さ45メートル)が展示されています。年縞とは、長い年月の間に湖沼などに堆積した層が描く特徴的な縞模様の湖底堆積物のことで1年に1層形成されます。言ってみれば土の年輪のようなもので、水月湖には7万年分の年縞が乱されることなく形成されているというのですから、まさに奇跡の湖です。これほど長い間連続している年縞は世界でも他に例がないことから、水月湖の年縞は考古学や地質学における「世界標準のものさし」になっていて、年代測定の精度を従来より飛躍的に高めることになったそうです。

福井県年縞博物館を訪れたのは、長さ45メートルにおよぶ年縞の実物標本を見てみたかったこともありますが、もう一つは建築探訪です。年縞博物館は建築家の内藤廣氏によるもので、長さ45メートルの年縞の実物標本を実際に堆積しているように縦に展示するわけにはいかないことから、横に長い建物になっています。博物館は、水月湖に隣接した三方湖の湖畔に建っているので、冠水への対応を考慮し、1階は鉄筋コンクリート造のピロティでスパンの大きい土木的スケールの構造となっていて、2階の展示室は木造の屋根で覆われた建築的なスケールの空間となっています。

地場産の若狭スギによる木造屋根と展示室に偏心して配置された鉄筋コンクリート造の耐震壁(この耐震壁は年縞の実物標本を展示する壁にもなっています)とは、鉄骨トラスで繋がっていて、この鉄骨トラスによって屋根の鉛直荷重や水平力を鉄筋コンクリート造の耐震壁に伝えるハイブリッド構造になっています。また、鉄骨トラスは変則的に木造屋根を支えていて、それが細長い展示室に連続していることから、展示空間に緊張感を与えていました。

それにしても、この博物館は水月湖の湖畔ではなく、なぜ三方湖の湖畔に建っているんでしょうね。やはり、奇跡の湖である水月湖の湖畔に建てると奇跡の自然環境に悪影響を与えるからでしょうか・・・。

 

 

 

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