滋賀県 建築家 / 建築設計事務所イデアルの小さな独り言

建築家・清水精二のブログ、何でもあり独り言集・・・。

「太陽の塔」の内部に行って来た。

2018年11月18日 | アート・文化

先日、「太陽の塔」の内部に行って来ました・・・。太陽の塔は、1年以上の改修・増築工事を終えて今年の3月から48年ぶりに一般公開されています。太陽の塔は、芸術家・岡本太郎がデザインし、大阪万博でもひと際注目を浴びたモニュメントでした。万博開催後、ほぼ全てのパビリオンが撤去されるなか、75年に太陽の塔の永久保存が決まったものの、通常は人が立ち入らない「工作物」として残されていました。太陽の塔を一般公開するため、大阪府は法規上の整理を行い、約13億8800万円の費用を投じて、耐震補強を施すとともに地下に展示空間を増築し、常設の展示施設へと再生させました。

 

太陽の塔の内部空間には、岡本太郎が構想した高さ41メートルにおよぶ「生命の樹」がそびえ立っています。地下から上へ上へと伸びる生命の樹には、原生類時代、三葉虫時代、魚類時代、両生類時代、はちゅう類時代、哺乳類時代に生きてきた約180体の生きものが取り付けられています。生物群は、太陽虫やクラゲから、アンモナイト、恐竜、マンモス、ネアンデルタール人などなど・・。上にのぼるにつれて時代が進んでいく設定で、命の歴史を感じることができるようになっています。模型のリアルさや大きさも含め、大迫力の生命の樹を目の当たりして、高揚感を感じずにはいられませんでした。(岡本太郎・・恐るべしです)

 

生命の樹に誘われて最上階までのぼると、そこからは太陽の塔の両腕内部を見ることができます。内部に入る前に外から太陽の塔を眺めていて、たぶん・・鉄筋コンクリート造なのかなぁ・・と思っていたのですが、腕の部分は鉄骨造でした。しかも新たな照明効果で神秘的な存在感を放つ露出の鉄骨フレームの美しさに驚かされました。(専門的には、こんなに多くの部材ジョイントが要るのかな?・・これも意図的なデザインかなと思ってしまいましたが・・)、ちなみに、太陽の塔は、腕から下が鉄筋コンクリート造で、腕から上が鉄骨造になっていることが塔内にあったカタログで判明しました。

 

ところで、太陽の塔が何を表しているのか・・作者が何も語っていないため、よく分かっていないそうです。ただ、特徴的な3つの顔についてはハッキリしているそうで、お腹に付いている「太陽の顔」は現在を、頂部の「黄金の顔」は未来を、背面の「黒い太陽」は過去を表しているそうです。これは、大阪万博テーマ館が「過去」→「未来」→「現在」を巡る構成であったことに加えて、作者である岡本太郎が「人間の身体、生命のうちには、いつでも人類の過去、現在、未来が一体になって輪廻している」と考えていたからだそうです。それで・・分かっているのはこれだけで、あとの解釈は自由なんだそうです・・。

という事で、みなさんも是非一度、太陽の塔の内部空間を体感してみてください。なかなかの感動モノですよ・・・。(ちなみに、一般公開は期間限定ではありませんが、内観するには予約が必要で、ネットの予約サイトから予約できます)

 

 

 

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