明けましておめでとうございます。今年も「滋賀 建築設計事務所イデアルの小さな独り言」をよろしくお願いします。
今年は、設計事務所を開設して早いもので20年になります。開設当時は、仕事あるのかなぁ・・本当にやっていけるのかなぁ・・と不安がありましたが、たくさんの人たちと出会い、たくさんの人たちに助けて頂いて、なんとかここまでやって来られました。本当に有り難いことだと思っています。
仕事が忙しくて殺伐とした日々を過ごしている中でも、「感謝の気持ち」だけは忘れずにいたいと思っています。これからも、よろしくお願い致します。
という事で、20周年記念というワケでもありませんが、今年は今回を含めて数回の記事にわたり、20年間をふり返りながら建築について色々お話していこうと思います。
ブログでも何度かお話しましたが、事務所を開設したときは、建築構造事務所で構造設計を専門に業務を行っていました。
その後、構造設計の傍ら意匠設計も手掛けるようになり、2002年に意匠や構造という専門分野の枠にとらわれない自由な設計活動を行うべく、建築構造事務所イデアルを建築設計事務所イデアルに改名し、現在は構造の知識や経験を生かしつつ意匠設計を専門に業務を行っています。
20年間をふり返るにあたって今回と次回は、まず原点である建築の構造設計についてお話しようと思います。専門的な事ではなく、一般の方にもわかる簡単な概念のお話をしますので安心してください。
構造設計の中心というか設計の元になるのは、何と言っても構造計算です。構造計算書を偽装した姉歯事件があったので、一般の方でもご存知だと思います。
構造計算によって、建物が安全であるように柱や梁の大きさを決めていくワケですが、この構造計算というものは、地震や台風などの力(強さ)をある一定の仮定によって算出しています。
例えば、地震の力について言うと、地震といっても縦揺れ、横揺れ、ゆっくり揺れる、激しく揺れるなどいろいろな揺れ方があり、建物に加わる力も揺れ方によっていろいろです。
ところが・・現在、一般に行われている構造計算では、地震の力は一定の仮定によって算出された一種類の力だけによって計算されています。そこで、実際にはどんな揺れ方の地震が起こるか分からないので、一定の仮定の条件や構造計算の中で、安全率(余裕率)というものをとり入れて不測の危険性をカバーしているのです。
ですから、よく聞かれる「この建物は震度5とか震度6で倒れますか?」という質問に対する正確な答えは次ようになります。
つまり、その建物の建っている地盤やそのとき起こる地震の規模や揺れ方が構造計算に使われている(建築基準法で定められている)一定の仮定に近ければ安全性が高く、逆に一定の仮定条件からかけ離れたもの(想定外)であれば安全性は低くなります。
こんな言い方をすると少し乱暴かも知れませんが、建築基準法で定められた構造計算によってOKだったから、その建物は地震に安全で、構造計算でNGになったから、その建物は地震に危険だという事は一概には言えないということなのです。
考えてみれば当たり前のことなのですが、地震が起こればどんな揺れ方をするのか分かりません・・では、建物が建てられませんから、建築基準法で一定の仮定を設けて安全性を測る「ものさし」にしているワケですね。
建物を建てるという事は、重力に逆らって建てるという事ですから、大切なのは柱・梁・壁・床などを横方向(幅・奥行)、縦方向(高さ)のいずれにもバランス良く配置するということです。
人間でも、スポーツをするのに頭・胴・手・足をバランス良く使わないと上手くできないでしょ・・建物もまったく同じということですね。
それにしても、20周年という事は・・それだけ私も歳をとっているという事ですよね。(うれしいような・・悲しいような・・?)
画像は、ワイズインターナショナル本社の事務室の天井照明と工事中の外部階段の様子です。次回からも公開していない写真などを紹介してこうと思っています・・・。
今年は、設計事務所を開設して早いもので20年になります。開設当時は、仕事あるのかなぁ・・本当にやっていけるのかなぁ・・と不安がありましたが、たくさんの人たちと出会い、たくさんの人たちに助けて頂いて、なんとかここまでやって来られました。本当に有り難いことだと思っています。
仕事が忙しくて殺伐とした日々を過ごしている中でも、「感謝の気持ち」だけは忘れずにいたいと思っています。これからも、よろしくお願い致します。
という事で、20周年記念というワケでもありませんが、今年は今回を含めて数回の記事にわたり、20年間をふり返りながら建築について色々お話していこうと思います。
ブログでも何度かお話しましたが、事務所を開設したときは、建築構造事務所で構造設計を専門に業務を行っていました。
その後、構造設計の傍ら意匠設計も手掛けるようになり、2002年に意匠や構造という専門分野の枠にとらわれない自由な設計活動を行うべく、建築構造事務所イデアルを建築設計事務所イデアルに改名し、現在は構造の知識や経験を生かしつつ意匠設計を専門に業務を行っています。
20年間をふり返るにあたって今回と次回は、まず原点である建築の構造設計についてお話しようと思います。専門的な事ではなく、一般の方にもわかる簡単な概念のお話をしますので安心してください。
構造設計の中心というか設計の元になるのは、何と言っても構造計算です。構造計算書を偽装した姉歯事件があったので、一般の方でもご存知だと思います。
構造計算によって、建物が安全であるように柱や梁の大きさを決めていくワケですが、この構造計算というものは、地震や台風などの力(強さ)をある一定の仮定によって算出しています。
例えば、地震の力について言うと、地震といっても縦揺れ、横揺れ、ゆっくり揺れる、激しく揺れるなどいろいろな揺れ方があり、建物に加わる力も揺れ方によっていろいろです。
ところが・・現在、一般に行われている構造計算では、地震の力は一定の仮定によって算出された一種類の力だけによって計算されています。そこで、実際にはどんな揺れ方の地震が起こるか分からないので、一定の仮定の条件や構造計算の中で、安全率(余裕率)というものをとり入れて不測の危険性をカバーしているのです。
ですから、よく聞かれる「この建物は震度5とか震度6で倒れますか?」という質問に対する正確な答えは次ようになります。
つまり、その建物の建っている地盤やそのとき起こる地震の規模や揺れ方が構造計算に使われている(建築基準法で定められている)一定の仮定に近ければ安全性が高く、逆に一定の仮定条件からかけ離れたもの(想定外)であれば安全性は低くなります。
こんな言い方をすると少し乱暴かも知れませんが、建築基準法で定められた構造計算によってOKだったから、その建物は地震に安全で、構造計算でNGになったから、その建物は地震に危険だという事は一概には言えないということなのです。
考えてみれば当たり前のことなのですが、地震が起こればどんな揺れ方をするのか分かりません・・では、建物が建てられませんから、建築基準法で一定の仮定を設けて安全性を測る「ものさし」にしているワケですね。
建物を建てるという事は、重力に逆らって建てるという事ですから、大切なのは柱・梁・壁・床などを横方向(幅・奥行)、縦方向(高さ)のいずれにもバランス良く配置するということです。
人間でも、スポーツをするのに頭・胴・手・足をバランス良く使わないと上手くできないでしょ・・建物もまったく同じということですね。
それにしても、20周年という事は・・それだけ私も歳をとっているという事ですよね。(うれしいような・・悲しいような・・?)
画像は、ワイズインターナショナル本社の事務室の天井照明と工事中の外部階段の様子です。次回からも公開していない写真などを紹介してこうと思っています・・・。