窓を開けていると庭の金木犀(キンモクセイ)から甘い香りがする季節になりました・・・。オレンジ色の花を咲かせ、強い香りがする金木犀はよく知られていますが、白い花を咲かせる銀木犀(ギンモクセイ)もあることをご存知でしょうか。私は銀木犀を何度か見たことがありますが、やはり金木犀の方が圧倒的に多く目にしますよね。ちなみに、銀木犀の花は強い香りはしないようです。
という事で、今回は来春に竣工予定している滋賀県大津市の小規模オフィスについて、そのファサードデザインのお話をしたいと思います。(前回の記事で、建築家が建築の話をしても面白くない・・と言っておきながら、建築のお話です)
画像は、小規模オフィスの外観パース(完成予想図)です。ファサードのデザインで目を引くのは、不規則な幾何学パターンのアルミフレームとアルミ格子からなるアルミ装飾フレームです。この建物は木造なので、防水性や耐久性を考慮して、アルミ装飾フレームを外壁で直接支持することを避け、外壁から飛び出た出窓の装飾フレームによって支持しています。このアルミ装飾フレームを支持する出窓装飾フレームも不規則な幾何学パターンとしていますので、それぞれの幾何学パターンが交わり重なり合うファサードデザインとなっています。
また、幾何学パターンを縁取る庇と袖壁の見付を厚くすることで、強度や納まりに必要なアルミ装飾フレームや出窓装飾フレームの各サイズが、建物のヴォリュームに対して無骨にならないよう視覚的な操作をしています。このように庇と袖壁による縁取りを大きくし、交わり合う二重の幾何学パターンを繊細かつ奥行きがあるように見せることで、小規模なオフィスでありながら、迫力あるファサードデザインとすることを可能にしています。
この小規模オフィスは、今月から工事が始まり来春竣工する予定なので、完成しましたら本ブログでも紹介しようと思っています・・・。