今年度から橿原考古学研究所付属博物館でミユウジアムトークをしています。同博物館には、メスリ山古墳の出土品と共に、桜井茶臼山古墳出土の「玉杖」と「二重口縁壷」が展示されており、3世紀後半~4世紀前半の大王墳として興味のある古墳です。
昨日、30日に発掘調査の現地説明会へ行くと300mほどの行列が出来ていました。
茶臼山古墳は、竪穴式石室の上を埋め立てて方墳を築き、四方に「丸太垣」をめぐらせていたそうで、メスリ山古墳の特大の円筒埴輪群(同博物館展示)等と比較すると古墳の系統とか古墳の進化など、いろいろなことが解ってきますね。
写真 竪穴式石室の蓋石
竪穴式石室の内部は全面に水銀朱を塗布した石材が使われ、天井石も全面に水銀朱を塗布した12個の石材が使われています(水銀朱は約200kg使用されているそうです)。その上にベンガラを混ぜた粘土(手前)を棒で付き固めて石室は閉じられています。
写真 東柱列と土器
正面の垂直に掘り下げた上方部に見えるのが「壷形土器」です。
この土器は、同博物館に展示されている「二重口縁壷」と形が良く似ています。 この二重口縁壷は、底に10cm位の穴が開いており、物を入れる壷としては役に立たず、この壷を上下に引き伸ばすと円筒埴輪になるのでは?、円筒埴輪のルーツではないかと思います。(皆さんイメージしてください)