マーケティング研究 他社事例 625 「劣後ローンの多用に警鐘!?」 ~弱くなった金融機関の企業再建力~
「返済に困って焦げ付く融資案件が積み上がってもおかしくない」
企業から殺到した融資要請と、その資金状況の厳しさに不安を感じている金融機関は沢山あると思います。
東京商工リサーチによると、6月上旬時点で、上場企業171社による金融機関などからの資金調達額は9兆6758億円に達したとされています。
メガバンク、地方銀行では、上場、非上場を含めて返済猶予、低利融資の申し込みがひっきりなしな状況のようです。
6月12日に成立した2020年度第2次補正予算では、企業の資金繰り支援に11兆6390億円を充てることが決まりました。
政府は日本政策投資銀行などを通じた「劣後ローン」による財政基盤の支援強化に踏み切りました。
劣後ローンは利息が高いものの返済順位が低く、格付け機関によっては資本と見なす事が出来ます。
資本不足を解消できるため、民間でもメガバンク、地方銀行が相次いで劣後ローンによる資金支援を表明しています。
「弱体化した企業をすべて延命させるわけにはいかない」
これは、劣後ローンの多用に警鐘を鳴らす言葉です。
これまでは、負債資本倍率(DEレシオ)が高く単純に有利子負債を増やせない会社や、既存株主の反発を考慮して株式希薄化を避けたい企業などが、財務改善の「奥の手」として使ってきた側面があります。
年間の利息は通常ローンの数倍と高い一方で、元本返済には猶予がある場合が多いんです。
近年では「ハイブリッドローン」と呼んで先進的な財務スキームとして扱う流れすらありました。
背景には過剰流動性による低金利下で、金融機関は利息が高い劣後ローンくらいしか稼げるものがないという事情があった事も事実です。
しかも債権者としては返済順位が低く議決権を持つ大株主でもないという微妙な資金の性質も手伝って「メガバンクですら企業への経営指導が甘くなりがちだった」と言われています。
しかし今後はもたれ合いの構図が一変しそうです。
経営破綻時に劣後ローンの回収可能性は他の債権より低くなり、貸し手のリスクが一気に高まるからです。
金融機関は与信コストの跳ね上がりによる業績のダメージを警戒しています。
劣後ローンを実行できるのは「リスクを取ってでも支えたい企業に絞らざるを得ない」と金融機関は言います。
地域の雇用を支える企業、メイン行として財務情報を確実に把握できる企業、抜本的な再構築を提出した企業など、融資ハードルは高まります。
融資実行後もいばらの道です。
金融機関の経営指導力を疑問視する声があるのです。
「企業の病状を診断し、さらには外科手術が出来る人材がだいぶ少なくなった」
メガバンクでもそのような声が聞こえて来ます。
いわゆる企業の再生請負人が減ってきている事に不安を覚えているのです。
大手銀行ですら、好景気が長く続いた反動で企業再建に秀でた人材やノウハウが散逸してしまっていると言います。
新型コロナウイルス危機で資本注入が必要となった企業は、その前から構造要因や経営ミスで業績が低迷し財務が痛んでいたケースが多いと言われています。
劣後ローンを入れても経営が良くならなければ再び資金がまわらなくなり、赤字に陥れば資本が目減りします。
これを受けて、今後金融機関の姿勢に変化が見られると推測する専門家が増えて来ました。
金融機関が選別を強め、今回劣後ローンを受ける会社でも、追加融資を受けられない企業が出てくるのではないでしょうか?
これらの会社は需要回復に3年かかるとの前提を置き徹底した合理化に挑むことになります。
しかし、これはいばらの道でもありますので、大変苦しい所です。
金融支援を受ける企業の経営改革が失敗に終われば貸出は不良債権に転じて、金融機関の自己資本をむしばみます。
そこに政府保証があれば国民負担が生じる可能性もあります。
金融機関には経営チェック体制の充実と経営への突っ込んだ注文、経営者には構造改革や再編を含めた経営のテコ入れが求められます。
不況下の資本投下は一蓮托生であり、運命共同体として危機を乗り切る覚悟が必要です。
下記は彩りプロジェクトのご紹介です。
ご興味があればご一読下さい。
経営の根幹は「人」です。働く人次第で成果が変わります。自分事で働く社員を増やし、価値観を同じくし働く事で働きがいも増します。
彩りプロジェクトでは、風土改革を軸にした「私の職場研修」、「未来を創るワークショップ研修」等、各企業の課題に合わせた研修をご提案差し上げます。ITソフトメーカー、製造メーカー、商社、小売業者、社会福祉法人、NPO法人等での研修実績があります。
研修と一言と言っても、こちらの考え方を一方的に押し付ける事はしません。実感いただき、改善課題を各自が見つけられる様な研修をカスタマイズしご提案しているのが、彩りプロジェクトの特徴です。
保育園・幼稚園へご提供している研修【私の保育園】【私の幼稚園】は大変ご好評をいただいています。
また、貴社に伺って行う研修を40,000円(1h)からご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
メール info@irodori-pro.jp
HP https://www.fuudokaikaku.com/
お問合せ https://www.fuudokaikaku.com/ホーム/お問い合わせ/
成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣
「返済に困って焦げ付く融資案件が積み上がってもおかしくない」
企業から殺到した融資要請と、その資金状況の厳しさに不安を感じている金融機関は沢山あると思います。
東京商工リサーチによると、6月上旬時点で、上場企業171社による金融機関などからの資金調達額は9兆6758億円に達したとされています。
メガバンク、地方銀行では、上場、非上場を含めて返済猶予、低利融資の申し込みがひっきりなしな状況のようです。
6月12日に成立した2020年度第2次補正予算では、企業の資金繰り支援に11兆6390億円を充てることが決まりました。
政府は日本政策投資銀行などを通じた「劣後ローン」による財政基盤の支援強化に踏み切りました。
劣後ローンは利息が高いものの返済順位が低く、格付け機関によっては資本と見なす事が出来ます。
資本不足を解消できるため、民間でもメガバンク、地方銀行が相次いで劣後ローンによる資金支援を表明しています。
「弱体化した企業をすべて延命させるわけにはいかない」
これは、劣後ローンの多用に警鐘を鳴らす言葉です。
これまでは、負債資本倍率(DEレシオ)が高く単純に有利子負債を増やせない会社や、既存株主の反発を考慮して株式希薄化を避けたい企業などが、財務改善の「奥の手」として使ってきた側面があります。
年間の利息は通常ローンの数倍と高い一方で、元本返済には猶予がある場合が多いんです。
近年では「ハイブリッドローン」と呼んで先進的な財務スキームとして扱う流れすらありました。
背景には過剰流動性による低金利下で、金融機関は利息が高い劣後ローンくらいしか稼げるものがないという事情があった事も事実です。
しかも債権者としては返済順位が低く議決権を持つ大株主でもないという微妙な資金の性質も手伝って「メガバンクですら企業への経営指導が甘くなりがちだった」と言われています。
しかし今後はもたれ合いの構図が一変しそうです。
経営破綻時に劣後ローンの回収可能性は他の債権より低くなり、貸し手のリスクが一気に高まるからです。
金融機関は与信コストの跳ね上がりによる業績のダメージを警戒しています。
劣後ローンを実行できるのは「リスクを取ってでも支えたい企業に絞らざるを得ない」と金融機関は言います。
地域の雇用を支える企業、メイン行として財務情報を確実に把握できる企業、抜本的な再構築を提出した企業など、融資ハードルは高まります。
融資実行後もいばらの道です。
金融機関の経営指導力を疑問視する声があるのです。
「企業の病状を診断し、さらには外科手術が出来る人材がだいぶ少なくなった」
メガバンクでもそのような声が聞こえて来ます。
いわゆる企業の再生請負人が減ってきている事に不安を覚えているのです。
大手銀行ですら、好景気が長く続いた反動で企業再建に秀でた人材やノウハウが散逸してしまっていると言います。
新型コロナウイルス危機で資本注入が必要となった企業は、その前から構造要因や経営ミスで業績が低迷し財務が痛んでいたケースが多いと言われています。
劣後ローンを入れても経営が良くならなければ再び資金がまわらなくなり、赤字に陥れば資本が目減りします。
これを受けて、今後金融機関の姿勢に変化が見られると推測する専門家が増えて来ました。
金融機関が選別を強め、今回劣後ローンを受ける会社でも、追加融資を受けられない企業が出てくるのではないでしょうか?
これらの会社は需要回復に3年かかるとの前提を置き徹底した合理化に挑むことになります。
しかし、これはいばらの道でもありますので、大変苦しい所です。
金融支援を受ける企業の経営改革が失敗に終われば貸出は不良債権に転じて、金融機関の自己資本をむしばみます。
そこに政府保証があれば国民負担が生じる可能性もあります。
金融機関には経営チェック体制の充実と経営への突っ込んだ注文、経営者には構造改革や再編を含めた経営のテコ入れが求められます。
不況下の資本投下は一蓮托生であり、運命共同体として危機を乗り切る覚悟が必要です。
下記は彩りプロジェクトのご紹介です。
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彩りプロジェクトでは、風土改革を軸にした「私の職場研修」、「未来を創るワークショップ研修」等、各企業の課題に合わせた研修をご提案差し上げます。ITソフトメーカー、製造メーカー、商社、小売業者、社会福祉法人、NPO法人等での研修実績があります。
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成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣