Tリーグは1月以降のリーグ戦を有観客で実施するとして、昨年いっぱいの公式戦を無観客開催してきました。そこはリーグ側の判断ですし、終わったことですから特に何も言いません。

その思惑が狂ったのが、1月に発出された緊急事態宣言です。それは政府並びに自治体トップの考えではありますが、そのことによって翻弄される形になった各競技団体は対処方法を巡って迷走しています。
以前、その無責任体質を指摘したのは日本バレーボール協会とVリーグ機構に関してでしたが、その他の団体も課題から逃げて「事なかれ主義」で知らぬ存ぜぬを通そうとしている節が見え隠れしていて、見苦しいこと極まりなしと言ったところでしょうか?
にほんブログ村
Tリーグでは2月1日に、コロナ禍での有観客試合開催に関する注意事項を公開し、観戦者に案内しています。

有観客試合での試合観戦に関する注意点
https://tleague.jp/news/detail.php?id=1181
※以下、引用です。
1月より、ノジマTリーグ 2020-2021シーズンの開催試合に関しまして、一部を除き、人数制限等を行いながら有観客での試合開催を実施しております。
試合運営にあたりましては、飛沫感染防止、接触感染防止の観点より、以下の行為は禁止行為となります。
・アリーナ内での飲食
・マスクの未着用
・大きな声を出しての応援
・観客席の移動
禁止行為を行う方がいらっしゃった場合、運営側より個別に注意等をさせていただきます。また、場合によっては観戦をお断りする場合もございますのでご注意いただけますようお願い致します。 試合運営にあたりましては、新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインを定めさせていただいております。
ご来場にいただくお客様におかれましては、新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインを今いちどご確認いただき、ご来場いただけますようご協力のほど宜しくお願い致します。
★新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン
「Tリーグ 新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン(2021/1/13改訂)」(PDF)
【ガイドライン(一部抜粋)】
5.2 会場のゾーニングと使い方
(5)一般来場者、チーム関連来場者、リーグ関連来場者、会場物販【ゾーン4】
カ.飲食
・飲料の販売は可とする。ただし、ペットボトル等既製品のみとし、紙コップ等容器での販売は不可とする。
・食物については、アリーナ外において、通気性が確保され、各席の間にアクリル板等による仕切りを設置するなど、密な状況での食事を回避できる環境が整っている場合に限り、リーグの許可を得て販売することを可とする。アリーナ内での食事は不可とする。
ーーー
5.4 入退場口における対応
(2)入場チェック (全員)
・ゾーニングに合わせた入場口をもうけ、入退場チェックを行う。
・実施内容と来場者数をふまえ、適正な数を設置。
・来場時点でマスクの着用有無を確認し、マスクの着用を義務付ける。
ーーー
5.8 応援
手拍子、拍手、打楽器(大音量を生じるものは避ける)を使用しての応援を推奨すること年、下記の行為に関しては感染防止対策の観点から禁止とする。
(1)飛沫感染防止
① 大きな声を出しての応援、指笛
② 周囲の来場者へ向けて上記のような行動を煽る行為
③ 飛沫感染を防ぐため、手持ちのアイテムを"振る"もしく"回す"行為(タオルマフラー、フラッグなど)
④ 風船やジェット風船の使用。なお、バルーンスティックは、打楽器的に使用することは妨げないが、会場内で空気を抜く行為は禁止する。
(2)接触感染防止
① 他来場者などとのハイタッチや肩組みなどのフィジカルコンタクト
② 座席の移動
今後も、Tリーグでは、ご来場いただくお客様に、安全、安心して観戦いただける試合運営に努めてまいります。ご協力宜しくお願い致します。
極めて一般的な通達内容です。これに関しては、可もなく不可もない状況ですね。
どちらかと言えば消極的な有観客開催と言えます。

とは言え、1月開催の試合に関しても緊急事態宣言発出にともなって、大阪を中心としたレッドエルフとマレッツのホームゲームが無観客で行われました。
2月開催予定の各クラブのホームゲームも段々と無観客開催のリモートマッチに移行される試合が見かけられるようになりました。
昨日は男女の木下主催のホームゲームがリモートマッチに変更されることが発表されました。

出典:https://tleague.jp/news/detail.php?id=1192
これに対して、「立派な決断」と評価したがる人も見受けられますが、はたしてそうなのでしょうか?
これは、段々とコロナ禍で影響を受けて沈み行く日本経済の縮図のように感じています。
私とすれば、力士にも感染者を出し、数多くの批判を浴びながらも緊急事態宣言発出下の東京・両国で有観客の場所を完遂した日本相撲協会の姿勢こそが、最も高く評価されるべきものだと感じています。制限下で有観客のイベントを実施したとしても利益は期待できません。しかし、感染拡大を防止しながら有観客で実施することに大きな意義があるのです。これが他競技の有観客開催への道筋を示したことに意義を見出します。
にほんブログ村
緊急事態宣言下での有観客イベント開催から逃げて、無観客開催に移行することは苦渋の選択のように見えますが実際は只の責任逃れ行為と言えます。「何かあったら責任取らされるし面倒に巻き込まれるのはご免だ」という心理が働いているのは、当事者が意識しているかどうかは別として、潜在意識の中に必ずあると思います。
今の日本は政治家からメディアを含めて、トップに立つ人々が総じて当事者意識を持っていない只の無責任集団です。現場が何も分かっていない人々が、自身に火の粉が及ぶのを避けたいだけの動きですから賛同を得られることはありません。
にほんブログ村
無観客開催によってクラブが被るダメージは計り知れませんし、何より選手のモチベーションに悪影響を及ぼします。
今、求められているのは、必ず有観客で実施し、その上で感染者を絶対に出さないという、主催者側の決意です。やり遂げてこそ果たせる責任があります。今は万事、全てのトップにその姿勢が求められています。その姿こそが日本の未来を左右することになります。
よろしくお願いします。

にほんブログ村