長編ストーリーになった被災備忘録。
助け合いの日々の中で、悲喜こもごもあったけど、一番不愉快だった出来事を綴ります。
ブログには嫌なことは書かない主義に反しますが、反面教師として残すつもりで。
被災から10日たった日、決壊した砂防ダムに、ついに大型重機が入るという時のこと。
住宅街の狭い道路なので、切り返さないと進入できない。
そのため、通行の車を一時止めといてほしいと業者さんに頼まれ『わかりました!』と、路地に走りました。
みんなが待ちのぞんていた大型重機がやっと来てくれたので、すっ飛んでいきました。
ほとんど住民しか通らないような場所です。
一台の車が来たので『すみません。大型トラックが切り返すので、ちょっとだけ待ってもらえますか』と運転している人に頼んだところ……
『了解』以外の返事が返ってくるとは予想だにしていなかった。
路地むこうは土砂崩れ現場。大勢の住民が復旧作業に従事しているのは嫌でもわかる。
ちょっとした譲り合いだもの。ましてやこんな非常時だもの。
そしたら『鍵をかけずに家を出てきたから、待ってるあいだに、何かあったらお前が責任取るんだな』とすごまれ、不覚にも絶句。
ええええーーーー????なんの責任????
『少しの間だけ、待っていただけませんか?』と再度頼むと『それって何分??5分??3分??はっきりした時間を言え』とさらにすごまれ、結局、再度のお願いも無視して、ご自宅であろう方向に走り去った車。
いつもなら『こんな時に鍵かけないほうが非常識ですよね』ぐらいの反論はできるおばちゃんなんだけど・・・・
反論する元気がなかった。
その様子を見ていた住民の方が『ひどいこと言われていたけど、大丈夫ですか?』と駆け寄ってきてくれたものだから、もういけません。
その方の前で、大泣きしてしまいました。
『交通整理は僕が変わります。ちょっと休んでください』と優しい言葉をかけてもらってさらに泣けました。
どんな時にも心無いことをいう人はいます。
人の痛みに寄り添えない人間や、自分のことしか見えない人、他人の言動を責める人はいます。
私自身、大した人物ではないけれど、みんなで助け合う必要があるときには、少しだけ我慢したり、いつもより負担を増やしたり、自己主張を控えたりができる人間でありたいな、と思いました。
こんなつまらん出来事は忘れよう。どちらにしろご近所さんだから、誰かを特定すると、一生怨みそうだもの・・・・と、その時は記憶から抹殺してたのですが・・・・
かなり気力回復した今となっては『くそぉ~、やっぱアイツの顔覚えときゃよかった』……と、ちょっと残念がっております。
まだまだ修行が足りませんね。