ニュースなはなし

気になるニュースをとりあげます

8割が「退職金額を知らないまま定年退職」で起こる老後破綻の自業自得

2021年04月01日 23時45分56秒 | お金のこと
8割が「退職金額を知らないまま定年退職」で起こる老後破綻の自業自得


老後資金はどのように貯めればいいのか。ファイナンシャルプランナーの山崎俊輔氏は「金融庁が2019年に発表した『老後2000万円不足する』というレポートの土台となった調査によれば、会社員のほとんどが退職金額を知らずに定年を迎えている、と紹介されています。

自分はいくらもらえるのか早い段階から把握すると同時に、iDeCoやつみたてNISAといった上積み制度を利用するべき」と指摘する――。

 【この記事の画像を見る


 ■8割の会社員は「退職金額を知らずに定年を迎える」  2019年に話題になった「老後に不足する2000万円問題」。このレポートは今も金融庁のホームページに掲載されています。きちんと読んでみると「老後に2000万円」騒動の内容とは別にいくつか興味深いデータが紹介されています。 

 そのひとつが「会社員のほとんどは、退職金額を知らずに30年以上働き、定年を迎えている」というものです。 

 このレポートの元データはフィデリティ退職・投資教育研究所(現、フィデリティインスティテュート退職・投資教育研究所)が実施した調査です。そこではリタイア済みの人たちに「退職金額を知ったのはいつ頃か」と聞いています。その結果に驚かされるのです。  

なんと31.6%は「退職して受け取るまで知らなかった」と回答しています。3人に1人弱は退職日に初めて、退職金額を告げられて知るのです。  続いて「定年退職前半年以内」という回答が20.3%で、60歳定年とすれば59歳半年まで自分の退職金を知らない人の割合は半分ということになります。 

 これに続いて「定年退職前1年以内」というのが12.0%となりますから、60歳定年の場合で59歳を過ぎてからようやく退職金額を把握する人の割合は6割強、おおむね3人に2人ということになります。 

さらにアンケート回答の中には「覚えていない」という項目もあり、それが19.9%に達します。自分の退職金額を把握した時期を覚えていない、というわけです。個人的には、これは恥ずかしくて回答を拒否した、つまり退職日まで知らなかったものとしてカウントしていいと思われます。すると、全体の8割は退職金額をほとんど把握しないままリタイアを迎えることになるのです。

 ■平均1000万円以上の退職金の額を知らずに働いている  

退職金額が自分の老後にまったく影響しないほど些少であれば、知らないまま定年退職日を迎えて「臨時収入があってラッキーだった」と思うのもありでしょう。しかし「老後に2000万円」の準備のほとんどをこれが占めているとしたらどうでしょうか。  いま、退職金の相場はどれくらいでしょうか。

 東京都の中小企業を対象にした調査では、大卒入社定年退職のケースでモデル金額が1203万円になります。もらえる額のボリュームゾーンはもう少し低い500万~1000万円くらいという可能性が高いですが、少なくない金額です。

  退職金額は一般に企業規模が大きいほど増えます(これは賃金も高い会社ほど退職金の多くなる関係があるため)。経団連の調査ではモデル額(総合職、大卒定年)は一気に増えて2256万円になります。なんと退職金だけで老後に2000万円問題が解決する人もいるのです。 

 しかしながら、こうした人生を左右する大きな金額にもかかわらず、定年直前まで無知でいるというのが現実です。つまり、老後資金を「ちゃんと積み立てられているのか」「自分はいくらくらいもらえるのか」をあまり気にせず働いているわけです。考え方によっては、これはとても恐ろしいことであり、愚かなことでもあります。 


■老後の2000万円は「退職金込み」で目指すもの  

もし1000万円のゴールにたどりつく積立定期預金や積立投資をしていたとして、「通帳を忘れた」とか、「残高をチェックせずに30年放置している」とかいうのは考えられません。銀行選びも慎重にするはずです。退職金を知らないで働いている、というのはそれと同じことです。

  それに「老後に2000万円」問題をまじめに考え、対策をたてる場合「(退職金や企業年金)+(iDeCoやNISAなどの自助努力分)」の合計で2000万円超えを目指すのが自然です。これが「退職金抜きで2000万円超え」を目指すとすれば、現役時代にかなり無理をした資産形成を行うことになります。

  退職金額を知らずに老後の資産形成を行うということは極めて危険です。なぜなら、老後資金の目標額を高く設定したため、金融商品などを購入する際、過剰なリスクテイクをしてしまう恐れがあるからです。運用のリスクを高くしすぎると、急落時などに回復不能な痛撃を食らうこともあります。

 あるいは、あまりの目標額の高さに、「どうにでもなれ」「何とかなるさ」と思考停止して貯蓄などの取り組みを断念する人もあるでしょう。退職金を知るかどうかは、マネープランの重要な一歩なのです。

 ■退職金制度の有無と金額を自力で確認する方法  

退職金・企業年金制度は各社各様です。公的に一律の積立ルールがあるわけではありません。言い換えれば、社内で情報源をたどることが「自分の退職金」について知る唯一の方法ということになります。 

 まずは自分の会社で退職金規程を探してみてください。以前は紙に印刷したものが総務や人事部に置かれていることが多かったですが、今はイントラネットや共有フォルダにおいて閲覧する形が主流のようです。誰かの目を気にすることなく、規程を閲覧できます。 

 退職金の一部ないし全部を企業年金化している場合は、確定給付企業年金の規約、ないし企業型確定拠出年金の規約も設定され、公開されています。

  これらの規約や規程をチェックすると「毎月の掛金積立のルール」が記載されています。また「受取額の計算方法」も書かれています。ただし計算に必要な情報が不足していて自分の金額を推定できないこともあります。

  会社の標準的な退職金額(モデル退職金という)については、社内の福利厚生の説明資料や労働組合の資料などで開示されていることがあります。過去に確定拠出年金に制度変更したときなどの説明資料も閲覧できればそこに記載があります。  

どうしても分からない場合は、人事労務担当に同僚や顔見知りの先輩があれば「ざっくりどれくらいなんですかね」と聞いてしまうのもいいでしょう。「最近辞めた誰々さんがいくらだった」とはいえませんが「まあだいたい○△万円くらいかな」くらいは教えてくれるかと思います。 

■今いくらもらえるか確認できる制度もある 

 今いくらの権利があるかを確認できる制度もあります。「ポイント制の退職金」や「企業型の確定拠出年金」、あるいは「キャッシュバランスプラン」と呼ばれる確定給付企業年金などがそれです。 

 このポイント制退職金の場合、累積ポイントが開示されるので、1ポイントあたりいくらになるか確認して計算します。普通は1ポイントあたり1万円なので、1000ポイントあれば1000万円という感じです。 

 確定拠出年金は社員一人ひとりのIDとパスワードが付与され、自分で運営管理機関のサイトにログインすれば昨日付の時価残高がすぐに分かります。これは一番リアルタイム性がある確認方法です。 

 キャッシュバランスプランについては、バーチャルな持ち分額について年に一回程度通知することが多く、だいたいこれくらい、というイメージを持つことができるようになっています。  

ただし、いずれも「現在の残高」ですから、このまま勤め続けていけば「定年退職時の残高」はもっと増えます。特に若い社員の場合は、40~50歳代で積み上がる分が多いことも考えつつ、チェックしてみてください。

 ■ただし「退職金なし」の会社もあるので要注意  ただし注意すべき点がひとつあります。「退職金なし」の会社もあることです。

  厚生労働省の調査では退職金制度の実施率はおおむね80%なので、2割の会社では退職金がありません。一般的には中小企業ほど実施率が低く、大企業ほど実施率は高くなります。また、社歴が長い会社ほど実施率は高くなり、ベンチャーや社歴が浅い会社ほど実施率が低くなります。 

 退職金制度は実質的には給料の一部を退職時にもらう仕組みです。もし40年働いて1000万円の退職金をもらったとしたら、毎年25万円を給料でもらわず積み立てていたというイメージです(実際には利息などもありますが、ここでは説明を省きます)。  

ですから退職金がない会社の場合は、退職金分を毎月の給料に乗っけてもらっていた、ということになります。もしあなたの会社に退職金制度がないなら、iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入を急ぎ、すぐに給料の一部を老後のために積み立てすることをオススメします。企業年金のない会社員は年27.6万円が積み立てられますから、退職金と同じくらいの老後準備になる感覚です。


 ■共働き正社員夫婦ならそれだけで2000万円超えも 

 「老後に2000万円不足」問題の2000万円という数字は、あくまで平均値であり、いくら不足するか(もしくは足りているのか)、必要な金額はいくらか、は自分自身で考える必要があります。その際、 

 「退職金・企業年金」+「自助努力」

  という式を頭の中に入れておき、勤務先から支給される前者の数字をイメージできれば、老後のマネープランはずいぶん変わってくるはずです。

 もし、結婚していて夫婦が正社員で共働きをしていたなら、2人分の退職金をもらえることも確認したいところです。

  現在「子供の学費と住宅ローンに追われて、老後の準備なんかする余裕がない」という夫婦も、実は「ダブル退職金」がもらえることで、すでに老後には一定のメドがたっているかもしれません。

  また、正社員共働き夫婦にはもうひとつ「夫婦がそれぞれ厚生年金をもらう」メリットがあります。この額が仮に月5万円程度であっても、女性の平均余命(65歳女性は約25年)で計算すると、1500万円の年金収入増なので、妻がパート働きで厚生年金をもらえないケースと比べると、大きな財産となるでしょう。

 ■iDeCo、マッチング拠出、そしてつみたてNISA  最後に、前述した「退職金・企業年金」+「自助努力」の自助努力について。いわば、上積みの制度ですが、これには税制優遇を受けつつ、老後の資産形成をする方法が3つあります。 

 1つめは、勤務先が企業型の確定拠出年金を実施し、そこにマッチング拠出制度があれば、自分のお金を企業年金制度に追加入金できることです。iDeCoと同等の非課税メリットがあり、口座管理手数料はかからないので、年間2000円ほど有利になります。 

 2つめは、iDeCoです。働き方によって掛金額上限が変わる(さらに2022年から、他の企業年金制度の水準によって掛金額調整も行われる)という点がややわかりにくいものの、所得控除を受けられ所得税や住民税を軽くしてくれる老後資産形成制度は他にありません。ぜひ活用したいものです(運用益も非課税で、受け取り時に課税。ただし控除枠と軽い税率により完全非課税になることが多い)。  

3つめは、NISAです。老後資産形成を視野に置くなら、20年持ち続けることができるつみたてNISAのほうがいいでしょう。年40万円の枠なので、月あたり3万3000円くらいということになります。こちらも運用益が非課税なのが魅力です。 

 退職金・企業年金制度を知るということは、自分の老後を「見える化」する第一歩を踏み出すということ。3月は定年退職を意識する季節です。自助努力を組み合わせて、老後の不安を早期に解消していくきっかけにしてみてはいかがでしょうか。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

神社の月ですね>季節のなかで

2021年04月01日 23時15分28秒 | いろいろな出来事
月がきれいな季節になりました☺




10・25・2020
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東京じゃないのに「東京〇〇」は千葉や茨城だけ?埼玉や神奈川は…東京茨城国際空港問題

2021年04月01日 23時00分05秒 | 社会のことなど
東京じゃないのに「東京〇〇」は千葉や茨城だけ?埼玉や神奈川は…東京茨城国際空港問題

茨城県小美玉市にある茨城空港の名称に、今後「東京」の文字が加わることになりそうだ。正確には、国内向けは「茨城空港」の愛称のままで、海外向けのみ「Tokyo Ibaraki International Airport」を、新名称の最終候補案とするという。 

 これに対し、一般人からのパブリックコメントでは、「東京と茨城は隣接していない」「誤解を招く」など批判的な意見も少なくなかったという。実際にこの名称が決定し、空港ビル等に新たにその名の表記がされるようになったら、「ここがTokyoかよ!」等、さまざまな否定的意見がSNS上で踊るだろう。 

開港当時の茨城空港

 思えば、東京都外で東京の名を冠する大きな施設が存在する県は、千葉だけだ。千葉にはかつて新東京国際空港(2004年まで。現在は成田国際空港が正式名称)があり、現在も東京ディズニーランドがある。マイナーなところでは、東京ドイツ村(袖ヶ浦市)という施設もある。東京湾アクアラインにある海ほたるPAは千葉県だが、それを知っている人も多くない。 


横浜ナンバーは品川ナンバーより格上!
 一方、神奈川県にはめぼしい「東京」はない。神奈川県民はプライドが高く、「横浜ナンバーは品川ナンバーより格上」と思っているし、かなりの内陸まで湘南ナンバーだったり、県内のブランド地名を拡大解釈する傾向はあるが、東京の名前は決して使わない。 

神奈川生まれの知り合いが埼玉に住んでいるとき、クルマを買う際は実家の住所で登録し、横浜ナンバーに必ずしていると言ってました(日刊SPA!編集)

 埼玉はどうかというと、これも意外なほど東京を名乗っていない。東京へ通勤する埼玉都民は多数いて、東京の植民地とも言われるが、県内には練馬区の飛び地(本物の東京都)と、「東京ゴルフ倶楽部」という名門ゴルフ場があるくらいである。  茨城県をはじめとする北関東にも、東京を名乗るメジャーな施設はない。さすがに北関東で東京はないだろうというのが、首都圏の住人の感覚で、茨城空港に“Tokyo”の文字が付くと聞けば、「え~っ!?」となるのは当然だ。  その茨城空港、実際にどんなところにあるかというと、「すさまじい田舎」である。 


Tokyo感のカケラもない茨城空港周辺
 茨城空港は、もともとは航空自衛隊百里基地で、それを10年前、自衛隊と民間との共用空港にした施設。 

ファントム見物が茨城空港のウリでした
「このままでは羽田と成田の発着枠が足りなくなって、アジアのハブ空港の地位から転落する!」という危機感が強かった約25年前には、首都圏第三空港の有力候補として注目され、10年前に共用空港化が実現したが、鉄道駅や高速道路から遠く、百里基地時代から自衛官たちは、「陸の孤島」と自嘲していた。ジェット戦闘機の騒音がそれほど問題にならないくらいの、ウルトラスーパー田舎なのである。 


ターミナルの展望台から向こう側に見えるのが航空自衛隊の建物

 空港の開港に合わせて、東関東道の支線(水戸線)に茨城空港北インターが開設されたが、東京方面からは遠回りになり、常磐道の千代田石岡インターか、石岡小美玉スマートインターが最寄り。昼間だと、インターを降りてクルマで30分以上かかる。  実際に千代田石岡インターから空港へ向かうと、なんとも“イバラキ”な風景が広がっている。なかでも国道6号線わきにあるファッションヘルス「リッチマン」の看板は、心をくすぐらずにはおかない。 「リッチマン」を過ぎて国道を右折すると、ラーメンやトンカツ、回転すしなどの郊外型レストランが続々と現れては消え、それを過ぎると、ひたすらの田園風景。  そののどかな景色は、茨城空港周辺でピークに達し、「ここは十勝平野か?」と錯覚するほどだ。関東平野って、実はこんなに雄大なんだねえ……。そんなところに「Tokyo」が現れれば、誰だって突っ込まずにはいられない。

Tokyo感ゼロでもわかりやすければよくないか?
 しかし、「Tokyo」の名称は海外向けのみ。ならば、かえってわかりやすいのではないか。おそらく茨城空港に降り立つ海外の観光客(現在ゼロですが)に、茨城県内の観光が目的という人はほとんどいないだろう。 

 いや、スカイマークの国内線(こちらも現在すべて運休中……涙)で茨城空港に来る人だって、茨城県が目的地というケースは多くはないんじゃないか。 

そんな私ですが、百里基地のファントムなど航空自衛隊の離発着が見たくて、東京から茨城に何度も行ってます!


 茨城空港からは、東京駅まで500円の超激安高速バスが運行されていた。昨年暮れに訪れた際は、500円バス乗り場には長蛇の列ができておりました。それも県の補助金の打ち切りにより昨年度内で廃止され、4月から1530円に。4月20日から全便運休中ですが……。  友人が佐賀県の転勤先から水戸に再転勤になった際、佐賀の人たちに「水戸って東京でしょ」と言われたというが、地方から見れば茨城なんて東京みたいなもの(たぶん)! ましてや海外からすりゃ、茨城の存在感がゼロすぎるがゆえ、「Tokyo」と書いてくれなきゃどこだかサッパリわからない!  北京の大興国際空港も、北京から60km近く離れた田舎にあるが、「北京大興国際空港」だ。都心から100km離れた茨城だって、「Tokyo」としたほうが安心感があるし親切だ。 


北京大興国際空港のヒトデ形ターミナルの建築を手掛けたのは、白紙撤回前の新国立競技場のデザイン監修をしていたザハ・ハディッド氏

 成田が「新東京国際空港」として開港した42年前も、周囲は今の茨城空港なみのド田舎だった。当時空港に降り立った外国人だちは、東京は超過密な息苦しい街だと思っていたのに、空港の周囲が広大な森と田園だったことにビックリして、好印象を持ったという。  新型コロナウイルスの感染拡大が全世界で収束し、茨城空港にも海外便が戻ってきたころ、「Tokyo」の文字とともに、広大な田園風景やファッションヘルスの看板が、外国人観光客の心を和ませることを祈りたい。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中国人富裕層に大人気「米出産ツアー」 妊婦の入国ビザはどこまで取り締まれるか>新生児は即、米国籍に

2021年04月01日 22時30分55秒 | 医学と生物学の研究のこと
アメリカ国務省は、外国人の妊婦がアメリカで出産するためにビザを取得し、入国後に出産するケースが急増していることを受け、各国にあるアメリカ大使館でのビザ面接を強化すると発表した。 

近年、アメリカへの渡航の理由として観光や家族との面会、医療を受けるためなどと虚偽の申告により非移民ビザを取得して入国、出産するケースが後を絶たない。 

そもそもなぜこのようなケースが発生しているのかと言うと、アメリカは国内、領土内で生まれた子に自動的にアメリカ市民権を与える出生地主義を取っているからだ。 


このようなケースで生まれた子は「アンカーベイビー」と呼ばれ、親は即「アメリカ人の親」になる。多くのケースで、出産を終えると親は子と共に帰国するが、子が21歳に達した時点で親のアメリカ永住権をサポートできるため、家族や一族でアメリカに移住したり「アメリカ人特典」を利用するケースもあり、社会問題になっている。 

特に近年は、アメリカ国内に存在する専門のエージェンシーが、国外から訪れる妊婦を一式サポートする「出産ツアー」が人気だ。これを利用すれば、ビザの取得から渡航、滞在、出産に至るまで、自国の言葉で手取り足取りサポートしてくれる。これが頻発しているとして問題視され、昨年6月にもカリフォルニア州で中国系エージェントから逮捕者が出た。記事
国務省が1月24日に発令する

2/22/2020


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

まさかの逆転、日本の技術はなぜ中国に抜かれたのか

2021年04月01日 22時00分28秒 | 国際情勢のことなど


花園 祐:上海在住ジャーナリスト)  2012年頃のことです。筆者は、日本と中国の製造業における技術格差について、周りの人によく次のようなことを口にしていました。  

「日本と中国の技術格差は2000年頃が100:1だとすると、今は10:1程度にまで縮まっている。今後、この差はさらに縮まっていくだろう」

  そうした考えから、日系企業関係者に会うと「今なら日系企業が保有する技術や特許には中国企業の買い手がつくはず。それらはまとめて売却し、そのお金で新規事業に投資した方がいい」と勧めていました。 

 あれから約10年が経った現在、当時は買い手がついたであろう日系企業の特許や技術を買いたいと思う中国企業は、もうないでしょう。 

 また日本と中国の技術格差も、10:1どころではなく、現場労働者の能力から先端産業技術まで今や中国の方が日本を上回っているのではないかと筆者はみています。  一体なぜ日本と中国の技術力は逆転してしまったのか。その背景と原因を考えてみたいと思います。


■ 家電はほぼ全滅、工作機械も黄信号 

 最初に、現在日本が国際市場において置かれている立場を主要な製造産業ごとにみていきましょう。 

 まず、かつては自動車産業と並んで花形だった家電産業は、完全に中国系に敗北してしまいました。東芝をはじめ既に多くの家電メーカーは家電事業を中国企業に売却しており、パソコン事業も大半が中国系の資本に収まっています。 

 携帯電話に至っては、ソニーがまだ頑張ってはいるものの、国際市場における販売台数では中国系に遠く及ばず、国際競争力はまったくかなわない状況です。 

一方、デジカメはキヤノン、ニコン、ソニーの日系御三家がいまだ圧倒的な国際競争力を維持してはいます。しかし、スマートフォン搭載カメラに押され、カメラ市場自体が縮小しているのが現状です。競争力があるとはいえ、その先行きは厳しいと言わざるを得ません。 

 日本の製造業を陰で支えてきた産業用ロボットをはじめとする工作機械産業については、現状はまだ日本が優位に立っているように見えます。しかし現在、この分野は中国が国を挙げて強化に取り組んでおり、技術力もここ数年で目覚ましく高まってきています。今のペースが続くようであれば、この分野でも遅かれ早かれ日本は中国に追い抜かれる可能性が高いでしょう。

 ■ 頼りは自動車、素材系産業だが・・・  逆に日本が中国に対していまだに強い優位性を持っている産業としては、日本のお家芸ともいうべき自動車と、化学品原材料をはじめとする素材系産業が挙げられます。



 特に地道な基礎開発と品質管理がものを言う素材系産業分野は、中国系企業が明らかに苦手としていている分野です。中国政府がどうテコ入れしても、あと10年は確実に日本の後塵を拝し続けることになるだろうと筆者は見ています。 


 一方、自動車産業は、今後の電気自動車(EV)化の進展によっては劇的な技術革新が起こり、既存技術が一気に陳腐化する恐れがあります。特にEVのコアともいえる電池技術に関してはすでに中国がリードしています。日本の自動車産業がこのまま今の優位を保てると断言することは決してできません。


 ■ 産業育成における官僚の差  

では、なぜ日中の技術力格差が急速に縮まり、一部分野においては逆転を許してしまったのか。様々な原因がありますが、その中から筆者が特に大きかったと感じる2つの原因を挙げてみたいと思います。  

1つは産業育成の差。

もう1つは日本の改善主義の弊害です。  

産業育成の差から説明すると、これはある意味“官僚の差”であると言い換えられるかもしれません。中国の官僚は理系出身者が多く、ITを含む各産業の構造や技術について一定の知識を備えた人物が少なくありません。そうした背景からか、中国政府の産業支援策や優先強化対象とする技術の選定などはどれも理に適っており、筆者もしばしば感心させられます。

 逆に日本では、産業支援策というと、ひたすら中小企業の支援に力を注ぎ込みます。先端技術や特定分野に対する強化指導方針なども見えづらく、そうした方面の研究開発について政府は大手民間企業に丸投げしているようにも見えます。そもそもパソコンにもろくに触ったことがない人がIT担当大臣になるなど、政治家の技術への理解の程度、関心が低すぎることも問題でしょう。


 ■ 新規事業の投資に躊躇する日本企業  

次は、改善主義の弊害についてです。

 筆者が見る限り、日本の製造業系企業は、既存技術の改善は得意とするものの、新規技術を企画してゼロから立ち上げることは苦手としているようです。技術者と話していても、既存工程の改善はこれでもかというくらい熱心に行いますが、普段あまり取り扱わない製品や、新規技術の取り込みとなると途端にやる気をなくす人が多いように感じられます。

  大手メーカーの間では、2000年代中盤に「選択と集中」が流行ってから、競争力のある既存事業に投資を集中する一方、新規事業への投資は控える傾向がありました。その結果、製造業の経営は短期的に持ち直したものの、国際競争力は低下していくことになりました。逆に中国はこの間、ドローンやEV、AI、5Gといった新技術や産業への投資を活発に行ってきました。 

 日系企業の改善主義が決して悪いというわけではありません。しかし改善を重視するあまり、新規分野の開拓や投資が疎かになったことは否めません。こうした新規技術分野への挑戦意識の差が、今日の日中の技術格差の大きな要因になっているように思われます。

 ■ 日本はどの分野の技術を強くしていくべきか  

最後に、日本は今後どの分野の技術を高めるべきかについて少し付け加えたいと思います。 

 大前提として、日本は国家としてどの分野を強化すべきかを、きちんと最新技術に精通した専門家を招いて審議する必要があります。これまでは、技術に疎い政治家が、環境や再生エネルギーなど耳障りの良い分野の技術ばかりを支援対象に選び、市場の混乱を招いてきました。単純に「世界で稼げる技術」を支援対象とすべきでしょう。  

その上で、中国が力を入れている分野を避けることも1つの手ではないかと思います。広い分野で下手に張り合うよりは、中国がノーマークで盲点となっている部分をピンポイントで攻め、日本がその分野を押さえる戦略の方がより現実的であるように思います。 

 それだけに育成分野の選定は非常に重要となってきます。日本が今後どんな技術で稼いでいくか、官民を問わず活発な議論が行われることを期待しています。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする