菅解散」期待と警戒 発言に変化、最短「10・25」説・・・自民総裁選
自民党総裁選で優位に立つ菅義偉官房長官が新首相に就任した場合、早期の衆院解散・総選挙に踏み切るとの見方が広がり始めた。
ここ数日で菅氏の発言が解散に柔軟とも受け取れる言い回しに変化したためだ。
早くも永田町では最短で「10月13日公示―25日投開票」との臆測も流れ、与野党には期待と警戒が交錯している。
菅氏は3日のテレビ番組で、解散の可能性について「状況次第だ。コロナ禍の中で国民が何をやってほしいか客観的に考えながらやるべきだ」と語った。
1日の記者会見で同様の質問に「やはり課題は新型コロナウイルス対策だ」と慎重姿勢を示したのと比べると、明らかに変化した発言だ。
菅氏を支持する麻生派会長の麻生太郎副総理兼財務相はかねて早期解散論を唱えている。
菅氏陣営の関係者は「二階俊博幹事長も解散したいと思っている」と明かす。
内閣支持率は一般的に、政権発足当初が「ご祝儀相場」で最も高く次第に下落する傾向にあり、
麻生氏や二階氏はこうした点に着目しているとみられる。菅氏の変化はこうした派閥幹部に影響された可能性もある。
朝日新聞の最新の世論調査によると、総裁選候補3人の中で安倍晋三首相の後継に最もふさわしいのは菅氏との結果だった。
石破茂元幹事長を10ポイント以上引き離しており、自民党内では「こんなに数字がよければ解散になる」(閣僚経験者)との声が上がる。
「菅政権」が安倍氏の残り任期1年限りの「暫定政権」との見方もささやかれる中、党幹部は「解散して勝てば本格政権だ」と語る。
与野党には「10月25日投開票」のほか、大阪都構想の住民投票と同日となる「11月1日投開票」などの日程が取り沙汰される。
一方、同じ与党でも公明党は早期解散に反対の立場を崩していない。コロナ禍で支持母体・創価学会の活動が制約を受けているためだ。
同党の斉藤鉄夫幹事長は4日の記者会見で「感染拡大が収束しつつあるという状況ではない中で行うべきではない」と主張した。
立憲民主党の枝野幸男代表は首相が辞任表明した8月28日に「10月25日が最短だ」と警戒を示した。
今月15日に発足する合流新党の選挙準備は遅れており、選挙となれば苦戦は避けられそうもない。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020090401096&g=pol